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タスティエーラ/プログノーシス
ロマンチックウォリアーという絶対王者が不在で、混戦模様となっているが、ドバイの結果を見て改めて、芝の1,800メートルから2,400メートルまでの距離カテゴリーで、馬場が平坦なら、日本調教馬は世界有数の水準にあると確信。ここも日本馬を推したいと思う。
セレクションの1頭目は、2023年の日本ダービー馬タスティエーラとした。3歳暮れから4歳春にかけて、パフォーマンスを落とした時期があったが、4歳後半の2戦は明らかに復調を感じさせるものだった。ことに昨年暮れの香港カップ(G1・香港)は、勝ち馬ロマンチックウォリアーを別格とすれば、この馬以外の上位入着馬は中団以降から追い込んだ馬たちばかりで、そんな中2番手追走から3着を確保したこの馬の競馬は、内容の濃いものだったとみている。シャティン適性を実証済みなのも、心強い材料だ。
このレース、2023年・2024年と2年連続で怪物ロマンチックウォリアーの2着に入っているのがプログノーシスだ。オーストラリアに遠征して挑んだ昨年10月のコックスプレート(G1)で2着になった際も、勝ち馬は女傑ヴィアシスティーナで、すなわち、プログノーシスの海外G1制覇はことごとく、規格外の傑物に阻まれてきたのである。怪物も女傑もいないここは、待望のG1初制覇の好機到来とみて、この馬をセレクションの2頭目としたい。
1959年(昭和34年)東京生まれ。父親が競馬ファンで、週末の午後は必ず茶の間のテレビが競馬中継を映す家庭で育つ。1982年(昭和57年)大学を卒業しテレビ東京に入社。営業局勤務を経てスポーツ局に異動し競馬中継の制作に携わり、1988年(昭和63年)テレビ東京を退社。その後イギリスにて海外競馬を学ぶ日々を過ごし、同年、日本国外の競馬関連業務を行う有限会社「リージェント」を設立。同時期にテレビ・新聞などで解説を始め現在に至る。
リバティアイランド/タスティエーラ
過去3年にわたって王者として君臨したロマンチックウォリアーが、今年は不参加である。その代わりというわけではないが、今年はヨーロッパが、昨年のキングジョージY世&クイーンエリザベスS(G1・イギリス)勝ち馬で、誰もが現役最強馬の一頭と認めるゴリアットを送り込んできた。ただし、である。前走のジャパンカップ(GT)は6着に敗れているが、彼が本来、最も得意とするのは2,400メートルである。
私が思い出しているのは、2021年のこのレースだ。ラヴズオンリーユーが勝ち、1着から4着まで日本から来た馬たちが独占した年だが、私は今年の日本馬が、これを再現する可能性を持つ馬たちとみている。プログノーシスは、2着だった2023年・2024年より1つだけ着順を上げるべく、ほんの少しだけベターなパフォーマンスをしてくれるはずだ。さらに、昨年12月の香港カップで3着だったタスティエーラは、2走前の天皇賞(秋)(GT)でドウデュースの2着になった時のパフォーマンスを再現してくれるはずだ。さらに、である。一昨年の三冠牝馬リバティアイランドは、2着だった昨年の香港カップにおけるパフォーマンスを再現してほしい。かくして、日本馬による上位独占が成就するはずだ。
日本馬以外では、ネオムターフカップ(G2・サウジアラビア)でシンエンペラーの2着となっているカリフ、この距離が得意なニュージーランド調教馬エルヴェンセドール、香港ダービー(リステッド・香港)優勝馬キャップフェラは、馬券に絡めたいと思っている。(訳:合田直弘)
ワールドワイドな競馬日刊紙サラブレッド・デイリー・ニュースのヨーロッパ・パートの編集責任者。これまでも、サラブレッド・オーナー&ブリーダー、ペースメーカーホース&ハウンド、レーシングポスト、インサイドレーシング(オーストラリア)など、数多くの競馬および馬術関係出版物に寄稿している。 少数ながら馬も所有し、生産と競馬にも従事。夫は調教師のジョン・ベリーで、現在はニューマーケット在住。
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