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  ジャーナリズム／ソヴリンティ

例年通りの多頭数になった中、確たる軸馬がいない混戦模様で、なおかつ、天気予報が微妙なことで、予想は難渋を極めた。

セレクションの1番手は、ジャーナリズムとした。2歳12月にロスアラミトスフューチュリティ（G2・アメリカ）を制して重賞初制覇を果たすと、今季初戦のサンフェリペS（G2・アメリカ）も勝って重賞連勝。前走のサンタアニタダービー（G1・アメリカ）は、昨年の全米最優秀2歳牡馬で今季初戦のロバートB.ルイスS（G3・アメリカ）を勝っての参戦だったシチズンブルも出走していて、さしずめ西海岸の代表馬決定戦的様相を呈したが、ここをきっちりと勝ち上がり、重賞3連勝を果たすとともにG1初制覇を果たした。前半は好位もしくは中団につけて差してくる馬で、脚質的に安定感があり、好枠を引いたことも心強い。

セレクションの2番手候補は、ソヴリンティとした。2歳時にチャーチルダウンズ競馬場のストリートセンスS（G3・アメリカ）を5馬身差で制しているコース実績が強みだ。外枠を引いてしまったが、追い込む馬で、後方でじっくりと脚を溜めて、そこからどこを通って動くかは、鞍上の手綱さばきに委ねたい。

合田　直弘（海外競馬解説者）

1959年（昭和34年）東京生まれ。父親が競馬ファンで、週末の午後は必ず茶の間のテレビが競馬中継を映す家庭で育つ。1982年（昭和57年）大学を卒業しテレビ東京に入社。営業局勤務を経てスポーツ局に異動し競馬中継の制作に携わり、1988年（昭和63年）テレビ東京を退社。その後イギリスにて海外競馬を学ぶ日々を過ごし、同年、日本国外の競馬関連業務を行う有限会社「リージェント」を設立。同時期にテレビ・新聞などで解説を始め現在に至る。

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  ソヴリンティ／ルクソールカフェ

今年に入って重賞連勝のジャーナリズムは、いずれのレースも勝ち時計が優秀で、そこだけ切り取れば、第151回ケンタッキーダービーの最有力候補に見える。だが私には、この馬が多頭数の競馬を経験していないということが、どうにも気になって仕方がない。

出走メンバーを見渡すと、例年通りのハイペースは必至で、そうなると、後方馬群から着実に末脚を繰りだしてくるタイプに、より大きな魅力を感じる。私のセレクション1番手は、ゴドルフィンによる自家生産馬ソヴリンティだ。多頭数をさばかなくてはならないという問題点はあるのだが、この馬には突き抜ける力があるというのが私の判断である。

アーカンソーダービー（G1・アメリカ）を勝っての参戦となるサンドマンも、同じような競馬をする馬で、この馬も争覇圏にいる一頭だろう。

しかし、私が2番手に挙げたいのはルクソールカフェだ。10年前（2015年）の三冠馬アメリカンファラオ産駒の同馬は、日本のダート戦を4連勝しての参戦で、そのレース内容から、非常に能力の高い馬との印象を持っている。鞍上のJ.モレイラも、信頼できるパートナーだ。

チャーチルダウンズから受けていた出走停止処分が解け、このレースに4年ぶりに出走馬を送りだすのが、ケンタッキーダービー6勝の実績を誇るB.バファート調教師だ。セレクションからは外れたが、バファート厩舎のシチズンブルは、決してノーマークにはできない馬とみている。（訳：合田直弘）

Emma Berry（エマ・ベリー）

ワールドワイドな競馬日刊紙サラブレッド・デイリー・ニュースのヨーロッパ・パートの編集責任者。これまでも、サラブレッド・オーナー&ブリーダー、ペースメーカーホース&ハウンド、レーシングポスト、インサイドレーシング（オーストラリア）など、数多くの競馬および馬術関係出版物に寄稿している。 少数ながら馬も所有し、生産と競馬にも従事。夫は調教師のジョン・ベリーで、現在はニューマーケット在住。