2016年の勝ち馬キタサンブラックは翌2017年も圧巻の勝利を収め、2019年と2020年はフィエールマンが連覇。また、ディープボンドが2021年から3年連続で2着に入り、2024年は3着に入るなど、近年の天皇賞(春)では同じ馬が複数年にわたって上位をにぎわすケースが目立っている。その他には、どのような特徴があるのか。阪神競馬場で行われた2021年と2022年を含めた過去10年の結果から調べてみたい。
過去10年の優勝馬はいずれも単勝3番人気以内だった。一方、2着馬と3着馬のうち延べ8頭が6番人気以下で、うち3頭が10番人気以下だった。上位人気から優勝候補を選びつつ、下位人気馬が2着や3着に食い込むケースも想定しておきたい。〔表1〕
単勝人気 | 成績 | 勝率 | 連対率 | 3着内率 |
---|---|---|---|---|
1番人気 | 4-3-0-3 | 40.0% | 70.0% | 70.0% |
2番人気 | 5-0-1-4 | 50.0% | 50.0% | 60.0% |
3番人気 | 1-0-1-8 | 10.0% | 10.0% | 20.0% |
4番人気 | 0-1-4-5 | 0% | 10.0% | 50.0% |
5番人気 | 0-2-0-8 | 0% | 20.0% | 20.0% |
6〜9番人気 | 0-2-3-35 | 0% | 5.0% | 12.5% |
10番人気以下 | 0-2-1-72 | 0% | 2.7% | 4.0% |
過去10年の前走別成績を調べると、全出走馬の7割強をGⅡ組が占めており、3着以内馬の中心も延べ30頭中24頭を占めるGⅡ組となっている。3着以内に入った24頭のうち15頭は前走が阪神大賞典で、その中には2年連続で2桁人気ながら3着以内に入ったカレンミロティックも含まれている。〔表2〕
前走 | 成績 | 勝率 | 連対率 | 3着内率 |
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GⅠ | 2-1-0-6 | 22.2% | 33.3% | 33.3% |
GⅡ | 8-8-8-97 | 6.6% | 13.2% | 19.8% |
GⅢ | 0-1-1-20 | 0% | 4.5% | 9.1% |
海外のレース | 0-0-1-0 | 0% | 0% | 100% |
その他 | 0-0-0-12 | 0% | 0% | 0% |
過去10年の前走の着順別成績を見ていくと、3着以内馬延べ30頭中15頭は前走で1着だった。中でも、阪神大賞典を勝って臨んだ馬が〔4・2・2・1〕と出色の成績を残している。〔表3〕
注記:表は横にスクロールすることができます。
前走の着順 | 成績 | 勝率 | 連対率 | 3着内率 |
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1着 | 6-4-5-19 | 17.6% | 29.4% | 44.1% |
2着 | 2-1-1-24 | 7.1% | 10.7% | 14.3% |
3着 | 1-2-1-17 | 4.8% | 14.3% | 19.0% |
4着 | 1-0-2-14 | 5.9% | 5.9% | 17.6% |
5着 | 0-1-0-12 | 0% | 7.7% | 7.7% |
6〜9着 | 0-1-1-34 | 0% | 2.8% | 5.6% |
10着以下・競走中止 | 0-1-0-15 | 0% | 6.3% | 6.3% |
過去10年の3着以内馬延べ30頭のうち29頭はJRA重賞の勝ち馬だった。唯一JRA重賞を勝利していなかった2021年3着のカレンブーケドールも、ジャパンカップなどGⅠで2着が3回ある実力馬だった。トップクラスの古馬が集結する一戦であり、重賞未勝利馬では太刀打ちできないと考えた方がいいだろう。〔表4〕
経験の有無 | 成績 | 勝率 | 連対率 | 3着内率 |
---|---|---|---|---|
あり | 10-10-9-66 | 10.5% | 21.1% | 30.5% |
なし | 0-0-1-69 | 0% | 0% | 1.4% |
連覇を達成したキタサンブラックとフィエールマンはともに菊花賞馬で、過去10年の優勝馬の中で菊花賞を勝っていた馬は延べ7頭を数える。残る3頭も菊花賞または天皇賞(春)で3着以内に入ったことがあったうえ、いずれも阪神大賞典を勝っての参戦だった。日本一のステイヤーを決める一戦では、やはり長距離実績がものをいうようだ。〔表5〕
(高那実 マヤ)
注記:表は横にスクロールすることができます。
年度 | 優勝馬 | 芝3000m以上のGⅠ3着以内 |
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2015年 | ゴールドシップ | 菊花賞1着 |
2016年 | キタサンブラック | 菊花賞1着 |
2017年 | キタサンブラック | 菊花賞1着、天皇賞(春)1着 |
2018年 | レインボーライン | 菊花賞2着 |
2019年 | フィエールマン | 菊花賞1着 |
2020年 | フィエールマン | 菊花賞1着、天皇賞(春)1着 |
2021年 | ワールドプレミア | 菊花賞1着 |
2022年 | タイトルホルダー | 菊花賞1着 |
2023年 | ジャスティンパレス | 菊花賞3着 |
2024年 | テーオーロイヤル | 天皇賞(春)3着 |
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