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カランダガン/シンエンペラー
馬券が発売される4競走のうち、予想が一番難しいのはここだと思う。
まずは、展開がどうなるか。先行馬で時には逃げることもあるのが、昨年に続くこのレース連覇を目指すレベルスロマンスだ。これに対し、前走のネオムターフC(G2・サウジアラビア)を逃げ切っているのがシンエンペラーである。ともに理想は単騎の逃げだろうが、一方で目標にされる展開は避けたいはずで、両馬の駆け引きは見ものだ。伸びしろたっぷりな点を買って、この2頭ではシンエンペラーを上位に取りたい。
セレクションの筆頭は、フランス調教馬カランダガンとした。昨年後半は欧州芝2000メートル路線の王道を歩んだが、同年6月のロイヤルアスコットでは芝2400メートル路線のキングエドワードZ世S(G2・イギリス)を6馬身差で快勝しており、距離への対応には何ら問題はない。また、馬場状態を問わず本領を発揮できる馬だけに、メイダンの馬場もこなせるはずだ。ここが今年初戦になるが、3月20日にサンクルー競馬場へ輸送してレースコース・ギャロップを行い、出走態勢を整えている。
1959年(昭和34年)東京生まれ。父親が競馬ファンで、週末の午後は必ず茶の間のテレビが競馬中継を映す家庭で育つ。1982年(昭和57年)大学を卒業しテレビ東京に入社。営業局勤務を経てスポーツ局に異動し競馬中継の制作に携わり、1988年(昭和63年)テレビ東京を退社。その後イギリスにて海外競馬を学ぶ日々を過ごし、同年、日本国外の競馬関連業務を行う有限会社「リージェント」を設立。同時期にテレビ・新聞などで解説を始め現在に至る。
カランダガン/シンエンペラー
能力的に最上位なのは、亡きアガ・カーン殿下の忘れ形見であるカランダガンだろう。昨年の世界ランキングで5位タイの評価を受けた同馬。2410メートルという距離も問題なくこなすし、ヨーロッパよりは硬めなメイダンの馬場にも十分に対応するはずだ。
実績的には、昨年に続くこのレース連覇を狙うレベルスロマンスもカランダガンに匹敵するものがある。7歳になるが、前走の内容を見ると力の衰えはなさそうだ。
だが、セレクションの2頭目には、まさに今が伸び盛りの4歳馬シンエンペラーを推したい。前走ネオムターフC(G2・サウジアラビア)のレースぶりは見事で、なおかつ、さらなる成長の余地を感じさせるものだった。このレースの日本勢は、実績のある馬たちばかりだが、日本馬で最先着を果たすのはシンエンペラーとみている。
セレクションからは外れたが、日本ダービー馬ダノンデサイルもノーマークにはできない馬だろう。
じわじわと力をつけ、昨年12月に香港ヴァーズ(G1・香港)でついにG1初制覇を果たしたジアヴェロットは、晩成タイプの典型と言える存在だ。香港ヴァーズよりは数段相手が強いここで、好勝負をしても驚きではない。
(訳:合田直弘)
ワールドワイドな競馬日刊紙サラブレッド・デイリー・ニュースのヨーロッパ・パートの編集責任者。これまでも、サラブレッド・オーナー&ブリーダー、ペースメーカーホース&ハウンド、レーシングポスト、インサイドレーシング(オーストラリア)など、数多くの競馬および馬術関係出版物に寄稿している。 少数ながら馬も所有し、生産と競馬にも従事。夫は調教師のジョン・ベリーで、現在はニューマーケット在住。
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