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牝6歳
調教師:堀宣行(美浦)

府中牝馬S2着をステップに、前走の関屋記念をコースレコード勝ち。目下の充実ぶりが目覚ましい。今回はその2戦より重い斤量を背負うが、東京・芝1800メートルは過去4勝の得意コース。重賞連勝の可能性は十分にある。
3勝クラス・初音S(東京・芝1800メートル)を勝ったのは今年の2月。6歳でのオープンクラス入りという遅咲きだが、初音Sの2着馬はその後に福島牝馬Sを勝つアドマイヤマツリだった。重賞初挑戦となった府中牝馬Sでは、セキトバイーストに次ぐ2着に好走。続く関屋記念は外から一気に追い込み、従来のコースレコードを0秒5更新して重賞初制覇を飾った。充実ぶりは調教にも表れており、余力十分に走って脚さばきも機敏。今回は前走より1キログラム増の55キログラムの斤量を背負うが、それが気にならないほどの地力強化を示している。重賞2勝目が狙える態勢だ。
牝4歳
調教師:四位洋文(栗東)

都大路S(リステッド・京都・芝1800メートル)、府中牝馬Sとハンデ戦を連勝中。3歳時にチューリップ賞2着などの成績を残した素質馬が本格化を迎えている。今回は別定戦だが、自身の斤量は前走の府中牝馬Sよりも軽くなる。3連勝なるか、注目だ。
昨年春のチューリップ賞で2着に好走し、桜花賞は7着。秋はローズS3着から秋華賞は13着だったが、素質の高さを随所に見せていた。今年は初戦の3勝クラス・壇之浦S(小倉・芝1800メートル)を勝って再度のオープンクラス入りを決めると、前々走の都大路Sは稍重でパワーを必要とする馬場コンディションのなか、3コーナー手前から積極的に押し上げ、直線では早めに先頭へ。最後は2着馬に3馬身1/2差をつけ、リステッド勝ちを収めた。勢いそのままに向かった府中牝馬Sは斤量増をものともせず、今度は正攻法で押し切り、本格化を大いにアピールした。相性のいいコースで連勝を伸ばしたい。
牝4歳
調教師:宮田敬介(美浦)

福島牝馬Sで重賞初タイトルをゲット。続くヴィクトリアマイルは、それまでにない積極的なレース運びで勝ち馬から0秒3差の7着に入った。まだキャリア10戦。さらなる高みを目指す意味でも、重賞2勝目が欲しいところだ
キャリア10戦中、掲示板(5着以内)を外したのは新馬戦とGⅠのヴィクトリアマイル(ともに7着)だけ。確かな脚力に加え、レースぶりに幅がある点も大きなセールスポイントだ。正攻法での押し切りを基本としながらも、重賞勝ちを決めた福島牝馬Sは中団前方の位置取りから一瞬の鋭さを披露して差し切った。東京・芝1800メートルは4戦して2勝、2着2回と良績のあるコース。その4戦のうち、今年2月の3勝クラス・初音Sではカナテープにクビ差2着と涙をのんだだけに、今回は捲土重来を期す一戦となる。5月以来の実戦だが、休み明けを苦にしないのは好材料だろう。
牝4歳
調教師:手塚貴久(美浦)

秋華賞を筆頭に重賞での2着が6度。タイトル奪取こそ成し得ていないが、能力の高さは競馬ファンの誰もが知るところだ。秋華賞の走りを思えば、それ以来の中距離戦でも問題ないはず。待望の重賞初制覇に挑む。
実力馬ダノンベルーガ(父ハーツクライ)の半妹という血統で、デビュー当初から大きな期待を寄せられた。新馬戦の2着馬は、翌年に牝馬二冠を制したチェルヴィニア。この点でも本馬の潜在能力の高さは疑いようがなく、実際に昨年の秋華賞(2着)では、メンバー中最速の末脚でチェルヴィニアに迫った。ここまで重賞未勝利が不思議である一方で、折り合い面からポジショニングが悪くなっていることも事実。距離延長ならば、前で流れに乗る可能性は十分にあるだろう。前走の関屋記念(2着同着)で2キログラムの斤量差があったカナテープと同斤量で戦える点も強調材料。初タイトルへ向け、好条件がそろった印象だ。
牝4歳
調教師:池添学(栗東)

