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アヴァンチュール/ビザンチンドリーム
ハイレベルの混戦模様となっている中、前哨戦の内容がよかったアヴァンチュールとビザンチンドリームの2頭を注目馬としたい。
9月7日にパリロンシャンで行われたヴェルメイユ賞(G1・フランス)で、道中4番手追走から直線に向くと楽に抜け出し、その後は3.5キログラム斤量が軽かった今年の仏オークス(G1・フランス)の1,2着馬の追撃を完璧に封じたのがアヴァンチュールだ。昨年のこのレースの2着馬で、実力は既に折り紙付き。過去10年のうち半数の5年は牝馬が勝ち馬という、レース傾向にも合致する。どのような馬場状態にも対応できるというのも、大きな強みだ。
同じく9月7日にパリロンシャンで行われたフォワ賞(G2・フランス)で、道中6番手追走から、直線に向くとしばらく前が壁になった後、残り300メートル付近で進路を見つけると、素晴らしい反応を見せて抜け出したのがビザンチンドリームだ。2着馬が昨年のパリ大賞(G1・フランス)を含むG1・3勝馬ソジーだっただけに、非常に内容の濃いパフォーマンスで、3頭の日本調教馬で優勝への最短距離にいるのはこの馬とみる。
1959年(昭和34年)東京生まれ。父親が競馬ファンで、週末の午後は必ず茶の間のテレビが競馬中継を映す家庭で育つ。1982年(昭和57年)大学を卒業しテレビ東京に入社。営業局勤務を経てスポーツ局に異動し競馬中継の制作に携わり、1988年(昭和63年)テレビ東京を退社。その後イギリスにて海外競馬を学ぶ日々を過ごし、同年、日本国外の競馬関連業務を行う有限会社「リージェント」を設立。同時期にテレビ・新聞などで解説を始め現在に至る。
ミニーホーク/ビザンチンドリーム
今世紀に入ってからの凱旋門賞の勝ち馬を振り返ると、牝馬が優勝したケースが10度もある。そして、今年の凱旋門賞には5頭の牝馬が出走。現地の前売り1番人気、2番人気は、いずれも牝馬である。
私の本命は、エイダン・オブライエンが追加登録を行って出走させてきた、牝馬のミニーホークだ。今シーズンここまで無敗で来ており、英オークス(G1・イギリス)、愛オークス(G1・アイルランド)、ヨークシャーオークス(G1・イギリス)という、3つのオークスを3連勝中だ。斤量的にも有利な3歳馬であり、この馬が最も優勝に近いと判断した。
セレクションの2頭目は、ビザンチンドリームとした。渡仏初戦だったフォワ賞(G2・フランス)で、鮮やかな末脚を繰りだして快勝。2着に退けたのが、ここまで3つのG1を制し、昨年の凱旋門賞でも入着(4着)を果たしているソジーだっただけに、その内容を高く評価したい。2月にはサウジアラビアでも勝利を手にしており、アウェイの戦いでも本領を発揮できる馬だ。15番という、かなり外めの枠を引いたのが気懸かりではあるが、勢いを感じる現在の同馬であれば、克服してくれるだろう。
2頭のセレクションからは外れたが、穴をあけるとしたら、今季ここまで3戦無敗で来ている牝馬のキジサナとみている(訳:合田直弘)
ワールドワイドな競馬日刊紙サラブレッド・デイリー・ニュースのヨーロッパ・パートの編集責任者。これまでも、サラブレッド・オーナー&ブリーダー、ペースメーカーホース&ハウンド、レーシングポスト、インサイドレーシング(オーストラリア)など、数多くの競馬および馬術関係出版物に寄稿している。 少数ながら馬も所有し、生産と競馬にも従事。夫は調教師のジョン・ベリーで、現在はニューマーケット在住。
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