『世界の合田』によるレース展望芝の中距離という競走条件ゆえ、過去10年のうち半数をこえる6年において、ヨーロッパからの遠征馬が勝利を手にしている.
今年もヨーロッパ勢の層が厚い。昨年のこのレースが1番人気で2着だったシンデレラズドリーム。その負けがよほど悔しかったのか、今年の最大の目標はこのレースと、シーズン当初から陣営が公言していた。今年はここまで6戦しニューマーケットのダリアS(G1・イギリス)、ファルマスS(G1・イギリス)に優勝。前々走のジャンロマネ賞(G1・フランス)が4着、前走のサンチャリオットS(G1・イギリス)が3着と、ここ2戦は勝利を逃しているが、乾いたクイックな馬場でこそ躍動するのがこの馬で、ここは本領を発揮する舞台となるはずだ。
この路線の重賞2勝馬で、前走凱旋門賞当日のオペラ賞(G1・フランス)が短クビ差2着だったシーザファイア。どんな馬場もこなす馬だが、本質は乾いて時計の速い馬場を好むタイプとみている。アメリカ遠征は初めてだが、デルマーの馬場がフィットすれば、大駆けの可能性がある馬だろう。
今年の仏オークス(G1・フランス)勝ち馬と、実績的には最上位にランクしてしかるべきなのがゲゾラだ。前走凱旋門賞(G1・フランス)は13着と大敗したが、管理するF.グラファール調教師は、道中の位置取りが後ろ過ぎた(17頭立ての16番手)のが敗因で、力負けではないと強調。小回りのデルマーが舞台となるここは、前半からどれだけ位置をとれるかが、ことさら重要なカギとなりそうだ。
ヨーロッパ勢を迎え撃つ、地元・アメリカのファンが大きな期待を寄せるのが、2歳時から芝路線で活躍するシーフィールズプリティだ。今季初戦となったチャーチルダウンズのモデスティS(G3・アメリカ)、続くサラトガのニューヨークS(G1・アメリカ)を連勝した後、同じサラトガのダイアナS(G1・アメリカ)はアタマ差の2着に惜敗。その後、ウッドバインのE.P.テイラーS(G1・カナダ)を制し、通算5度目のG1制覇を飾っての参戦となる。西海岸への遠征は3度目となるが、サンタアニタパーク競馬場で行われた2023年のブリーダーズカップジュベナイルフィリーズターフ(G1・アメリカ)が3着、同じくサンタアニタパーク競馬場で行われた2024年のアメリカンオークス(G1・アメリカ)が1着と、結果を出している。
このレースと、ダートのブリーダーズカップディスタフ(G1・アメリカ)にダブル登録していたアリスヴェリテはブリーダーズカップディスタフに出走予定となった。ここがラストランになると言われているだけに、有終の美を飾って欲しいものである。

1959年(昭和34年)東京生まれ。父親が競馬ファンで、週末の午後は必ず茶の間のテレビが競馬中継を映す家庭で育つ。1982年(昭和57年)大学を卒業しテレビ東京に入社。営業局勤務を経てスポーツ局に異動し競馬中継の制作に携わり、1988年(昭和63年)テレビ東京を退社。その後イギリスにて海外競馬を学ぶ日々を過ごし、同年、日本国外の競馬関連業務を行う有限会社「リージェント」を設立。同時期にテレビ・新聞などで解説を始め現在に至る。
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