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タズ/ストレートノーチェイサー
実績からみてセレクトする2頭は、アメリカ調教馬ストレートノーチェイサーとUAE調教馬タズで間違いないところだ。
千人近い出資者が共同所有するストレートノーチェイサーは、2歳トレーニングセール出身馬ながら、決して仕上がりの早いタイプではなかった。大事に使われた甲斐あって、4歳シーズンに本格化。さらに実が入った昨年秋から、サンタアニタスプリントチャンピオンシップ(G2・アメリカ)、ブリーダーズカップスプリント(G1・アメリカ)、リヤドダートスプリント(G2・サウジアラビア)と3連勝しての参戦となっている。
ストレートノーチェイサーと同じく、タズもアメリカ産馬。1歳市場にてわずか7千アメリカドルで購買された馬が、既に約700万ディルハムの賞金を獲得する大出世を遂げた。同馬もまた遅咲きで、7歳となった昨年、このレースを制しG1初制覇。今季はさらにパワーアップしており、地元の前哨戦マハブアルシマール(G3・UAE)を5.17馬身差で快勝したのを含めて、昨年のドバイゴールデンシャヒーン(G1・UAE)から数えて5連勝の成績を残している。
この2頭では、ここ2シーズンに限ればメイダンのダート1200メートルで6戦6勝というタズを、地の利があるとみて上位に取りたい。
1959年(昭和34年)東京生まれ。父親が競馬ファンで、週末の午後は必ず茶の間のテレビが競馬中継を映す家庭で育つ。1982年(昭和57年)大学を卒業しテレビ東京に入社。営業局勤務を経てスポーツ局に異動し競馬中継の制作に携わり、1988年(昭和63年)テレビ東京を退社。その後イギリスにて海外競馬を学ぶ日々を過ごし、同年、日本国外の競馬関連業務を行う有限会社「リージェント」を設立。同時期にテレビ・新聞などで解説を始め現在に至る。
タズ/ストレートノーチェイサー
このレースのディフェンディングチャンピオンであるB.シーマー厩舎のタズは、そのレースを含めて、目下5連勝中だ。メイダンのダート1200メートルは、彼にとってまさにホームコースで地の利があることは間違いない。
彼にとって最大の敵は、アメリカから参戦する昨年のブリーダーズカップスプリント(G1・アメリカ)勝ち馬ストレートノーチェイサーだろう。サウジカップデーのリヤドダートスプリント(G2・サウジアラビア)の勝ち方も、非常に印象的だった。セレクションはこの2頭で間違いのないところであろう。
2頭のセレクションからは外れるが、もう1頭注目したいのがリメイクである。このところの2戦は、ストレートノーチェイサーに完敗を喫しているが、L.デットーリ騎手に乗り替わって、どのような変わり身を見せるか。4着だった昨年のこのレースの内容も、悪いものではなかったとみている。
前哨戦のマハブアルシマール(G3・UAE)でタズの2着になったアメリカンステージ、堅実な競馬を続けているUAE調教馬カラーアップとイースターンワールドらが、入着候補とみている。彼らがタズに先着する可能性は低いと思うが、掲示板に載る力はありそうだ。(訳:合田直弘)
ワールドワイドな競馬日刊紙サラブレッド・デイリー・ニュースのヨーロッパ・パートの編集責任者。これまでも、サラブレッド・オーナー&ブリーダー、ペースメーカーホース&ハウンド、レーシングポスト、インサイドレーシング(オーストラリア)など、数多くの競馬および馬術関係出版物に寄稿している。 少数ながら馬も所有し、生産と競馬にも従事。夫は調教師のジョン・ベリーで、現在はニューマーケット在住。
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