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馬主は、調教師と預託契約を結ぶことにより、所有する競走馬を調教師が管理する厩舎に入厩させることができます。入厩の時期については、各馬の調教の進捗状況等によって異なります。また、出走までの在厩期間を定めた規定(Q4-13.参照)がありますので、それぞれ調教師とよくご相談ください。
レースに出走するためには、競走馬として登録を受ける必要があります。
競走馬登録は、預託先の調教師を経由して美浦もしくは栗東トレーニング・センターに登録料5,000円を添えて申請書を提出して行います。また、申請の際には、ジャパン・スタッドブック・インターナショナル発行の馬名登録通知書(Q2-4.参照)のほか、所有権を確認するために、馬所有念書・印鑑登録証明書・馬匹売買契約書の写し・血統登録証明書等を添付することになっています。
競走馬登録を受ける際は、原則としてトレーニング・センターへ入厩し、馬体検査を受検する必要がありますが、1歳9月から2歳2月までの間の申請に限り、馬体検査を必要としない「早期特例登録制度」(Q4-3.参照)を利用することも可能です。
なお、一度競走馬登録された馬名を変更したい場合は、中央・地方・外国のいずれの競走にも未出走である場合に、1回に限り変更が認められます。〔競馬施行規程第3章参照〕
トレーニング・センターへの入厩および馬体検査をすることなく競走馬登録を行うことができる制度で、2016年より導入されたものです。
登録申請期間は1歳9月から2歳2月までとなっており、毎月1回申請締切日を設け、毎月末に競走馬登録を行います。トレーニング・センターへの入厩開始は1歳11月以降で、初めて入厩する際には馬体検査を受検する必要があります。
競走馬の減価償却に係る税務手続き等につきましては、所属馬主協会または税務当局にご相談ください。
なお、国税庁のホームページにおいて、早期特例登録制度導入による競走馬の減価償却の開始時期について掲載されておりますので、ご参照ください。
〔法令等〕その他法令解釈に関する情報>〔所得税〕申告所得税関係>個人課税課情報第5号
中央競馬では、馬主は自分の服色を使用して競走に馬を出走させることができますが、そのためには服色登録をする必要があります。これも預託先の調教師を経由して美浦もしくは栗東トレーニング・センターに登録料3,000円を添えて申請書を提出して行います。
服色に使用できる色や模様には制限があり、一馬主につき一種類の服色を登録できます。しかし、競走においてやむを得ない事由により登録を受けている服色を使用することができない場合は、JRAが定めた服色を使用することができ、逆に服色の登録を受けていない馬主は、JRAが定めた服色を使用しなくてはなりません。〔競馬施行規程第4章参照〕
所有馬を競走に出走させるためには、調教師と預託契約を結び、競走馬登録を行い、出走予定競走への出馬投票を行わなくてはなりません。これらの登録については、全て調教師を自らの代理人として委任することができます。〔競馬施行規程第13条参照〕
調教師に支払う預託料には、主なものとして厩舎関係者の人件費、馬糧費、特別登録料等があり、その他競走馬にかかる治療費、放牧に出た場合の輸送費等が別途かかります。
ただし、治療費の一部は「中央競馬馬主相互会」から補助されることとなっています(Q10-3.参照)。また、原則として競走に出走するための美浦・栗東両トレーニング・センターから競馬場間の輸送費は馬主の負担とはなりません。
中央競馬に登録された馬主同士の場合に限り、競走馬を共同で所有することができます。現在、共有は1頭につき10人まで認められており、共有馬主全てについて所有を確認するため、馬所有念書・印鑑登録証明書・馬匹売買契約書の写し等を添付したうえで、預託調教師を経由して美浦もしくは栗東トレーニング・センターに提出することとなっています。
なお、共有に際しては代表者を1名決めることとなっており、出走時に出馬表に記載される馬主名や服色は代表者のものが使用されます。また、賞金の振込についても全て代表者に振込まれます。
入厩した馬を他の馬主に所有権移転する場合、売却の場合は馬匹売買契約書の写し、譲渡の場合は譲渡証明書を、預託調教師を経由して美浦もしくは栗東トレーニング・センターに届け出ることとなっています。その際、新たな所有者の馬所有念書・印鑑登録証明書も同時に提出していただきます。なお、馬の所有権の一部を移転する場合にも同様の手続きが必要となります。
ただし、出馬投票の結果、競走に出走すべき馬に確定したときは、当該馬が出走すべき競走が実施される日までの間(当該競走への出走を馬主が取り消し、または当該競走から除外されたときは、当該取り消しまたは除外された日までの間)、当該馬を売却(譲渡)することはできません。〔競馬施行規程第26条の2参照〕
入厩した馬の所属厩舎(預託調教師)を変更する場合、現在の調教師が美浦もしくは栗東トレーニング・センターに預託契約の解除を届け出ることとなっています。その後、新たな調教師が預託契約を届け出ることで、所属厩舎が変更となります。
