今週の注目レース

菊花賞(GⅠ)

京都競馬場 3000メートル(芝・外)馬齢 牡・牝 3歳オープン

データ分析

春の主役と新興勢力が激突する3歳クラシック最終戦

昨年の菊花賞でハナ差の2着に惜敗したボルドグフーシュは、次走の有馬記念でも2着に好走した。また、同3着のジャスティンパレスは、今春の天皇賞(春)を制してGⅠウイナーの座に上り詰めた。クラシック三冠競走の最終関門であると同時に、今後の古馬長距離戦線を占う上でも注目しておきたい一戦だ。今回は、阪神・芝3000メートルで行われた2021年と2022年を含む過去10年のレース結果から、好走馬に共通するポイントを分析してみたい。

基本的には前走好走馬が優勢

過去10年の3着以内馬30頭中27頭は、前走の着順が3着以内だった。一方、4着以下だった馬は3着内率3.8%と苦戦している。前走4着以下の馬は過信禁物とみるべきだろう。〔表1〕

〔表1〕前走の着順別成績(過去10年)
前走の着順 着度数 勝率 連対率 3着内率
3着以内 9-9-9-75 8.8% 17.6% 26.5%
4着以下 1-1-1-75 1.3% 2.6% 3.8%

なお、前走の着順が4着以下だったにもかかわらず3着以内となった3頭は、いずれも皐月賞で4着以内に入っていた。前走好走馬と皐月賞の上位馬が強いレースと言えそうだ。〔表2〕

〔表2〕前走の着順が4着以下だった馬の、皐月賞において4着以内となった経験の有無別成績(過去10年)
経験の有無 着度数 勝率 連対率 3着内率
あり 1-1-1-3 16.7% 33.3% 50.0%
なし 0-0-0-72 0% 0% 0%

4月以降の実績がポイント

過去10年の3着以内馬30頭中25頭は、同年4月以降のJRAのGⅠ・GⅡにおいて4着以内となった経験がある馬だった。この経験がない馬は疑ってかかりたい。〔表3〕

〔表3〕同年4月以降のJRAのGⅠ・GⅡにおいて4着以内に入った経験の有無別成績(過去10年)
経験の有無 着度数 勝率 連対率 3着内率
あり 9-9-7-64 10.1% 20.2% 28.1%
なし 1-1-3-86 1.1% 2.2% 5.5%

なお、同年4月以降のJRAのGⅠ・GⅡにおいて、4着以内となった経験がなかったにもかかわらず3着以内となった5頭のうち3頭は、“同年8月以降のJRAの2200メートルのレース”において1着となった経験がある馬だった。この経験がなかった馬は、3着内率2.4%と苦戦している。〔表4〕

〔表4〕同年4月以降のJRAのGⅠ・GⅡにおいて4着以内に入った経験がなかった馬の、“同年8月以降のJRAの2200メートルのレース”において1着となった経験の有無別成績(過去10年)
経験の有無 着度数 勝率 連対率 3着内率
あり 0-1-2-5 0% 12.5% 37.5%
なし 1-0-1-81 1.2% 1.2% 2.4%

キャリア「8戦以内」の馬が中心

過去10年の3着以内馬30頭中28頭は、通算出走数が8戦以内だった。一方、9戦以上だった馬は3着内率3.3%と苦戦している。キャリア9戦以上の馬は割り引きが必要だ。〔表5〕

〔表5〕通算出走数別成績(過去10年)
通算出走数 着度数 勝率 連対率 3着内率
8戦以内 10-8-10-91 8.4% 15.1% 23.5%
9戦以上 0-2-0-59 0% 3.3% 3.3%

近年は休養明けの馬が不振

過去4年の3着以内馬12頭は、いずれも前走との間隔が中5週以内だった。2018年以前は前走との間隔が中6週以上だった馬もそれなりに好走していたものの、近年の傾向を重視するならば休養明けで臨む馬は評価を下げるべきかもしれない。〔表6〕

〔表6〕前走との間隔別成績(過去4年)
前走との間隔 着度数 勝率 連対率 3着内率
中5週以内 4-4-4-44 7.1% 14.3% 21.4%
中6週以上 0-0-0-16 0% 0% 0%

前走の距離も見逃せないポイント

過去4年の3着以内馬12頭は、いずれも前走の距離が2000メートル超2500メートル未満だった。近年の傾向を重視するならば、前走が2000メートル以下や2500メートル以上のレースだった馬は苦戦必至とみるべきだろう。〔表7〕

〔表7〕前走の距離別成績(過去4年)
前走の距離 着度数 勝率 連対率 3着内率
2000m以下 0-0-0-13 0% 0% 0%
2000m超2500m未満 4-4-4-38 8.0% 16.0% 24.0%
2500m以上 0-0-0-9 0% 0% 0%
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不安要素が少ない馬を狙いたい

過去4年の優勝馬4頭は、いずれも同年4月以降のJRAのGⅠ・GⅡにおいて3着以内となった経験がある馬だった。また、この4頭は通算出走数が8戦以下だった点、前走との間隔が中4週以内だった点、前走の距離が2000メートル超2500メートル未満だった点も共通している。〔表3〕、〔表5〕、〔表6〕、〔表7〕で挙げた条件をクリアしている馬が有力候補だ。〔表8〕

(伊吹 雅也)

注記:表は横にスクロールすることができます。

〔表8〕優勝馬の同年4月以降のJRAのGⅠ・GⅡにおける最高着順、通算出走数、前走との間隔、前走の距離(過去4年)
年次 優勝馬 同年4月以降のJRAのGⅠ・GⅡにおける最高着順 通算出走数 前走との間隔 前走の距離
2019年 ワールドプレミア 3着(神戸新聞杯) 5戦 中3週 2400m
2020年 コントレイル 1着(日本ダービーほか) 6戦 中3週 2200m
2021年 タイトルホルダー 2着(皐月賞) 7戦 中4週 2200m
2022年 アスクビクターモア 2着(セントライト記念) 8戦 中4週 2200m

ご注意 「今週の注目レース」ページの情報は、特別レース登録馬や過去のレース結果に基づいて制作しております。JRAが特定の競走馬を応援、推奨するものではありません。出走取りやめ、出走取消などにより、掲載した競走馬がレースに出走しないことがあります。

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