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競馬場・コース紹介

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サンタアニタパーク競馬場

2016年のブリーダーズカップ開催地であるサンタアニタパーク競馬場は、ロサンゼルス近郊に位置するアルカディア市にある。サンガブリエル山脈の麓にあるこの地域は、現在は閑静な住宅街が広がる衛星都市として知られているが、元々は西部劇の映画を思い出させる荒野で、ロサンゼルスからラスベガスやフェニックスへ通じる街道の中継地点でもあった。アルカディア、そしてその西郊のパサデナは競馬関係者にとってノスタルジックな響きを持つ地名で、かつてこの地域ではサラブレッドの生産も行われていた。まだ米国東部への直行便が飛ぶ前の時代に、日本の競馬関係者が広い太平洋を渡りロサンゼルスに着いた時は、この地域にも足を運び、草が全く生えていない荒野に柵だけがあり、そこで乾草や飼料だけでサラブレッドが飼われている風景を目にして驚いたという。

サンタアニタパーク競馬場はそうした「馬産地」に隣接する場所で1907年(明治40年)、実業家エリアス・ボールドウィンによって建てられた。日本では東北帝国大学が設立、ハワイから初めて外国野球チームが来日したという頃の話である。小規模のスタンドにダート走路が1本という簡素な施設だったが、1933年に馬券発売に関する法律が制定されると、サンフランシスコの歯科医チャールズ・ストラブと映画ビジネスで活躍したホール・ローチの二人が、大恐慌の混乱にも負けず、現在地に本格的な競馬施設を造り上げた。以後、通年開催が可能な快適な気候を持ち、そしてロサンゼルス地域の経済発展にも助けられ、カリフォルニア州というよりも米国西側全体の競馬の中心地としての地位を守っている。

1940年には映画で有名となったシービスケットがサンタアニタHに優勝。ケンタッキー州産馬の有力馬達も徐々にサンタアニタパーク競馬場、その周囲の調教施設に拠点を置くようになった。ジャパンカップに参戦した名馬ジョンヘンリーもそうした1頭である。日本馬産の歴史に大きな1ページを記したサンデーサイレンスは同場でデビューし、翌年G1サンタアニタダービーを制した勢いでG1ケンタッキーダービーに優勝。昨年37年ぶりに三冠馬となったアメリカンファラオもここを拠点としていた。現在は厩舎61棟、約2100頭のサラブレッドの住み家となっている。

サンタアニタ競馬場は1995年に東京シティ競馬と友好交流提携を結び、その記念競走である東京シティカップは2005年にG3競走として昇格している。元々、成功したアジア系移民が多いという土地柄も、日本の競馬関係者やファンにとってサンタアニタ競馬場を親しみやすいものにしている。

(文:吉田直哉)
(2016年10月現在)

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サンタアニタパーク競馬場芝2000m

サンタアニタパーク競馬場 コース図

サンタアニタ競馬場は1周1マイル(1600m)のダート馬場がメインで、他の米国の競馬場同様、芝コース(7ハロン132フィート、1448m)がその内側に設置されている。また向正面後方にある丘からも緩やかな下りの芝コース(6.5ハロン、1300m)が追加設置され、これが4コーナーに繋がり、ダートコースへ横切り芝馬場に続く。4コーナーからゴールまでは1.5ハロン(300m)である。

ヌーヴォレコルトが出走を予定しているブリーダーズカップフィリー&メアターフ(芝2000m)は、この追加走路の途中から発走となり、2ハロンほど走ってからダートコースを横切り、芝走路を一周する。第1関門は最初のコーナーだ。メインの芝馬場に入る前に前方の内ラチ沿いのポジションを取ろうとする騎手が多いのだが、芝からダートに入る時に馬がバランスを崩しやすく、数テンポ遅れてしまうことがある。また、最初の芝2ハロンは下りのためスピードが出やすく、コーナーで外側に膨れて先行馬と差が開いてしまう危険もある。芝の周回馬場に入ってから仕切り直しをすることも可能だが、その場合でも1、2コーナーは、ロスなく回ることが要求される。

芝2000m戦で注目したいのは向正面以降だ。米国勢は距離的なロスを抑えるため好位置の確保に懸命になるので、3コーナーから最終コーナーの馬群の密集具合が増す。ここが欧州・日本から遠征馬にとっては第2関門になるだろう。一方、欧州勢は最終直線(300m)が追い込みに短過ぎることが判っているので早目に仕掛けることもある。ロングスパートも勝利への有効な手段だ。

ところで日本でダートと言えば「砂」だが、米国のそれは「土」である。実はサンタアニタパーク競馬場では四肢にかかる負担に配慮し、2007年にダートからシリコンやゴム、そして粘土等を混ぜた全天候型素材に切り替えたことがあった。しかし、基礎部分の排水工事が適切に行われなかったこともあて、素材の特徴を十分に活かすことができず、また芝馬に有利という傾向が批判を浴び、2010年に再びダートに戻している。

一方、芝コースは今年6月にすべて新しく造成され、秋開催から使用が開始された。今回はバミューダグラス(行儀芝)の中でもバレンダというカリフォルニア北部でよく使われている草種が採用されている。既に利用開始されている芝コースだが、主催者側は、根がさらに深く広く張り巡らされるよう管理に努めている。この新芝コースについては時計が速くなるがクッション性に問題は無し、という声がある一方で、降雨後や散水後には予想以上に重くなるという意見も聞こえる。いずれにせよ、元々先行馬に有利だとされた傾向は、今のところ変わりはなさそうだ。

(文:吉田直哉)
(2016年10月現在)

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サンタアニタパーク競馬場 紹介動画(2016年制作)

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