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オンブズマン/ドラクロワ
ダノンデサイル、オンブズマン、ドラクロワの三つ巴だろう。
注目馬の1頭目はオンブズマンとする。前々走のプリンスオブウェールズS(G1・イギリス)で、直線で何度か進路がなくなる局面を切り抜けて快勝したレース内容が、非常に印象的だった。前走のエクリプスS(G1・イギリス)は、早めに抜けだした後、残り250メートルから驚異的な脚を使った勝ち馬に首差交わされての2着だったが、前走10ポンドだった斤量差が7ポンドになる今回は、2頭の序列が逆になると見る。
2頭目は、そのエクリプスSの勝ち馬ドラクロワとする。
ダノンデサイルが2頭の注目馬から外れることになってしまったが、同馬の能力がオンブズマンやドラクロワに劣っていると見ているわけでは決してない。ただしここは、ダノンデサイルにとってはアウェイで、オンブズマンやドラクロワにとっては限りなくホームである。これだけの相手に敵地で勝つのは容易ならぬことで、それだけに、ここで勝てばダノンデサイルの世界的名声は天井知らずのものとなるはずだ。
1959年(昭和34年)東京生まれ。父親が競馬ファンで、週末の午後は必ず茶の間のテレビが競馬中継を映す家庭で育つ。1982年(昭和57年)大学を卒業しテレビ東京に入社。営業局勤務を経てスポーツ局に異動し競馬中継の制作に携わり、1988年(昭和63年)テレビ東京を退社。その後イギリスにて海外競馬を学ぶ日々を過ごし、同年、日本国外の競馬関連業務を行う有限会社「リージェント」を設立。同時期にテレビ・新聞などで解説を始め現在に至る。
ドラクロワ/ダノンデサイル
毎年好メンバーが集まるこのレースだが、今年も2025年のベストレースとなる可能性がある、素晴らしい顔触れが集まった。
極めて水準の高い争いになることは間違いないが、そんな中、3歳馬のドラクロワを私の本命としたい。7月5日にサンダウンで行われたエクリプスS(G1・イギリス)で見せたドラクロワの豪脚は、見ていて背筋が寒くなるほどであった。しかも2着に退けたのは、ロイヤルアスコットのプリンスオブウェールズS(G1・イギリス)の勝ち馬オンブズマンだったのである。今年の欧州における3歳世代は水準が高いと言われているが、中でも最上位の力があるのはこの馬だろう。
セレクションの2番手には、日本から参戦するダノンデサイルをあげたい。この路線の水準が高い日本におけるトップホースの1頭で、前走のドバイシーマクラシック(G1・UAE)を見ると、アウェイでも存分に力を発揮できるタイプのようだ。
セレクションの2頭に入らなかったが、母が10年前のこのレースの勝ち馬で、自身もここまでヨークでは2戦2勝のシーザファイアにも注目している。(訳:合田直弘)
ワールドワイドな競馬日刊紙サラブレッド・デイリー・ニュースのヨーロッパ・パートの編集責任者。これまでも、サラブレッド・オーナー&ブリーダー、ペースメーカーホース&ハウンド、レーシングポスト、インサイドレーシング(オーストラリア)など、数多くの競馬および馬術関係出版物に寄稿している。 少数ながら馬も所有し、生産と競馬にも従事。夫は調教師のジョン・ベリーで、現在はニューマーケット在住。
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