2016年優勝のクイーンズリングが続くエリザベス女王杯も制するなど、その前哨戦として重要な役割を果たしてきたアイルランドトロフィー府中牝馬Sだが、今年からレース名がアイルランドトロフィーに変更された。時期や条件はこれまでと変わらないため、過去10年の結果を参考にレースの特徴を探っていく。
過去10年の単勝人気別成績では、上位人気馬から下位人気馬まで幅広く馬券に絡んでいる。2020年は8頭立ての少頭数だったが6番人気から8番人気の3頭が3着以内を占め、2022年から3年続けて10番人気以下の馬が3着以内に入っているように、近年は特に下位人気馬の好走が目立つので、人気薄の馬も押さえておきたい。〔表1〕
単勝人気 | 成績 | 勝率 | 連対率 | 3着内率 |
---|---|---|---|---|
1番人気 | 2-3-2-3 | 20.0% | 50.0% | 70.0% |
2番人気 | 1-2-2-5 | 10.0% | 30.0% | 50.0% |
3番人気 | 1-0-1-8 | 10.0% | 10.0% | 20.0% |
4番人気 | 2-1-0-7 | 20.0% | 30.0% | 30.0% |
5番人気 | 1-1-1-7 | 10.0% | 20.0% | 30.0% |
6〜9番人気 | 1-2-3-33 | 2.6% | 7.7% | 15.4% |
10番人気以下 | 2-1-1-46 | 4.0% | 6.0% | 8.0% |
過去10年の3着以内馬延べ30頭のうち、オープンクラスで2着以内に入ったことがあった馬は28頭に上る。この経験がなかった馬は勝てていないうえに3着内率も5.4%と厳しいので、大幅な割り引きが必要だろう。〔表2〕
経験の有無 | 成績 | 勝率 | 連対率 | 3着内率 |
---|---|---|---|---|
あり | 10-9-9-74 | 9.8% | 18.6% | 27.5% |
なし | 0-1-1-35 | 0% | 2.7% | 5.4% |
過去10年の前走の距離別成績を見ていくと、前走の距離が芝2000メートル以上だった馬は3着内率11.4%と苦戦傾向にある。芝1600メートル以下と芝1800メートルでは大きな差はないものの、芝1800メートル組のうち当レースで単勝6番人気以下だった馬が〔3・3・2・26〕(3着内率23.5%)と侮れない成績なので、前走が芝1800メートルだった馬は人気がなくても面白そうだ。〔表3〕
前走の距離 | 成績 | 勝率 | 連対率 | 3着内率 |
---|---|---|---|---|
芝1600m以下 | 3-4-6-39 | 5.8% | 13.5% | 25.0% |
芝1800m | 5-5-3-36 | 10.2% | 20.4% | 26.5% |
芝2000m以上 | 2-1-1-31 | 5.7% | 8.6% | 11.4% |
ダート戦 | 0-0-0-3 | 0% | 0% | 0% |
過去10年の優勝馬10頭の前走を見ると、GⅠから3勝クラスまで多岐にわたるが、いずれも前走での単勝人気は5番人気以内だった。さらに、2021年のシャドウディーヴァを除く9頭は2着以内に入っていたので、前走から絞り込む際は単勝人気と着順を参考にするのがよさそうだ。〔表4〕
(高那実 マヤ)
注記:表は横にスクロールすることができます。
年度 | 優勝馬 | 前走の単勝人気 | 前走の成績 |
---|---|---|---|
2015年 | ノボリディアーナ | 4番人気 | 小倉日経オープン2着 |
2016年 | クイーンズリング | 1番人気 | 米子S2着 |
2017年 | クロコスミア | 1番人気 | WASJ第2戦(3勝クラス)1着 |
2018年 | ディアドラ | 1番人気 | クイーンS(GⅢ)1着 |
2019年 | スカーレットカラー | 5番人気 | クイーンS(GⅢ)2着 |
2020年 | サラキア | 3番人気 | 小倉日経オープン1着 |
2021年 | シャドウディーヴァ | 2番人気 | 関屋記念(GⅢ)7着 |
2022年 | イズジョーノキセキ | 3番人気 | 垂水S(3勝クラス)1着 |
2023年 | ディヴィーナ | 2番人気 | 関屋記念(GⅢ)2着 |
2024年 | ブレイディヴェーグ | 1番人気 | エリザベス女王杯(GⅠ)1着 |
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