サマー2000シリーズ第3戦の小倉記念は、負担重量がハンデキャップということもあり、オープンクラスでの実績で劣る馬や格上挑戦馬の活躍が目立つ。2021年には前走の3勝クラスで3着に敗れていた馬が1着と3着に入り、2020年には前走の3勝クラスで6着だった馬が勝利している。まだオープンクラスで実績を残していない馬であっても侮ってはならない。ここでは過去10年のデータからレースの傾向を探っていく。
過去10年の単勝人気別成績を見ると、6番人気以下の馬が3着以内に12頭入っている。下位人気馬を軽視するのは得策ではなさそうだ。また、その12頭のうち半数の6頭は6歳以上で、10番人気以下に限れば4頭中3頭が6歳以上だった。下位人気馬を狙う際は、6歳以上の馬に注目する手もありそうだ。〔表1〕
単勝人気 | 成績 | 勝率 | 連対率 | 3着内率 |
---|---|---|---|---|
1番人気 | 2-0-2-6 | 20.0% | 20.0% | 40.0% |
2番人気 | 1-3-1-5 | 10.0% | 40.0% | 50.0% |
3番人気 | 2-0-1-7 | 20.0% | 20.0% | 30.0% |
4番人気 | 1-1-0-8 | 10.0% | 20.0% | 20.0% |
5番人気 | 0-2-2-6 | 0% | 20.0% | 40.0% |
6〜9番人気 | 2-3-3-32 | 5.0% | 12.5% | 20.0% |
10番人気以下 | 2-1-1-40 | 4.5% | 6.8% | 9.1% |
過去10年の4コーナーの通過順別成績を見ると、3着以内馬延べ30頭中28頭は4コーナーを9番手以内で通過した馬だった(2021年は9頭立てのため全馬9番手以内)。なお、10番手以下だった馬は優勝がなく、3着内率も6.5%にとどまっている。直線の短い小回りコースだけに、後方からの直線一気は決まりにくいようだ。〔表2〕
4コーナーの通過順 | 成績 | 勝率 | 連対率 | 3着内率 |
---|---|---|---|---|
3番手以内 | 5-3-6-23 | 13.5% | 21.6% | 37.8% |
4〜6番手 | 1-2-1-32 | 2.8% | 8.3% | 11.1% |
7〜9番手 | 4-3-3-20 | 13.3% | 23.3% | 33.3% |
10番手以下 | 0-2-0-29 | 0% | 6.5% | 6.5% |
過去10年の牡馬とせん馬の負担重量別の成績では、55キログラムの好走率の低さが気になるものの、53キログラム以上のエリアから3着以内馬が満遍なく出ている印象だ。対して、52キログラム以下の馬は不振となっており、軽ハンデ馬はやや割り引いて考えた方がよさそうだ。〔表3〕
負担重量 | 成績 | 勝率 | 連対率 | 3着内率 |
---|---|---|---|---|
51kg | 0-0-0-2 | 0% | 0% | 0% |
52kg | 1-0-0-5 | 16.7% | 16.7% | 16.7% |
53kg | 3-1-1-14 | 15.8% | 21.1% | 26.3% |
54kg | 1-2-2-17 | 4.5% | 13.6% | 22.7% |
55kg | 0-1-1-21 | 0% | 4.3% | 8.7% |
56〜56.5kg | 1-4-1-18 | 4.2% | 20.8% | 25.0% |
57kg | 2-1-1-13 | 11.8% | 17.6% | 23.5% |
57.5kg以上 | 1-0-2-4 | 14.3% | 14.3% | 42.9% |
牝馬についても同様で、3着以内に入った4頭はいずれも53キログラム以上の馬で、52キログラム以下の馬は全て4着以下に敗れている。性別に関係なく53キログラム以上の馬に注目すべきだろう。〔表4〕
負担重量 | 成績 | 勝率 | 連対率 | 3着内率 |
---|---|---|---|---|
52kg以下 | 0-0-0-7 | 0% | 0% | 0% |
53kg以上 | 1-1-2-3 | 14.3% | 28.6% | 57.1% |
2017年以降の優勝馬6頭はいずれも4歳か5歳だった。また、各馬の同年の成績を見ると、5月以降に出走経験があり、出走した全てのレースで6着以内、かつ勝ち馬とのタイム差が0秒8以内だった。今年もこれらの傾向を参考に、優勝する可能性の高そうな馬を探してみたい。〔表5〕
(河野 道夫)
注記:表は横にスクロールすることができます。
年度 | 優勝馬(年齢) | 同年5月以降の戦績(勝ち馬とのタイム差) |
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2017年 | タツゴウゲキ(5歳) | 下鴨S6着(0秒8)、垂水S3着(0秒2)、七夕賞6着(0秒4) |
2018年 | トリオンフ(4歳) | 新潟大賞典4着(0秒2)、鳴尾記念2着(0秒1) |
2019年 | メールドグラース(4歳) | 鳴尾記念1着 |
2020年 | アールスター(5歳) | 垂水S6着(0秒8) |
2021年 | モズナガレボシ(4歳) | 阿武隈S5着(0秒4)、佐渡S3着(0秒5) |
2022年 | マリアエレーナ(4歳) | マーメイドS2着(0秒3) |
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