今週の注目レース

スポーツニッポン賞ステイヤーズステークス(GⅡ)

中山競馬場 3600メートル(芝)別定 3歳以上オープン

出走馬情報

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牡3歳

調教師:手塚貴久(美浦)

  • 父:ルーラーシップ
  • 母:タッチングスピーチ
  • 母の父:ディープインパクト
ここに注目!

母が2015年ローズS優勝、エリザベス女王杯3着のタッチングスピーチという良血馬。本馬は昨年のホープフルSで3着に好走して早くから頭角を現し、前走・セントライト記念でも5着に入った。素質豊かな3歳馬が、初タイトル獲得を目指す。

前走のセントライト記念(5着)は、最内枠からスタートダッシュがつかず最後方から。向正面で内をスルスルと押し上げて直線も脚を伸ばしたが、好位・中団から瞬発力を発揮した上位勢を捕らえることはできなかった。騎乗したC.ルメール騎手は「もっと距離が欲しいですね。スタートから遅かった。最後はちょっと来ているけど、坂を上ってから苦しくなりました」とレースを振り返った。菊花賞への優先出走権を獲得できず、長距離戦を求めてここへの挑戦を決定。距離が延びて道中の追走が楽になれば、直線でもっとはじけそうな雰囲気だ。2010年コスモヘレノス以来となる3歳馬Vを目指す。馬名の由来は「王政」。

牡7歳

調教師:宮徹(栗東)

  • 父:スクリーンヒーロー
  • 母:マイネボヌール
  • 母の父:ロージズインメイ
ここに注目!

祖母は2006年北九州記念を勝ったコスモフォーチュンで、母系は短距離色が強いが、本馬は前走・アルゼンチン共和国杯(2着)など、長距離戦で確かなスタミナを示している。3000メートル以上のレースは初めてだが、楽しみは大きい。

外枠(8枠17番)だった前走・アルゼンチン共和国杯は、道中も外を回り続ける形に。それでも直線では力強く脚を伸ばした。内の馬群からうまく抜け出した勝ち馬との差は1馬身だけ。通ったコースを考慮すれば、勝ちに等しい2着だったと言えるだろう。騎乗した横山武史騎手は「この馬の武器は生かし切れたと思います。4コーナーでは外を回りましたが、内を立ち回るタイプでもないので。勝ち馬にうまく乗られました」と相棒を称えた。グレード制導入後、アルゼンチン共和国杯2着馬は1988年スルーオダイナ、1995年ステージチャンプ、2006年アイポッパー、2016年アルバートが同年のステイヤーズSで優勝。本馬もここで重賞勝利を目指す。馬名の由来は「冠名+勇気(ラテン語)」。

牡4歳

調教師:清水英克(美浦)

  • 父:トーセンラー
  • 母:パリージョ
  • 母の父:タイキシャトル
ここに注目!

母の父は短距離GⅠで活躍したタイキシャトルだが、本馬は2000メートル以上の距離で3勝。2走前の札幌日経オープン(リステッド・札幌・芝2600メートル)では2着に好走した。ここでも得意のまくりが見られるか、注目だ。

前走・福島記念は、序盤からダッシュがつかず。馬群から1頭だけ離れた最後方を追走した。勝負をかけた3、4コーナーでスッとポジションを押し上げたが、4コーナーは大外を回る形。直線では勝ち馬から0秒4差の5着まで追い上げたが、やはり道中の位置取りが響いた印象だ。今夏の北海道シリーズでは、早めの仕掛けで連続好走。しかし、メンバーがそろった重賞で同様の競馬は通用しなかった。どうしても道中で置かれるだけに、勝負どころまでにたっぷりと息が入るステイヤーズSの舞台は歓迎だろう。自分のリズムをキープして直線を向くことができれば、鋭く伸びてくるはずだ。馬名の由来は「エリダヌス座α星+星」。

牡6歳

調教師:上村洋行(栗東)

  • 父:オルフェーヴル
  • 母:パレスルーマー
  • 母の父:Royal Anthem
ここに注目!

半弟が今年の天皇賞(春)を制し、先日の天皇賞(秋)でも2着に好走したジャスティンパレス(父ディープインパクト)。母系はスタミナ色が強く、本馬も2年前のステイヤーズSで2着に逃げ粘っている。得意舞台での復活にかけたい。

前走・京都大賞典は、大外枠から器用に好位2番手を確保。道中は逃げ馬を見る形でリズム良くクリアした。しかし、3コーナー手前で各馬のペースが一気に上がるとついて行けず11着。タフな重馬場を先行したことで、体力の消耗が大きかったのかもしれない。管理する上村洋行調教師は「レースとしてはうまく乗ってくれたけど、早めにロングスパートしたいところで動けませんでした」と振り返った。ダート初挑戦の東海S10着、ハイレベルな天皇賞(春)13着など、近走は大きな着順が続くが、過去2年のステイヤーズSでは2着、4着と好走。復活ランがあるなら、実績十分のこの条件だろう。馬名の由来は「鉄+冠名」。

牡5歳

調教師:稲垣幸雄(美浦)

  • 父:トーセンジョーダン
  • 母:グレイシアブルー
  • 母の父:サンデーサイレンス
ここに注目!

