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『世界の合田』によるレース展望
合田 直弘(海外競馬解説者)シンデレラズドリーム/シーザファイア
中心には、昨年のこのレース2着惜敗の雪辱に燃えるゴドルフィンのシンデレラズドリームを挙げたい。7月にニューマーケットのファルマスS(G1・イギリス)に優勝し2度目のG1制覇を果たした後は、ジャンロマネ賞(G1・フランス)4着、サンチャリオットS(G1・イギリス)3着と、直近はやや歯がゆい競馬が続いている。だが、軽くてクイックな馬場でこそ躍動するのがこの馬だ。現地入り後の調整もすこぶる順調で、ここは本領を発揮する舞台となるはずだ。
注目馬の2番手は、イギリス調教馬のシーザファイアをとる。ここまで16戦し、掲示板を外したのは1度だけという堅実派。今年のロイヤルアスコットではプリンスオヴウェールズS(G1・イギリス)で3着に入り、牡馬の超一線級を相手に善戦している。どんな馬場もこなすが、本質は乾いて時計の速い馬場を好むタイプで、デルマーはあうはずだ。当初はこの馬を本命にするつもりだったが、大外枠を引いてしまった分、少し評価を下げた。

1959年(昭和34年)東京生まれ。父親が競馬ファンで、週末の午後は必ず茶の間のテレビが競馬中継を映す家庭で育つ。1982年(昭和57年)大学を卒業しテレビ東京に入社。営業局勤務を経てスポーツ局に異動し競馬中継の制作に携わり、1988年(昭和63年)テレビ東京を退社。その後イギリスにて海外競馬を学ぶ日々を過ごし、同年、日本国外の競馬関連業務を行う有限会社「リージェント」を設立。同時期にテレビ・新聞などで解説を始め現在に至る。
エマ・ベリー(イギリス在住競馬ジャーナリスト)シンデレラズドリーム/シーフィールズプリティ
管理するC.アップルビー調教師が、この馬に関しては自信に満ち溢れたコメントを連発しているシンデレラズドリームを、セレクションの1番手に挙げたい。昨年のこのレースは2着だった同馬。今年あげた2勝はいずれも、ニューマーケットの直線コースを舞台としたレースだが、デルマーのタイトなコーナーを上手にハンドリングできることは、すでに実証済みだ。軽くて時計の速い馬場も、シンデレラズドリームが大好きな路面である。
ヨーロッパからは他にも、シーザファイア、ゲゾラといった強豪が参戦するが、セレクションの2番手には地元・アメリカのシーフィールズプリティを推したい。今季の同馬はここまで4戦し、前走のE.P.テイラーS(G1・カナダ)など2つのG1を含む3勝、2着1回と、極めて優秀な成績を収めている。
2頭のセレクションからは外れたが、アイルランドからアメリカに移籍しての初戦となったワヤS(G3・アメリカ)を勝っての参戦となるヴィレッジボイスを、穴馬としてあげておきたい。(訳:合田直弘)

ワールドワイドな競馬日刊紙サラブレッド・デイリー・ニュースのヨーロッパ・パートの編集責任者。これまでも、サラブレッド・オーナー&ブリーダー、ペースメーカーホース&ハウンド、レーシングポスト、インサイドレーシング(オーストラリア)など、数多くの競馬および馬術関係出版物に寄稿している。 少数ながら馬も所有し、生産と競馬にも従事。夫は調教師のジョン・ベリーで、現在はニューマーケット在住。
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