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芝1800メートルという競走条件だけに、欧州vs日本という戦いの構図になることが多い一戦だが、今年はそんな傾向に楔を打ち込もうという超大物がいる。香港のスーパースター・ロマンチックウォリアーが、その馬だ。4歳時から3年連続で世界ランク入りを果たしてきた同馬だが、今年に入ってそのパフォーマンスはさらなる進化を見せ、1月24日のジェベルハッタ(G1・UAE)をトラックレコードで快勝。さらに、初ダートだった2月22日のサウジカップ(G1・サウジアラビア)でも僅差の2着に健闘し、敗れてなお世界的評価が高まることになった。勝てば、香港調教馬としてこのレース初優勝となる。
アメリカ、カナダ、ドイツの3か国で芝1900メートルから2000メートルのG1を4勝している他、2023年のこのレースで3着に入った実績をもつのが、ゴドルフィンのネーションズプライドだ。スーパーサタデー(3月1日)に組まれた地元の前哨戦シングスピールS(G2・UAE)を快勝。調子を上げての参戦となる。
昨年に続くこのレース連覇を狙うフランス調教馬ファクトゥールシュヴァル。エクリプスS(G1・イギリス)や英インターナショナルS(G1・イギリス)といった欧州芝2000メートル路線のG1で3着に入った実績のあるイギリス調教馬ゴーストライター。クイーンアンS(G1・イギリス)3着、サセックスS(G1・イギリス)2着と、欧州芝1600メートル路線のG1で好走実績のあるイギリス調教馬マルジュームらが揃い、今年も欧州勢の層は厚い。
ここに、日本勢は4頭出しで臨む。
2023年の三冠牝馬リバティアイランド。さらなる飛躍が期待された昨年は3戦未勝利という不本意な成績に終わったが、ロマンチックウォリアーの2着となった12月の香港カップ(G1)の内容は、反転攻勢への確かな手応えを感じさせるものだった。
昨年11月にマイルチャンピオンシップ(GⅠ)を制し、6歳秋にしてGⅠ初制覇を果たしたソウルラッシュ。前走中山記念(GⅡ)でも勝ち馬から0.2秒差の3着に入り、この距離にも対応できることを示している。過去2度の香港遠征でいずれも入着を果たし、アウェイでも戦えることを実証済みなのは心強い。
エリザベス女王杯(GⅠ)勝ち馬という看板を背負うブレイディヴェーグだが、芝1800メートルはここまで4戦し、府中牝馬S(GⅡ)勝ちを含む2勝、2着2回と、実は得意としている分野だ。
先行力が武器のメイショウタバル。同型馬ポイントライナスの回避は、この馬にとって追い風で、自分の競馬に持ち込めれば大駆けもありそうだ。
1959年(昭和34年)東京生まれ。父親が競馬ファンで、週末の午後は必ず茶の間のテレビが競馬中継を映す家庭で育つ。1982年(昭和57年)大学を卒業しテレビ東京に入社。営業局勤務を経てスポーツ局に異動し競馬中継の制作に携わり、1988年(昭和63年)テレビ東京を退社。その後イギリスにて海外競馬を学ぶ日々を過ごし、同年、日本国外の競馬関連業務を行う有限会社「リージェント」を設立。同時期にテレビ・新聞などで解説を始め現在に至る。
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