今週の注目レース

ローレル競馬場賞中山牝馬ステークス(GⅢ)

中山競馬場 1800メートル(芝)ハンデ (牝) 4歳以上オープン

出走馬情報

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シンティレーション

牝6歳

調教師:池上昌和(美浦)

  • 父:ロードカナロア
  • 母:ファシネートダイア
  • 母の父:アグネスタキオン
ここに注目!

ダートでオープンクラス入りを果たした半姉ファシネートゼット(父ヘニーヒューズ)など、きょうだいがコンスタントに活躍している。本馬は前走・小倉牝馬Sで待望の重賞初制覇を達成。充実ぶりが目を引き、ここも中心的存在になる。

今年が第1回開催となった前走・小倉牝馬S。3番人気で挑んだ本馬は後方インから鋭く追い上げ、ゴール前は外から伸びてきたフェアエールングと並んでゴールイン。写真判定の末、2021年チューリップ賞(エリザベスタワー&メイケイエール)以来となる12度目のJRA重賞1着同着となった。騎乗した杉原誠人騎手は「ゴールの瞬間は負けたと思いました。馬の執念で最後の最後に頭を下げてくれたと思います」と、相棒を称えた。昨年秋の府中牝馬Sでは、GⅠ馬ブレイディヴェーグから0秒2差の2着に好走。今回のメンバーでもその地力は上位だろう。中山参戦は約1年ぶりとなるが、2勝を挙げているなら心配する必要はない。

クリスマスパレード

牝4歳

調教師:加藤士津八(美浦)

  • 父:キタサンブラック
  • 母:ミスエリカ
  • 母の父:Blame
ここに注目!

昨年の紫苑Sを1分56秒6のコースレコードで勝利。中山は4戦3勝と絶好の相性を誇り、前走・中山金杯でも勝ち馬から0秒4差の4着に入った。昨秋の秋華賞で5着と地力は確かで、中間の成長も期待できる。

1番人気に支持された前走・中山金杯(4着)。外寄り7枠15番から果敢にハナを奪ったが、後続にプレッシャーをかけられる形に。前半1000メートル通過タイム58秒7という速い展開で息が入らなかった。騎乗した石川裕紀人騎手は「馬の感じは悪くなくて、こういう形も想定していました。力があるので目標にされやすいですし、プレッシャーを受ける時間が長くて、最後は余力がなくなってしまいました」と、敗因を説明した。キャリア初の逃げでややリズムを崩した印象だが、もともとは好位からの競馬で結果を残してきたタイプ。好時計で制した紫苑Sを見れば、開幕序盤の芝コンディションもマッチしそうだ。

ビヨンドザヴァレー

牝5歳

調教師:橋口慎介(栗東)

  • 父:イスラボニータ
  • 母:リリーオブザヴァレー
  • 母の父:Galileo
ここに注目!

半兄に2016年青葉賞を制したヴァンキッシュラン(父ディープインパクト)がいる良血馬。本馬は3勝クラス・清水S(京都・芝1600メートル)を勝ち、昇級初戦で挑んだ前走・ターコイズSでは2着に好走した。ここでも楽しみだ。

6番人気で2着に頑張った前走・ターコイズS。初挑戦の重賞の雰囲気にのまれることなく、好スタートから好位をゲット。ラストはアルジーヌの切れ味に屈したが、最後までしぶとく伸び続けた。実力馬の3着ドゥアイズ(2022年阪神ジュベナイルフィリーズ3着)、5着アドマイヤベル(2024年フローラS優勝)などに先着した走りは評価できるものだった。騎乗した菱田裕二騎手は「今回もすごくいい状態で、レースも理想通りでした。最後もいい反応でした」と納得のコメントを残した。前走は中山初参戦だったが、直線の急坂も力強く走り切れた。センスのある立ち回りが光り、条件クラスで着実に力を蓄えてきた。重賞2戦目での前進を期待したい。

エミュー

牝5歳

調教師:和田正一郎(美浦)

  • 父:ハービンジャー
  • 母:スーリール
  • 母の父:スペシャルウィーク
ここに注目!

小柄な牝馬だが、秘めるポテンシャルは高い。今回と同じ舞台で行われた2023年フラワーCを豪快に差し切るなど、全3勝が中山コース。前走・小倉牝馬Sで勝ち馬から0秒3差の5着に頑張ったように、復調気配を感じる。

出走馬中最低の18番人気だった前走・小倉牝馬S。直線は後方からじりじりと脚を伸ばし、2頭同着の勝ち馬から0秒3差の5着まで追い上げた。初めて着用したブリンカーの効果もあったのか、最後まであきらめない走りを披露。騎乗した佐々木大輔騎手は「ブリンカーを着けたことで集中できていました。展開も向いたと思います」と、レースを振り返った。2023年桜花賞(10着)から11連敗を喫しているが、2走前の新潟牝馬S(リステッド・新潟・芝2200メートル)、前走と連続で5着に入り、復調の兆しを見せている。2年前の3月に快勝したフラワーCと同じ舞台で、完全復調といきたい。

シランケド

牝5歳

調教師:牧浦充徳(栗東)

  • 父:デクラレーションオブウォー
  • 母:フェアブルーム
  • 母の父:ディープインパクト
ここに注目!

