七夕賞はハンデ戦ということもあってか波乱の決着が多く、過去10年の3着以内馬延べ30頭中15頭が単勝6番人気以下だった。2015年は最低人気(16番人気)のマデイラが3着に入ったことで3連単の配当が100万円を超え、2018年は12頭立て11番人気のメドウラーク(1着)と12番人気のパワーポケット(3着)が馬券に絡み同250万円超の高配当となっている。そんな難解な一戦を攻略すべく、過去10年の結果からレースの傾向を探っていく。
ハンデ戦ということで過去10年の出走馬の負担重量に注目すると、前走から負担重量が増えていた馬が3着内率40.0%と好成績を挙げている。これに該当する馬が単勝3番人気以内に支持された場合、〔4・1・2・3〕と3着内率が70.0%に達しているので、馬券の軸として信頼できそうだ。一方、前走から負担重量が減っていた馬は3着内率が18.6%にとどまっているが、馬券に絡んだ13頭中11頭が単勝6番人気以下で、このうち6頭は冒頭で触れたマデイラ、メドウラーク、パワーポケットをはじめとする10番人気以下の馬だった。前走から負担重量が減った下位人気馬の激走は注意しておきたい。〔表1〕
負担重量の増減 | 成績 | 勝率 | 連対率 | 3着内率 |
---|---|---|---|---|
増 | 4-4-2-15 | 16.0% | 32.0% | 40.0% |
増減無し | 3-3-1-50 | 5.3% | 10.5% | 12.3% |
減 | 3-3-7-57 | 4.3% | 8.6% | 18.6% |
過去10年の前走の距離別成績を調べると、3着以内馬延べ30頭中19頭は前走が芝1800メートルから2200メートルだった。なかでも、前走が芝2200メートルだった馬は2戦2勝なので、該当馬がいれば注目しておくべきだろう。また、前走がダート戦だった馬は過去10年で5頭と出走数は少ないが3頭が3着以内に入り、それらがいずれも単勝2桁人気と妙味も大きい。さらに、妙味という点では前走から距離の増減が400メートル以上ある馬も狙い目で、前走が芝1600メートルだった馬は3着以内に入った3頭中2頭が2桁人気、芝2400メートル以上だった馬は同5頭中4頭が7番人気以下だった。〔表2〕
前走の距離 | 成績 | 勝率 | 連対率 | 3着内率 |
---|---|---|---|---|
芝1600m | 2-0-1-10 | 15.4% | 15.4% | 23.1% |
芝1800m | 3-1-1-31 | 8.3% | 11.1% | 13.9% |
芝2000m | 3-5-4-50 | 4.8% | 12.9% | 19.4% |
芝2200m | 2-0-0-0 | 100% | 100% | 100% |
芝2400m以上 | 0-3-2-29 | 0% | 8.8% | 14.7% |
ダート | 0-1-2-2 | 0% | 20.0% | 60.0% |
過去10年の騎手別成績を見ると、好走率は前走と同じ騎手だった馬が優勢。該当馬は上位人気の活躍が顕著で、単勝2番人気以内に支持されていた場合〔4・2・1・6〕と過半数が3着以内に入っている。対照的に、乗り替わりとなった馬が2番人気以内に推された場合、〔0・0・1・6〕と期待に応えられないケースが目立ち、馬券に絡んだ18頭中13頭が6番人気以下だった。これにもマデイラ、メドウラーク、パワーポケットなどの2桁人気馬が6頭も含まれているので、乗り替わりは人気薄の馬を狙いたいところだ。〔表3〕
騎手 | 成績 | 勝率 | 連対率 | 3着内率 |
---|---|---|---|---|
前走と同じ騎手 | 5-4-3-38 | 10.0% | 18.0% | 24.0% |
乗り替わり | 5-6-7-84 | 4.9% | 10.8% | 17.6% |
過去10年の優勝馬10頭中9頭は4歳から6歳だった。また、6歳以下の優勝馬9頭の実績面を見ていくと、2022年のエヒトを除く8頭にはオープンクラス・芝1800メートルから2200メートルでの勝利歴があった。これら2点を踏まえれば、優勝候補はオープンクラスの中距離勝利歴を持つ4歳から6歳の馬となるのではないだろうか。〔表4〕
(高那実 マヤ)
注記:表は横にスクロールすることができます。
年度 | 優勝馬 | 年齢 | オープンクラス・芝1800mから2200mの勝利歴 |
---|---|---|---|
2013年 | マイネルラクリマ | 5歳 | 白百合S、福島民報杯 |
2014年 | メイショウナルト | 6歳 | 小倉記念 |
2015年 | グランデッツァ | 6歳 | スプリングS、札幌2歳S、都大路S |
2016年 | アルバートドック | 4歳 | 小倉大賞典、白百合S |
2017年 | ゼーヴィント | 4歳 | ラジオNIKKEI賞 |
2018年 | メドウラーク | 7歳 | なし |
2019年 | ミッキースワロー | 5歳 | セントライト記念 |
2020年 | クレッシェンドラヴ | 6歳 | 福島記念 |
2021年 | トーラスジェミニ | 5歳 | 巴賞、ディセンバーS |
2022年 | エヒト | 5歳 | なし |
ご注意 「今週の注目レース」ページの情報は、特別レース登録馬や過去のレース結果に基づいて制作しております。JRAが特定の競走馬を応援、推奨するものではありません。出走取りやめ、出走取消などにより、掲載した競走馬がレースに出走しないことがあります。