今週の注目レース

紫苑ステークス(GⅢ)

中山競馬場 2000メートル(芝)馬齢 (牝) 3歳オープン

出走馬情報

写真をクリックすると、詳細がご覧いただけます。また、詳細の馬名をクリックすると、競走馬情報がご覧いただけます。

牝3歳

調教師:木村哲也(美浦)

  • 父:キタサンブラック
  • 母:ダンスファンタジア
  • 母の父:ファルブラヴ
ここに注目!

曽祖母ダンシングキイにさかのぼる名牝系の出身。祖母ダンスインザムードはGⅠ2勝を挙げ、母ダンスファンタジアはフェアリーSを優勝。父にキタサンブラックを配した血統背景は一級品だ。本馬も、ひと夏を越えてさらなる活躍を期待したい。

今春のフラワーCは、スタートで後手を踏み後方待機策。不良馬場でタフなコンディションのなか、3コーナー付近から外を回って徐々に進出を開始。最後はエミューの瞬発力に屈したものの、直線も長くいい脚を使って2着に好走した。前走のオークスは中団やや後方で折り合いに専念。優勝馬リバティアイランドは別格の強さだったが、直線で馬群のインを追い上げて見せ場を作り、2着ハーパーとは0秒3差の6着ならレース内容は悪くない。休養から帰厩後は8月下旬から時計を出し始め、熱心な乗り込みを消化。今回のメンバーでは地力上位の存在で、主役の座は譲れない。

牝3歳

調教師:大竹正博(美浦)

  • 父:キズナ
  • 母:ラブリーベルナデット
  • 母の父:Wilburn
ここに注目!

2走前のクイーンCはマイル適性の差も出て5着に敗れたが、前走の忘れな草賞(リステッド・阪神・芝2000メートル)で2勝目をマークした。オークスを見送って秋に備えたが、GⅡの今回は真価が問われる一戦になりそうだ。

デビュー2戦目の未勝利(中山・芝2000メートル)を3馬身差で快勝。続くクイーンCはスタートで立ち遅れて後方待機策。馬群が固まって外を回るコースロスもあったが、直線はモリアーナ(3着)と併せるように脚を伸ばして見せ場を作った。最後は脚色が鈍ったものの、好メンバーがそろったなかで5着なら高く評価できる。前走の忘れな草賞(リステッド)は、スタートを決めて2番手追走。直線は逃げたミッキーツインクル(2着)を力でねじ伏せて、1分59秒2の好タイムで快勝した。今回は5か月の休み明けだが、調教では好調時と遜色のない動きを見せており、力の出せる態勢は整った。

牝3歳

調教師:和田正一郎(美浦)

  • 父:ハービンジャー
  • 母:スーリール
  • 母の父:スペシャルウィーク
ここに注目!

フラワーCで重賞タイトルを獲得し、牝馬クラシック(桜花賞10着、オークス13着)に駒を進めた実力馬。夏場を休養に充て、本レースに照準を合わせて順調な乗り込みを消化している。全3勝の中山コースであらためて注目したい。

4走前の1勝クラス・デイジー賞(中山・芝1800メートル)では、ゴールデンハインド(のちにフローラS優勝)を退けて快勝。続くフラワーCは不良馬場のタフなコンディションで、前へ行った組には厳しい展開でもあったが、4コーナー11番手からメンバー中最速の推定上がり3ハロンタイムで鮮やかに突き抜けて重賞制覇を達成した。春の牝馬クラシック一冠目となる桜花賞は、直線でインを狙ったものの、前が開かず脚を余して10着。前走のオークスは13着に敗れたが、騎乗したM.デムーロ騎手が「2400メートルは長いのかもしれない」とコメントしたように、敗因は明白だろう。今回のメンバー中唯一のJRA重賞ウイナーとして、恥ずかしい競馬はできない。

牝3歳

調教師:畠山吉宏(美浦)

  • 父:ダノンバラード
  • 母:ハピネスフォーユー
  • 母の父:A.P. Indy
ここに注目!