3勝クラスからの格上挑戦で阪神牝馬Sを制覇。前走のヴィクトリアマイルは13着とはいえ、勝ち馬からは0秒7差だった。2歳時には阪神ジュベナイルフィリーズ4着の実績もあり、牝馬の一線級でも通用する力を秘めている。巻き返しを期す。
阪神牝馬Sを勝った際は9番人気という評価。3勝クラス在籍でもあり、驚きを持って迎える節もあったが、さかのぼればアルテミスSでチェルヴィニアの2着。続く阪神ジュベナイルフィリーズでは勝ち馬アスコリピチェーノから0秒7差の4着と、2歳時から素質の片りんを示していた。全兄のサリオスは朝日杯フューチュリティSを勝ち、翌年の皐月賞と日本ダービーで2着。3歳と5歳で毎日王冠を制したように、ゆっくりと成長を続けるのがこの血脈の特徴。本馬も開花の時期を迎えたとみていいだろう。前走のヴィクトリアマイル(13着)は馬体重10キログラム減もあってか、力を出し切れなかった。輸送克服はポイントになりそうだ。
牝4歳
調教師:中村直也(栗東)

昨年の秋華賞で4着に入った素質馬が、前走の3勝クラス・仲秋S(阪神・芝1600メートル)を制して待望のオープンクラス入り。その間も阪神牝馬S3着、府中牝馬S3着と牝馬重賞路線で存在感をありありと示していた。従って昇級は形だけ。即通用していい。
3歳春時点でもフローラS2着など力を示していたが、改めて能力を感じさせたのが4着だった昨年の秋華賞だ。単勝オッズ123.2倍の13番人気という低評価で挑んだGⅠだったが、かなりのハイペースのなか、好位から積極的な競馬を展開。最後まで大きくバテることなく、先行勢では最先着となる力走を見せた。オープンクラス入りに時間がかかった感もあるが、その間に牝馬重賞で2度の3着があるだけに、今回のメンバーに入っても能力は通用するはずだ。休養明けの馬が多いなかで、9月に一度使われた上積みが見込める点もプラス材料になるだろう。連勝での重賞初制覇に期待したい。
牝4歳
調教師:尾関知人(美浦)

前々走の2勝クラス・野島崎特別(中山・芝2000メートル)を、現時点で皐月賞、中山金杯に次ぐ年間3番目の好時計で勝利。前走の3勝クラス・バーデンバーデンC(福島・芝2000メートル)も、七夕賞を上回る勝ちタイムだった。時計の裏付けは十分だ。
ここまで6戦して2着、1着、4着、1着、1着、1着という成績で、唯一連対を外した1勝クラス・ノエル賞(中山・芝2200メートル、4着)は約9か月ぶりの実戦だった。まだ能力の底を見せていないうえ、ここ2戦の勝ち時計は重賞でも通用するレベル。オープンクラス初戦が重賞というのはなかなかに高いハードルだが、あっさり突破できるのではと思わせるほどの素地を備えている。今回は約3か月半の休養明けとなるが、放牧先でしっかり乗り込まれて帰厩しており、1週前には美浦Wコースで軽快なフットワークを見せた。東京・芝1800メートルは2勝目を挙げた舞台。コース替わりへの不安もなさそうだ。
牝7歳
調教師:高木登(美浦)

13番人気という評価が信じられないほどの鮮やかな追い込みで、京成杯オータムHを勝利した。オープンクラス入りを決めた4走前が芝1800メートル戦で、当時は上がり3ハロン32秒9(推定)の末脚を発揮。距離延長も問題なく、重賞連勝を狙う。
3勝クラス突破に時間がかかり、オープンクラス入り後も都大路S(リステッド・京都・芝1800メートル)7着、オープン特別・関越S(新潟・芝1800メートル)10着の成績では、前走の評価(13番人気、単勝オッズ89.5倍)になり得たか。ところが、レースではそれに反発するかのような見事な追い込み勝ちを決めた。開幕週での最内枠に52キログラムのハンデと一変する材料があったのは確かだろうが、それでもメンバー中最速の上がり3ハロン33秒1(推定)の脚を使った直線一気は、馬に力がなければできなかったはずだ。年齢を重ねて、気難しさを末脚に転化できるようになった印象もある。別定戦の今回も好勝負になって驚けない。
(山下 健)
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