ただし、出馬投票の結果、競走に出走すべき馬に確定したときは、当該馬が出走すべき競走が実施される日までの間(当該競走への出走を馬主が取り消し、または当該競走から除外されたときは、当該取り消しまたは除外された日までの間)、当該馬を預託している調教師との預託契約の解除(預託している調教師の死亡その他のやむを得ない事由による解除を除く。)をすることはできません。〔競馬施行規程第26条の2参照〕
競馬法では、中央競馬の馬主登録を受けた者でなければ中央競馬の競走に馬を出走させることができないことになっています。
従って、登録馬主が自分の馬主の名義を登録のない第三者に貸し、その者の所有馬を自己の馬のごとくに偽って競走馬登録し出走させることは「名義貸し」に該当します。
こうした行為は厳に禁止されていると同時に、関与した馬主・調教師には、馬主登録や調教師免許の取消といった厳しい処分が科せられます。
また、1頭の馬を複数の者で所有する場合でも、登録馬主同士の共有でなければ認められません。馬主登録のない者と共同で馬を所有することも「名義貸し」に該当します。
この他、個人登録馬主が、自ら経営(あるいは出資、親族が経営等も含む)している法人で所有する競走馬を個人の所有馬として競走馬登録し出走させた場合や、個人所有の競走馬の収支を法人で経理処理している場合、また、逆に法人登録馬主が、経営者個人や他の関連法人で所有している競走馬を法人馬主の所有馬として競走馬登録し出走させた場合も「名義貸し」に該当します。〔競馬施行規程第11条の4参照〕
競走馬登録を行うことのできる馬は、馬主が所有権を取得したもの(売買、譲渡、自家生産、仔分け等による)に限られており、賃貸借契約に基づいて一時的に借り受けた馬を登録し、競走に出走させることは所有者への「名義貸し」に該当することとなります。
なお、売買契約に際し、競走馬登録抹消後に当該馬を買い戻す特約を付すことについては問題ありません。
馬主が、正当な理由がなく馬主登録を受けた日から1年以内に競走馬登録を受けた馬を所有しないとき又は競走馬登録を受けた馬を所有しなくなってから1年以上経過したとき(その馬主が組合である場合には、正当な理由がなく馬主登録を受けた日から1年以内に競走馬登録を受けた馬を組合財産としないとき又は競走馬登録を受けた馬を組合財産としなくなってから1年以上経過したとき。)、馬主登録が取り消しになります。
なお、「競走馬登録を受けた馬を所有」するとは、馬を購入しただけでは「所有」したことにはなりません。馬名登録を行い、所定の書類と競走馬登録料を添え、預託調教師を経由して美浦または栗東トレーニング・センターで競走馬登録を申請する必要があります。100%所有、10%共有など持分割合は問いません。
また、最後に馬を所有してから、1年が経過する直前にJRAから馬主登録取り消しの予告を送付します。猶予願が同封されておりますのでご希望される場合には必要事項をご記入の上ご返送ください。
猶予願を提出していただいた方は、2年間、馬主登録取り消しが猶予されますので、その間に競走馬の所有を行ってください。〔競馬施行規程第11条参照〕
地方競馬に出走したことのある馬は、定められた賞金額を収得していなければ中央競馬に転入することはできません。その金額は年齢により定められており、この場合、獲得賞金を全て算入するのではなく、競馬番組一般事項(Q5-12.参照)で定められた基準に従って算入される賞金が決まっています。また、競走馬登録を申請した日以前の6ヵ月間出走していない馬は転入することができません。
なお、認定競走において第1着となった馬は、3歳の12月末までに、地方競馬で未出走だった馬は、3歳の6月末までに申請すれば中央競馬に競走馬登録をすることができます。
また、中央競馬の登録を抹消し地方競馬に転出した馬についても、再び中央競馬の競走馬登録が可能となっていますが、中央競馬の登録を抹消した日によって条件が異なります。その条件は以下のとおりです。
JRAの施設外からJRAの管理する施設に入厩する場合は、必ず入厩検疫を受けなければなりません。また、出走するためには、当該競走馬登録後に中央競馬の競走、地方競馬指定交流競走および外国の競馬の競走に出走したことのある馬(「既走馬」という。)は10日間、既走馬でない馬については15日間、それぞれ引き続いてJRAの管理する厩舎に入厩していなければなりません。〔競馬施行規程第91条参照〕
JRAが各調教師に貸付けている馬房数をもとに、調教師毎に預託を受けられる頭数が決まっています。各調教師はその数を超えて競走馬の預託を受けることができないこととなっています。
厩舎に入厩した馬は、調教師の管理のもとで調教されます。
なお、はじめて中央競馬に出走する馬は、15日以上本会施設内で調教され、かつ発走審査に合格しなくてはなりません。また、はじめて障害競走に出走する馬については、障害試験と呼ばれる障害調教審査が行われます。このほか、実際の競走内容により、裁決委員から調教について再審査を命じられた馬は、再審査に合格するまで再び競走に出走することができません。〔競馬施行規程第80条、第90条、第91条等参照〕