2度のGⅠ挑戦(阪神ジュベナイルフィリーズ5着、NHKマイルC7着)など強敵にもまれながら地力をつけ、前走の2勝クラス・豊栄特別(新潟・芝1600メートル)で3勝目をマーク。操縦性が高く、初の2000メートルにも対応可能だろう。

NHKマイルCで7着に敗れた後、自己条件となった2走前の2勝クラス・松島特別(福島・芝1800メートル)は、開幕週でインの逃げ・先行馬が上位を占めるなか、中団から外を回るコースロスがありながらも、しぶとく脚を伸ばして5着に入った。前走の2勝クラス・豊栄特別は、互角のスタートからスッと控えて中団で折り合いに専念。スローペースで直線の瞬発力勝負になったが、4コーナー7番手から鮮やかな差し切り勝ちを決めている。今回、2000メートルへの距離延長は鍵になるが、これまで培った豊富な経験を生かして念願の重賞タイトル獲得を目指す。

牝3歳

調教師:武藤善則(美浦)

  • 父:エピファネイア
  • 母:ガルデルスリール
  • 母の父:ダイワメジャー
ここに注目!

関西遠征でテンションが高かった阪神ジュベナイルフィリーズ(12着)以外は大崩れがなく、前走のNHKマイルCでも勝ち馬から0秒5差の6着に入っている。距離延長に少し不安はあるが、地力は引けを取らない。

3走前のクイーンCは、後方に控えて折り合いに専念。直線はメンバー中最速となる上がり3ハロン34秒0(推定)の末脚で一度は先頭に並びかけ、最後は3頭の激しい追い比べからわずかに競り負けて惜敗の3着となった。2走前のニュージーランドTは、外枠(7枠14番)スタートから外を回るコースロスがありながらも、直線でしぶとく脚を伸ばして勝ち馬から0秒3差の4着に入った。前走のNHKマイルCは、4コーナー11番手からジワジワ差を詰め、牡馬相手に0秒5差の6着ならレース内容は悪くない。今回は400メートルの距離延長で折り合いが鍵になるが、牝馬同士なら瞬発力は互角以上だ。

牝3歳

調教師:杉山晴紀(栗東)

  • 父:スクリーンヒーロー
  • 母:スターペスミツコ
  • 母の父:カーネギー
ここに注目!

デビュー3戦目で初勝利を挙げると、前走の2勝クラス・松島特別(福島・芝1800メートル)まで3連勝を飾り、充実ぶりは顕著。半兄に2頭の重賞勝ち馬がいるように血統は筋が通っており、先々まで目が離せない存在だ。

2走前の1勝クラス・ひめさゆり賞(福島・芝2000メートル)は、スッと前に取りついて好位4番手を追走。緩みない流れとなったなか、正攻法のレース運びから直線の入り口で先頭に躍り出ると、後続の追い上げをしのいで2勝目をマークした。前走の2勝クラス・松島特別はスタート、二の脚ともに速く、すんなり2番手をキープ。ラスト200メートル付近で逃げるロムネヤ(3着)を捕らえると、最後は後続を突き放して2馬身1/2差で快勝した。今回は相手強化の一戦になるが、牝馬同士の重賞なら能力は引けを取らず、目下3連勝の勢いに乗って重賞制覇を狙う。

牝3歳

調教師:千田輝彦(栗東)

  • 父:ハービンジャー
  • 母:シャドウマリア
  • 母の父:ヴィクトワールピサ
ここに注目!

オークス(18着)以来となった前走の2勝クラス・HTB賞(札幌・芝1800メートル)は、勝ち馬から0秒1差の3着。有力馬の多くが休み明けというなかで、夏場に1度使った順調度は強みとなるだろう。

約2か月半の休み明けとなった前走の2勝クラス・HTB賞は、二の脚を利かせて3番手に取りつき、道中は折り合いに専念。スローペースになり、内を回った上位2頭とはコース取りの差も出たが、クビ+アタマ差の3着ならレース内容は悪くない。騎乗した鮫島克駿騎手は「休み明けのぶん緩さがあり、レース前もおっとりし過ぎている感じでした」と振り返っており、休み明けを1度使った状態面の上積みは十分に見込めそうだ。春はフローラS11着、オークス18着と重賞で結果を出せなかったが、ひと夏を越えた成長度を加味すれば、侮れない存在だ。

(京増 真臣)

ご注意 「今週の注目レース」ページの情報は、特別レース登録馬や過去のレース結果に基づいて制作しております。JRAが特定の競走馬を応援、推奨するものではありません。出走取りやめ、出走取消などにより、掲載した競走馬がレースに出走しないことがあります。

ページトップへ戻る
表示モード: