今週の注目レース

北海道新聞杯クイーンステークス(GⅢ)

札幌競馬場 1800メートル(芝)別定 (牝) 3歳以上オープン

データ分析

波乱の少ない真夏の牝馬限定重賞

2022年のクイーンSは、単勝オッズ6.7倍(2番人気)のテルツェットが1着、同21.6倍(8番人気)のサトノセシルが2着、同6.8倍(3番人気)のローザノワールが3着となり、3連単の配当は8万1050円だった。3連単が発売されるようになった2004年以降の19回中、配当が10万円を超えたのは4回だけで、過半数の11回は5万円未満にとどまっている。出走可能頭数が14頭とやや少ないこともあってか、極端な高額配当は飛び出しにくいレースだ。今回は函館・芝1800メートルで行われた2013年ならびに2021年を含む過去10年のレース結果から、好走馬に共通するポイントを分析してみたい。

臨戦過程に注目

過去10年の3着以内馬延べ30頭中26頭は、前走の競馬場がローカル場(札幌・函館・福島・新潟・中京・小倉)以外だった。一方、ローカル場だった馬は3着内率9.1%と苦戦しているうえ、2017年以降の過去6年に限ると〔0・0・2・25〕(3着内率7.4%)と連対がない。前走の競馬場がローカル場だった馬は、扱いに注意するべきだろう。〔表1〕

〔表1〕前走の競馬場別成績(過去10年)
前走の競馬場 着度数 勝率 連対率 3着内率
ローカル場 1-1-2-40 2.3% 4.5% 9.1%
その他 9-9-8-53 11.4% 22.8% 32.9%
  • 注記:ローカル場は札幌・函館・福島・新潟・中京・小倉競馬場

前年以降の実績が重要

過去10年の3着以内馬延べ30頭中26頭は、“前年以降のJRAのオープンクラス、かつ2000メートル未満のレース”において3着以内に入った経験がある馬だった。一方、この経験がなかった馬は3着内率7.4%と苦戦しているうえ、札幌競馬場で行われた年(2014年から2020年、2022年)に限ると〔0・0・2・42〕(3着内率4.5%)である。今年で言えば、2022年以降に行われたオープンクラスの2000メートル未満のレースで馬券に絡めていない馬は、割り引きが必要だ。〔表2〕

〔表2〕“前年以降のJRAのオープンクラス、かつ2000メートル未満のレース”において3着以内に入った経験の有無別成績(過去10年)
経験の有無 着度数 勝率 連対率 3着内率
あり 10-9-7-43 14.5% 27.5% 37.7%
なし 0-1-3-50 0% 1.9% 7.4%

近年はGⅠに出走経験のない馬が不振

過去6年の3着以内馬延べ18頭中16頭は、JRAのGⅠにおいて14着以内となった経験がある馬だった。一方、この経験がなかった馬は3着内率5.9%と苦戦している。まだGⅠに出走したことがない馬や、出走したGⅠの全てで15着以下に敗れている馬は、過信禁物とみておきたい。〔表3〕

〔表3〕JRAのGⅠで14着以内となった経験の有無別成績(過去6年)
経験の有無 着度数 勝率 連対率 3着内率
あり 6-5-5-28 13.6% 25.0% 36.4%
なし 0-1-1-32 0% 2.9% 5.9%

前走での単勝人気も見逃せないポイント

過去6年の3着以内馬延べ18頭中16頭は、前走が国内、かつ前走の単勝人気が9番人気以内だった。一方、同10番人気以下だった馬は3着内率4.8%と苦戦している。前走で人気薄だった馬は、上位に食い込む可能性が低いとみるべきだろう。〔表4〕

〔表4〕前走が国内だった馬の、前走の単勝人気別成績(過去6年)
前走の単勝人気 着度数 勝率 連対率 3着内率
9番人気以内 5-6-5-40 8.9% 19.6% 28.6%
10番人気以下 0-0-1-20 0% 0% 4.8%
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割り引き要素の少ない馬が有力

過去6年の優勝馬延べ6頭は、いずれも前走の競馬場がローカル場(札幌・函館・福島・新潟・中京・小倉)以外だった。また、この6頭は前年以降にJRAのオープンクラス、かつ2000メートル未満のレースにおいて2着以内に入った経験があった点、JRAのGⅠにおいて14着以内となった経験があった点も共通している。〔表1〕、〔表2〕、〔表3〕で挙げた条件をクリアしている馬は、相応に高く評価した方がよさそうだ。〔表5〕

(伊吹 雅也)

注記:表は横にスクロールすることができます。

〔表5〕優勝馬の、前走の競馬場、前年以降のJRAのオープンクラスかつ2000メートル未満のレースにおける最高着順、JRAのGⅠにおける最高着順(過去6年)
年次 優勝馬 前走の競馬場 前年以降のJRAのオープンクラスかつ2000メートル未満のレースにおける最高着順 JRAのGⅠにおける最高着順
2017年 アエロリット 東京 1着(2017年NHKマイルC) 1着(2017年NHKマイルC)
2018年 ディアドラ メイダン(UAE) 2着(2017年アネモネS) 1着(2017年秋華賞)
2019年 ミッキーチャーム 東京 1着(2019年阪神牝馬S) 2着(2018年秋華賞)
2020年 レッドアネモス 阪神 1着(2019年白百合S) 9着(2018年阪神JF)
2021年 テルツェット 東京 1着(2021年ダービー卿CT) 14着(2021年ヴィクトリアM)
2022年 テルツェット 東京 1着(2021年クイーンSほか) 11着(2021年エリザベス女王杯)

ご注意 「今週の注目レース」ページの情報は、特別レース登録馬や過去のレース結果に基づいて制作しております。JRAが特定の競走馬を応援、推奨するものではありません。出走取りやめ、出走取消などにより、掲載した競走馬がレースに出走しないことがあります。

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