2勝クラス・猪苗代特別(福島・芝2000メートル)、3勝クラス・魚沼S(新潟・芝2000メートル)を強い内容で制して2連勝中。2023年紫苑Sで3着に好走した素質馬が、本格化の兆しを見せている。

ともに1番人気で制した近2戦が強い内容。2走前の2勝クラス・猪苗代特別は、2番手からの早めに先頭に立つ強気の運びで、2着馬を4馬身突き放した。前走の3勝クラス・魚沼Sは一転、後方から非凡な瞬発力を披露。メンバー中最速となる上がり3ハロン33秒0(推定)の末脚は強烈だった。この時の2着馬グランドカリナンは次戦を勝利し、今年の小倉大賞典でも勝ち馬から0秒4差の7着に頑張った実力馬で、レースレベルは決して低くなかった。2年前の紫苑S(3着)を含め、8戦連続で3着以内に入っている安定感も魅力。昇級初戦でも優勝争いに加わってきそうだ。

セキトバイースト

牝4歳

調教師:四位洋文(栗東)

  • 父:デクラレーションオブウォー
  • 母:ベアフットレディ
  • 母の父:Footstepsinthesand
ここに注目!

半弟は2024年京都2歳S、ホープフルSで2着に好走したジョバンニ(父エピファネイア)。本馬は昨年のチューリップ賞で2着、ローズSで3着に頑張り、世代上位クラスのポテンシャルを証明している。

1番人気に応えた前走の3勝クラス・壇之浦S(小倉・芝1800メートル)。大外枠スタートだったが、抜群のダッシュ力で先手を取ると、マイネルティグレ(2着)を行かせて2番手を確保した。マイペースの逃げ馬をマークする形で進め、直線では余力十分の抜け出し。隙のない完勝劇で、2023年7月の未勝利(中京・芝1600メートル)以来となる2勝目を挙げた。ここに入っても上位の先行力を備え、チューリップ賞(2着)は9番人気、ローズS(3着)では11番人気という低評価ながら上位に粘り込んだ。開幕週だった先週の中山・芝コースは先行馬の活躍が目立った印象。武器のスピードを生かして、初重賞タイトル奪取を狙う。

コンクシェル

牝5歳

調教師:清水久詞(栗東)

  • 父:キズナ
  • 母:ザナ
  • 母の父:Galileo
ここに注目!

昨年の中山牝馬Sで待望の重賞初制覇を達成。5番人気の評価を覆す鮮やかな逃走劇だった。その後の7戦は3着以内に絡めていないが、マイペースに持ち込むことができれば今年も侮れない存在となる。

ハナで自分のリズムを刻みたいタイプ。近8戦中、実に7戦で逃げの手に出ている。昨年の中山牝馬Sも先頭でマイペースの逃げ。稍重馬場で前半1000メートル通過タイム1分01秒5という息の入る流れを演出した。3コーナーでまくり気味に進出してきたライバルもいたが、かわされないよう絶妙にペースアップ。ラストは後続の猛追をしのぎ切った。騎乗した岩田望来騎手は「ためても切れるタイプではないので、自分のリズムで運ぶことだけを考えていました」と、会心のレースを振り返った。その後もコンスタントに出走を重ねてきたが、持ち前のスピードは健在。連覇を目指し、今年も理想の形に持ち込みたい。

ミアネーロ

牝4歳

調教師:林徹(美浦)

  • 父:ドゥラメンテ
  • 母:ミスエーニョ
  • 母の父:Pulpit
ここに注目!

半姉ミスエルテ(父Frankel)は2016年ファンタジーS優勝、半妹ショウナンザナドゥ(父キズナ)は昨年の阪神ジュベナイルフィリーズで4着と、きょうだいが活躍している。本馬は1番人気で8着に敗れた前走・ターコイズSからの巻き返しを狙う。

1番人気に支持された前走・ターコイズSは8着。スタートで遅れたこともあってなかなか流れに乗れず、淡々とした緩急のないペースにも苦しんだ印象だ。直線ではメンバー中最速となる上がり3ハロン34秒1(推定)の末脚を繰り出したが、好位から脚を使った上位勢との差を詰めるのは厳しかった。騎乗したC.ルメール騎手は「スタートで遅れて後ろからになってしまいました。最後も来ているけど、遅いペースで他の馬も伸びていたのでかわせませんでした」と肩を落とした。前走を除けば、中山の重賞は2024年フラワーC(1着)、紫苑S(2着)と好成績。スムーズな競馬がかなえば、巻き返しが可能だろう。

(高木 翔平)

ご注意 「今週の注目レース」ページの情報は、特別レース登録馬や過去のレース結果に基づいて制作しております。JRAが特定の競走馬を応援、推奨するものではありません。出走取りやめ、出走取消などにより、掲載した競走馬がレースに出走しないことがあります。

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