秋の東京でデビュー、2着に3秒1差をつける衝撃的なレースで圧勝した。その年はテレビ東京賞3歳牝馬S(GⅢ)など4戦3勝。
翌年初戦のクイーンC(GⅢ)は4着に敗れたが、報知杯4歳牝馬特別(GⅡ)で、初コンビの河内洋騎手を背に鮮やかな直線一気を決めると、桜花賞(GⅠ)では早めに動く競馬で危なげなく抜け出し勝利した。オーナーブリーダーのメジロ牧場にとっては初のクラシック制覇だった。
オークス(GⅠ)には直行せず、次走はサンケイスポーツ賞4歳牝馬特別(GⅡ)に出走して快勝。オークスでは後方から徐々に進出、直線で突き放す完勝で強さを印象付けた。
秋はローズS(GⅡ)で復帰。調整遅れもあってクビ差の際どい勝利だった。エリザベス女王杯(GⅠ・当時は3歳限定戦)では、4コーナーで先頭に立つ早めの競馬で最後は脚が鈍ったが、追い上げをしのいでJRA史上初の牝馬三冠を達成した。本番のみならずトライアルもすべて制したことで「完全三冠」と称された。また、重賞6連勝は当時のJRA記録。河内騎手はこれ以降牝馬での活躍が目立ち、「牝馬の河内」の異名で知られるようになる。
次走の有馬記念(GⅠ)9着を最後に現役を引退。繁殖牝馬として直仔からは活躍馬を出せなかったが、曾孫の代で2019年、2021年の香港ヴァーズ(G1)を制したグローリーヴェイズが出るなど、その血脈は広がっている。
メジロラモーヌMejiro Ramonu
1983年4月9日 牝 青鹿毛
父:モガミ 母:メジロヒリユウ
冠名+アルプス山脈の峰の名前
開催日 | レース名 | 開催場所 | 着順 | 騎手 | コース・距離 | タイム | 1(2)着馬(注釈) | レース映像 |
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1985年 10月13日 |
新馬 | 東京 | 1 | 小島太 | ダ1400 | 1:26.1 | (ダイナボンダー) | |
1985年 11月3日 |
京成杯3歳S(GⅡ) | 東京 | 4 | 小島太 | 芝1400 | 1:23.9 | ダイシンフブキ | |
1985年 11月30日 |
寒菊賞 | 中山 | 1 | 柏崎正次 | 芝1600 | 1:35.7 | (フジノセンゴク) | |
1985年 12月14日 |
テレビ東京賞3歳牝馬S(GⅢ) | 中山 | 1 | 柏崎正次 | 芝1600 | 1:34.9 | (ダイナフェアリー) | |
1986年 1月26日 |
クイーンC(GⅢ) | 東京 | 4 | 柏崎正次 | 芝1600 | 1:36.5 | スーパーショット | |
1986年 3月16日 |
報知杯4歳牝馬特別(GⅡ) | 阪神 | 1 | 河内洋 | 芝1400 | 1:23.9 | (チュウオーサリー) | |
1986年 4月6日 |
桜花賞(GⅠ) | 阪神 | 1 | 河内洋 | 芝1600 | 1:35.8 | (マヤノジョウオ) | |
1986年 4月27日 |
サンケイスポーツ賞4歳牝馬特別(GⅡ) | 東京 | 1 | 河内洋 | 芝1800 | 1:50.8 | (ダイナアクトレス) | |
1986年 5月18日 |
オークス(GⅠ) | 東京 | 1 | 河内洋 | 芝2400 | 2:29.6 | (ユウミロク) | |
1986年 10月12日 |
ローズS(GⅡ) | 京都 | 1 | 河内洋 | 芝2000 | 2:01.3 | (ポットテスコレディ) | |
1986年 11月2日 |
エリザベス女王杯(GⅠ) | 京都 | 1 | 河内洋 | 芝2400 | 2:29.1 | (スーパーショット) | |
1986年 12月21日 |
有馬記念(GⅠ) | 中山 | 9 | 河内洋 | 芝2500 | 2:34.6 | ダイナガリバー |