半兄がJRA重賞3勝に加え、2019年コーフィールドC(G1・オーストラリア)を制したメールドグラース(父ルーラーシップ)という良血馬。本馬は3走前・ダイヤモンドSで3着に好走しており、長距離適性は高そうだ。

3走前のダイヤモンドSは、重賞初挑戦の身ながら1番人気に支持された。道中は後方で待機したが、勝負どころの3、4コーナーで進出を開始し、馬群が横に広がった直線ではやや左右にヨレるシーンはあったが、勝ち馬ミクソロジーがJRAレコードを出した一戦で3着を確保した。騎乗したC.ルメール騎手は「直線でもいい手応えでしたが、坂を上ったところでいっぱいになってしまいました」と肩を落とした。近2戦は人気を背負いながら伸びを欠いたが、馬場状態(ともに稍重)の影響もあったか。中山で4走前の3勝クラス・グレイトフルS(芝2500メートル)を快勝しているのも心強い。馬名の由来は「白いまつ毛(仏)。本馬の特徴より連想」。

牡5歳

調教師:岡田稲男(栗東)

  • 父:リオンディーズ
  • 母:メイショウオウヒ
  • 母の父:マンハッタンカフェ
ここに注目!

約11か月ぶりの実戦となった前走のアルゼンチン共和国杯は中団追走から10着だったが、本来は好位で器用に立ち回れるタイプ。休み明け2戦目の上積みがあれば、行きっぷりも違うはずだ。

約11か月ぶりの実戦となった前走のアルゼンチン共和国杯。実績を評価されて58.5キログラムのトップハンデを背負う厳しい条件のなか、直線ではしぶとく脚を伸ばした。着順は10着ながら、勝ち馬ゼッフィーロからは0秒6差。騎乗した浜中俊騎手は「骨折明けのブランクに加えて、重量も背負っていました。厳しい条件の中で無事に終えたので、またここからですね」と前を向いた。好走した昨年のダイヤモンドS(1着)、天皇賞・春(3着)はともに4コーナー3番手以内から粘り強い走りを見せた。休み明け2戦目のここは、前進が見込めるだろう。馬名の由来は「冠名+王にふさわしい」。

せん7歳

調教師:野中賢二(栗東)

  • 父:マンハッタンカフェ
  • 母:ビューティーコンテスト
  • 母の父:Singspiel
ここに注目!

前走の福島記念はハナ差の2着。待望の重賞タイトル獲得にあと一歩のところまで迫った。今夏の北海道シリーズで芝2600メートル戦を2走し、3着、2着と好走。芝3600メートルのスタミナ勝負にも対応可能だろう。

前走・福島記念(2着)は、スタートでやや立ち遅れて後方からの競馬に。ペースが上がった3、4コーナーでは大外を回らざるを得なかった。ハナ差だけ敗れたホウオウエミーズが1頭分内を回っていたことを考慮すれば、限りなく勝ちに等しいと言える惜敗だった。騎乗した富田暁騎手は「理想的な展開で勝負どころでの手応えも良く、あとは勝ち馬をかわすだけでした。自信を持っていただけに、悔しいの一言です」と肩を落とした。それでも夏からの充実ぶりは本物。長く使えるいい脚を備えており、スムーズに加速できる展開になれば、初の重賞タイトル獲得も視界に入ってくる。馬名の由来は「伊達」。

牝7歳

調教師:森田直行(栗東)

  • 父:オルフェーヴル
  • 母:メーヴェ
  • 母の父:Motivator
ここに注目!

半弟は2021年菊花賞をはじめ、スタミナ色が求められるGⅠで3勝を挙げているタイトルホルダー(父ドゥラメンテ)。本馬は11番人気だった昨年の本レースで、勝ち馬から0秒5差の5着に頑張った。今年はそれ以上の走りを見せたい。

小さな馬体で懸命に駆ける姿に、いつも多くのファンが声援を送る人気馬。2021年有馬記念(15着)以降の8戦は長い不振に苦しんでいるが、唯一掲示板(5着以内)を確保したのが昨年のステイヤーズS。好位からしぶとく粘ってみせ、勝ち馬から0秒5差の5着に入った。当時、騎乗した菅原明良騎手は「ロスのない競馬ができました。小さい体でよく頑張ってくれました」とその走りをねぎらった。最後の勝利が2021年の3勝クラス・古都S(阪神・芝3000メートル)。卓越したスタミナを誇る半弟タイトルホルダーのように、長丁場で良さが出るタイプなのだろう。ここも見る者の心を打つ走りを期待したい。馬名の由来は「椿の品種の一つ」。

(高木 翔平)

ご注意 「今週の注目レース」ページの情報は、特別レース登録馬や過去のレース結果に基づいて制作しております。JRAが特定の競走馬を応援、推奨するものではありません。出走取りやめ、出走取消などにより、掲載した競走馬がレースに出走しないことがあります。

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