今週の注目レース

夏の2歳単勝 新潟2歳ステークス(GⅢ)

新潟競馬場 1600メートル(芝・外)馬齢 2歳オープン

出走馬情報

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牝2歳

調教師:黒岩陽一(美浦)

  • 父:ダイワメジャー
  • 母:アスコルティ
  • 母の父:Danehill Dancer
ここに注目!

新馬戦は4コーナー11番手からの差し切り勝ち。見た目からして鮮やかだったうえ、上がり3ハロン33秒3(推定)と、数字上でも非凡さが明確に表れていた。さらに鋭さが増しそうな新潟外回りコースで、重賞初制覇のチャンスだ。

メイクデビュー東京(芝1400メートル)は、単勝オッズ1.7倍の圧倒的な支持。後方からとなったが、出遅れた訳ではなく、あくまでもこの馬のリズムを重視したポジション取りだったようだ。直線の追い込みは目を引いたが、外に持ち出すまでは馬群の中でしっかりと我慢させ、馬込みを経験させる勝ち方にも見えた。騎乗したC.ルメール騎手は「終いの伸びはよかったです。距離に関してはマイルくらいまでは大丈夫です」とコメントしており、200メートルの延長でも問題なく力を出せそうだ。半兄アスコルターレ(父ドゥラメンテ)はもみじS、マーガレットSとオープンクラスを2勝。本馬は兄を超える活躍も期待できそうだ。

牡2歳

調教師:森田直行(栗東)

  • 父:エイシンヒカリ
  • 母:タイキアプローズ
  • 母の父:Devil's Bag
ここに注目!

デビュー戦は2番手追走から直線へ向くと、反応良く伸びて2着に5馬身差をつける圧勝だった。開催6日目を思えば走破時計も優秀。センスも脚力もかなりものがありそうだ。連勝の可能性は十分にある。

デビュー前の調教では、栗東坂路で同厩舎の古馬を1秒以上追走して先着を果たした。4ハロン52秒1という全体時計の優秀さもさることながら、終い1ハロン11秒7という数字もこれまた優秀。調教内容の充実は疑いようがなく、メイクデビュー中京(芝1600メートル)での1番人気も納得だった。レースでもその脚力はいかんなく発揮され、4コーナーでの反応こそ鈍かったものの、伸び出してからの決め手は抜群。逃げ馬を楽にかわしてからは独走を決めた。時計も同開催・同距離の新馬戦4鞍で最速の数字。まだJRA重賞勝ちのないエイシンヒカリ産駒だが、本馬がここでタイトルを届けるかもしれない。

牝2歳

調教師:須貝尚介(栗東)

  • 父:ジャスタウェイ
  • 母:イイナヅケ
  • 母の父:ワークフォース
ここに注目!

5番人気だった初戦は手応え十分の追走から、その手応え通りの伸びを見せて上がり3ハロン33秒9(推定)の末脚で後続を突き放した。雄大なフットワークはいかにも新潟コース向き。さらなるパフォーマンス向上が期待できそうだ。

ラスト2ハロンを11秒2、11秒3のラップで押し切った新馬戦は完勝と言えるもの。レースぶりもさることながら、ストライドの大きさが目を引いた。牝馬らしい細さは感じさせるものの、体全体を使って走るさまはいかにも素質馬といった雰囲気。かわいらしい名前とは裏腹に、強靭な末脚を秘めている印象を受けた。従って身上をフルに発揮できそうな新潟外回りコースは歓迎材料と言えそう。実際、父のジャスタウェイは2011年の本レースで2着。本格化自体は遅かったが、舞台適性は十分に示していた。本馬も父同様の適性と成長力を兼ね備えている可能性があり、前途を占う一戦になりそうだ。

牝2歳

調教師:友道康夫(栗東)

  • 父:Into Mischief
  • 母:ボインビューティー
  • 母の父:Giant's Causeway
ここに注目!

新馬戦は好スタートを決めると、無理をせず3番手を追走。直線で楽に抜け出しての完勝だった。レースのラスト3ハロン11秒7、11秒6、11秒4の加速ラップが示すように、まだまだ余裕があった様子。重賞でも好勝負が可能だろう。

メイクデビュー中京(芝1600メートル)はパドックから落ち着きがあり、レースでも折り合いバッチリ。かなりのレースセンスの持ち主と言えそうだ。加えて好位から抜け出す時の脚が速く、決め手も十分に持ち合わせている印象。父Into Mischiefはアメリカの2歳オールウェザーG1の勝ち馬。産駒の多くはダートで活躍しているが、本馬は前肢を大きく前に出すフットワークで軽快さがあり、明らかに芝向きの印象だ。デビュー戦で騎乗した坂井瑠星騎手は「折り合いもついたし、反応も良かったです。新馬戦としては言うことのない競馬でした」とコメント。現時点ではこれといった課題はないようで、直近の好調教も強調できる。

牡2歳

調教師:上原博之(美浦)

  • 父:リアルインパクト
  • 母:シルヴァンソング
  • 母の父:Street Cry
ここに注目!

