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有力騎手、調教師、種牡馬紹介

調教師(有力騎手、調教師、種牡馬紹介)

  • ダレン・ウィアーDarren Weir

    1970年5月2日生まれ。オーストラリア出身。往年の名調教師コリン・ヘイズが築いた複合調教施設であるリンジーパークなどで経験を積んだ後、ヴィクトリア州スタウェルで装蹄師として開業。その後、装蹄を手がけていたテリー・オサリバン調教師の勧めもあって自身の厩舎を開き、95年10月に初勝利を挙げた。2001年には現在も拠点とするバララットに移動。02年5月にはシーズアーチーでサウスオーストラリアンオークスを制してG1初制覇を果たすと、翌03年のG1メルボルンカップでは、シーズアーチーが単勝41倍という人気薄ながらマカイビーディーヴァの2着に好走した。大きく躍進したのは13-14年シーズン。ヴィクトリア州のメトロポリタン(主要競馬場)における集計で前年を49勝も上回る86勝を挙げて、リーディングの座に就いたのだ。これで一気にトップトレーナーとしての評価を得ると、翌14-15年にはトラストインアガスト(父の父がサンデーサイレンス)でG1サールパートクラークSを制してヴィクトリア州におけるG1初制覇を記録するとともに、再びリーディングタイトルを奪取。さらに15-16年にはプリンスオブペンザンスで制したメルボルンカップをはじめヴィクトリア州でG1・4勝(全豪では6勝)を挙げ、3シーズン連続3度目となるタイトルを手にした。このシーズンの全豪での347.5勝(同着は0.5勝扱い)は、ジョン・ホークス調教師が02-03年に記録した334勝を更新する新記録となった。なお、現在ウィアー厩舎にはきさらぎ賞(GIII)やチャレンジC(GIII)の勝ち馬であるトーセンスターダムが所属しており、その動向にも注目したい。

  • デヴィッド・ヘイズDavid Hayes

    1962年10月22日生まれ。オーストラリア出身。父は、通算5333勝を挙げ、ヴィクトリア州のメトロポリタン(主要競馬場)におけるリーディングに1977-78年シーズンから13シーズン続けて輝いた、オーストラリア競馬の殿堂入り調教師コリン・ヘイズ。父の下でアシスタントトレーナーを務めた後、父の引退を受けて90-91年に開業。すると、いきなり90年のG1コックスプレート、ジャパンカップ(GI)をベタールースンアップで制するなど大活躍。その後も93年にフラールでG1コーフィールドカップ、94年にはジューンでメルボルンカップ制覇を果たすなどして、開業初年度から5シーズン続けてヴィクトリア州のメトロポリタンにおけるリーディングに輝いた。96年には香港に拠点を移動。97-98年と98-99年には2シーズン続けてリーディングトレーナーの座に就いたほか、オールスリルズトゥーで2002年のG1香港スプリント、牝馬のエレガントファッションで03年の香港ダービーを制するなど活躍した。その後、05年にオーストラリアに戻ると、06年のG1ゴールデンスリッパーをミスフィンランド、コーフィールドカップをトーキート、コックスプレートをフィールズオブオマーで優勝。08年には父に続いて殿堂入りを果たした。現在は、ヴィクトリア州ユーロアにあるリンジーパーク(父が作ったリンジーパークとは別)が主な調教拠点。14年の8月からはおいのトム・デイバーニッグ(Tom Dabernig)調教師と共同名義で調教にあたり、15年のG1クイーンエリザベスSをクライテリオンで優勝。16年8月からは長男のベン・ヘイズ(Ben Hayes)調教師も共同名義に加わっている。

  • クリス・ウォーラーChris Waller

    1973年3月5日生まれ。ニュージーランド出身。キャッスルタウンでG1ニュージーランドダービーを制したことなどでも知られるパディー・ブサッティン調教師に師事した後、母国で開業。その後、2000年にオーストラリア・ニューサウスウェールズ州のシドニーに拠点を移した。シドニーに移った際の管理馬はわずか4頭だったという。G1初勝利はトリプルオナーで制した08年のG1ドンカスターマイル。10-11年シーズンにはマイキングダムオブファイフで優勝したクイーンエリザベスSなど4つのG1を制して、ニューサウスウェールズ州のメトロポリタン(主要競馬場)におけるリーディングを初めて獲得。以降、2015-16年まで6シーズン続けて首位の座を守り続けている。15-16年にニューサウスウェールズ州のメトロポリタンで挙げた169勝は、自身が12-13年に記録した167.5勝(同着は0.5勝扱い)を塗り替えるニューサウスウェールズ州の新記録だった。近年はビッグレースで圧倒的な強さを見せており、ドンカスターマイルは現在4連覇中で計6勝。14年の同レースでは、セイクリッドフォールズ、ロイヤルディセント、ウィアリー、ホークスパーで1着から4着までを独占した。また、15-16年にはG1ザBMWとG1ジョージライダーSでも1〜3着を占めた。現在の厩舎の代表馬は、コックスプレートやドンカスターマイルの勝ち馬ウィンクス。

  • ゲイ・ウォーターハウスGai Waterhouse

    1954年9月2日生まれ。オーストラリア出身。父は、1952-53年から84-85年まで33シーズン連続してニューサウスウェールズ州のメトロポリタン(主要競馬場)におけるリーディングに輝き、オーストラリア競馬の殿堂入りを果たした名調教師トミー・スミス。モデルや女優として活躍した後、父に師事。その後92年1月に調教師免許を取得し、父が管理していたタロックロッジというシドニーにある厩舎を引き継ぐ。自身の管理馬として初出走させたギフテッドポエットで同年3月に初勝利を挙げ、同年10月には同じくG1初出走となったテアカウニックでG1メトロポリタンHを優勝した。その後、開業5年目の96-97年にニューサウスウェールズ州のメトロポリタン(主要競馬場)におけるリーディングを初めて獲得。以降、2000-01年、01-02年、02-03年、04-05年、07-08年、08-09年と、計7度タイトルを手にし、07年には殿堂入り。今ではクリス・ウォーラー調教師に塗り替えられたが、02-03年に挙げた156勝は、父に並ぶニューサウスウェールズ州のメトロポリタンにおける最多勝記録だった。2歳戦の強さには特に定評があり、2歳戦としては世界最高賞金を誇るゴールデンスリッパーでは、01年ハーハー、04年ダンスヒーロー、08年シーブリング、12年ピエロ、13年オーヴァーリーチ、15年ヴァンクーヴァーで6勝を挙げており、これは父に並ぶ最多記録である。01年の同レースでは史上初となる1〜3着を独占する快挙を達成し、いまだにこれに並ぶ者は現れていない。また、ドンカスターマイルは94〜97年の4連覇を含め、これも父と並ぶ史上最多の7勝。13年にはフィオレンテでメルボルンカップを制して、女性調教師として初となる同レース制覇の快挙を達成した。16年8月からはそれまでアシスタントトレーナーを務めていたエイドリアン・ボット(Adrian Bott)調教師と共同名義で調教にあたっている。

文:秋山響(TPC)

(2016年10月現在)

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