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フランスにおける真夏のマイル王決定戦に位置づけされている一戦。創設は1921年だから、既に100年以上の伝統を誇る。
過去10年の勝ち馬を年齢別に分けると、3歳5勝に対し古馬5勝と、拮抗した成績になっている。また過去10年の勝ち馬のうち延べ4頭は牝馬で、牝馬の健闘が目立っているのも特徴だ。さらに過去10年の勝ち馬を調教国別に分けると、6頭の優勝馬を出しているイギリスが他国を圧倒。地元フランス調教馬による優勝は、2017年のアルヴケール以来、途絶えている。今年の顔触れも、地元勢は旗色が悪く、遠征馬による優勝争いになりそうだ。
イギリスから参戦するのが、R.ハノン厩舎のロザリオンだ。2歳秋にジャンリュックラガルデール賞(G1・フランス)、3歳春に愛2000ギニー(G1・アイルランド)、セントジェームズパレスS(G1・イギリス)を制している同馬。今季はここまで3戦して未勝利だが、ロイヤルアスコットのクイーンアンS(G1・イギリス)がハナ差2着、前走サセックスS(G1・イギリス)がクビ差2着と、トップマイラーとしての力は存分に示している。
イギリスからは、今年の英2000ギニー(G1・イギリス)勝ち馬ルーリングコートも出走を予定している。
アイルランドから参戦予定なのが、A.オブライエン厩舎のザライオンインウィンターだ。2歳時は2戦してエイコムS(G3・イギリス)を含む2連勝をマーク。今年春の3歳クラシックへ向けた最有力候補と目されていた。だが、一頓挫あって英2000ギニーを回避。今季初戦となったダンテS(G2・イギリス)6着、続く英ダービー(G1・イギリス)14着と、不本意な競馬が続いた。しかし前走、ドーヴィルのジャンプラ賞(G1・フランス)では勝ち馬から僅差の3着に好走。力のあるところを改めて実証した。
同じA.オブライエン厩舎からは、仏2000ギニー(G1・フランス)勝ち馬アンリマティス、仏ダービー(G1・フランス)勝ち馬カミーユピサロという、今年春のフランス3歳クラシック勝ち馬たちも出てくる模様だ。
日本からはアスコリピチェーノ、ゴートゥファーストの2頭が参戦する。
このうち実績的に上位なのは、アスコリピチェーノだ。阪神ジュベナイルフィリーズ(GⅠ)、ヴィクトリアマイル(GⅠ)と、既に2つのマイルGⅠを手中にしている同馬。昨年秋のオーストラリア遠征では、枠順や馬場に恵まれずに力を発揮できなかったが、今年2月の1351ターフスプリント(G2・サウジアラビア)を快勝。アウェイでの戦いにも対応できることを実証した。馬場さえ重くならなければ、十分に勝機があるとみている。
1959年(昭和34年)東京生まれ。父親が競馬ファンで、週末の午後は必ず茶の間のテレビが競馬中継を映す家庭で育つ。1982年(昭和57年)大学を卒業しテレビ東京に入社。営業局勤務を経てスポーツ局に異動し競馬中継の制作に携わり、1988年(昭和63年)テレビ東京を退社。その後イギリスにて海外競馬を学ぶ日々を過ごし、同年、日本国外の競馬関連業務を行う有限会社「リージェント」を設立。同時期にテレビ・新聞などで解説を始め現在に至る。
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