インパクトのある勝ち方で初陣を突破。直線で前が壁になり、一度は馬群の外へ持ち出すロスがありながらも、残り150メートル付近から追われると、前の馬たちを一気に差し切った。類まれな勝負根性に注目だ。

乗り込み自体は入念だったが、目立つ調教時計を出していなかったこともあってか、メイクデビュー新潟(芝1600メートル)は8番人気の支持だった。レースは好位から競馬を進めたものの、直線半ばで進路を無くし、馬も周りを気にして馬群を縫うことができなかった。結局は他の馬を先に行かせて、その後に外から差すという選択をせざるを得ず、鞍上がフルに追えたのは残り150メートルを切ってから。並の馬なら2着が精いっぱいかというところを差し切ると、ラストは鞍上が抑えていた。終わってみれば強いの一語。スムーズなら楽勝まであったかもしれない。今回は真価を見極める重賞初挑戦となる。

牡2歳

調教師:牧浦充徳(栗東)

  • 父:ダイワメジャー
  • 母:サンドスラッシュ
  • 母の父:Holy Roman Emperor
ここに注目!

2戦目での勝ち上がりだが、その2戦目は他を突き放す一方の独走だった。3着だったデビュー戦もメンバー中最速タイの上がり3ハロン33秒8(推定)で走っており、脚力の良さが感じられた。新潟替わりにも不安はないだろう。

初戦は隣の馬がゲートで暴れ、それを気にしたのか出遅れ。東京・芝1400メートルの新馬戦で3コーナー13番手は厳しい位置取りだったが、直線で猛然と追い上げて3着に入り、能力の片りんを十分に示した。その好走が評価され、前走の未勝利(福島・芝1800メートル)は初コース、初距離ながら1番人気の支持。直線早々に先頭に立つと、後続を圧倒して初勝利を挙げた。若さの目立つレースぶりとはいえ、コースを1周する競馬で能力の高さを見せた。初戦で見せたようにかなりの鋭さを持つ一方、前走では長く脚を使って初勝利。異なる競馬をした経験は、相手強化で大きな強みとなるはずだ。

牝2歳

調教師:高野友和(栗東)

  • 父:ジャスタウェイ
  • 母:ダイアゴナルクロス
  • 母の父:シンボリクリスエス
ここに注目!

途中からハナに立って押し切ったデビュー戦は、遅い流れだったとはいえ、稍重の馬場で上がり3ハロン35秒1でまとめた点が立派。まったく危なげなかった。良馬場ならさらに走れそうな雰囲気。展開面でも注意したい一頭だ。

メイクデビュー中京(芝1600メートル)は稍重の馬場状態もあって勝ち時計は平凡に思えるが、終いの3ハロンはすべて11秒台のラップ。タフな中でもバテることなく逃げ切った点に素質の片りんが窺えた。また、3着だったシカゴスティングは次走で初勝利を挙げ、さらにオープン特別・フェニックス賞も連勝している。前走後は7月下旬から栗東トレーニング・センターで乗り込みを開始し、目立つ時計こそ出していないものの、同坂路で入念な乗り込みを消化。一度実戦を経験しての上積みはもちろん、パワーアップも期待できるところだ。ここも再度の積極策で、アッと言わせるシーンがあるかもしれない。

牝2歳

調教師:平田修(栗東)

  • 父:オルフェーヴル
  • 母:サトノアリシア
  • 母の父:ハービンジャー
ここに注目!

減量騎手起用で斤量の利があったとはいえ、新馬戦はラスト200メートル手前で悠々と抜け出しての快勝だった。開催最終週もあって時計は目立たないが、馬場コンディション不問の力強さが印象的。同じく開催後半となる新潟の馬場も合いそうだ。

デビュー前の調教では、栗東坂路で4ハロン52秒台の時計を馬なりで2本マーク。走る素地は十分に備えていたようだ。新馬戦で3馬身差の快勝は、斤量52キログラムであってもなかなかできるものではない。騎乗した永島まなみ騎手は「稽古に乗せてもらって、バランスが良くて能力を感じていました。折り合いが課題だと思っていたので、馬の後ろで我慢させました。抜け出してからもまだ余裕があったぐらいで、伸びしろは十分だと思います」と勝ちっぷりを高く評価していた。今回は負担重量が55キログラムになるが、栗東坂路での1週前追い切りでは初戦時以上の4ハロン51秒台をマーク。上位争いになっていいはずだ。

(山下 健)

ご注意 「今週の注目レース」ページの情報は、特別レース登録馬や過去のレース結果に基づいて制作しております。JRAが特定の競走馬を応援、推奨するものではありません。出走取りやめ、出走取消などにより、掲載した競走馬がレースに出走しないことがあります。

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