写真をクリックすると、詳細がご覧いただけます。また、詳細の馬名をクリックすると、競走馬情報がご覧いただけます。
牡3歳
調教師:高柳大輔(栗東)

強烈な末脚で手にしたクラシック三冠一冠目の皐月賞。中山の急坂を力強く伸びてきた。前走の日本ダービーは6着に敗れたが、距離短縮で臨む今回は本来の鋭さを発揮できそう。ここでは実績断然の主役候補が、秋の始動戦を勝利で飾るか。
史上25頭目となる皐月賞からの二冠達成がかかった前走の日本ダービー。道中は中団でゆったりと折り合い、手応え良く直線を向くと、メンバー中3位の上がり3ハロン34秒1(推定)の末脚で追い上げたが、勝ち馬クロワデュノールから0秒7差の6着に敗れた。管理する高柳大輔調教師は「思ったよりも後ろのポジションとなり、ペースも落ち着いたことで厳しい展開になりました。距離も現段階では若干長かったかな」と敗因を口にした。ただ、皐月賞ではクロワデュノールを退けており、中山での強烈な伸びは記憶に新しい。この後は天皇賞(秋)を視野に入れる逸材。ここで同世代のライバルを撃破し、年上の強敵との対戦に弾みをつけたいところだ。
牡3歳
調教師:堀宣行(美浦)

札幌2歳S3着、青葉賞2着と、世代トップクラスの馬たちと互角に渡り合ってきた。前走・日本ダービーこそ9着に敗れたが、それまでの6戦全てで4着以内に入った安定型。武器のスタミナで初の重賞タイトルを奪取する。
14番人気で9着だった前走の日本ダービー。1番人気クロワデュノールを好位の外でマークする強気の運びを見せ、最後は苦しくなったものの十分に見せ場を作った。騎乗した佐々木大輔騎手は「耳栓をして音を遮断したことで落ち着いてレースに臨むことができました。最後は外を回った分、脚が上がってしまいました」と振り返った。クビ差の2着だった前々走の青葉賞がハイレベルで、勝ち馬エネルジコは好メンバーのそろった先週の新潟記念で2着。さらに、3着、4着、5着、6着、8着、10着、11着馬も次走で勝利を収めている。芝2200メートルの距離は、3走前のすみれS(リステッド・阪神、3着)で経験済み。世代上位のポテンシャルを改めて証明したい一戦だ。
牡3歳
調教師:大竹正博(美浦)

前走の1勝クラス・稲城特別(東京・芝2400メートル)を5馬身差で快勝。今回と同じ中山・芝2200メートルの未勝利でも3馬身差Vと、2勝の勝ちっぷりはともに鮮やかだった。青葉賞4着で重賞へのめども立てている。
1番人気で勝利した前走の1勝クラス・稲城特別。初の年長馬相手のレースだったが、難なく好位を追走し、メンバー中最速の上がり3ハロン34秒0(推定)の末脚で後続に5馬身差をつけた。2分24秒3の勝ち時計は、4着だった前々走の青葉賞の勝ち時計(エネルジコ・2分24秒8)を上回った。入念なゲート練習により、課題だったスタートの改善が見られたのも収穫だっただろう。その後は放牧へ出されてリフレッシュ。美浦Wコースの1週前追い切りでは3頭併せで負荷をかけられ、状態面は上向きのようだ。前走勝利の勢いのままに初タイトル奪取を目指す。
牡3歳
調教師:堀宣行(美浦)

6月の未勝利(東京・芝1800メートル)から破竹の3連勝。その全てがスピードを生かした逃げ切り勝ちで、危なげのない内容で後続を突き放した。開幕序盤の芝コンディションも合いそうなタイプ。夏の上がり馬に注目だ。
東京の未勝利では4馬身差Vを決め、夏は北海道で連戦。1勝クラス・湯浜特別(函館・芝1800メートル)、2勝クラス・藻岩山特別(札幌・芝2000メートル)をともに力強く逃げ切った。特に湯浜特別は、ラジオNIKKEI賞で3着に好走した実力馬インパクトシー(2着)を5馬身突き離す圧勝劇。キャリア5戦5連対の安定型だが、逃げの戦法を確立してからの3連勝には目を見張るものがある。半兄のサクラトゥジュール(父ネオユニヴァース)は2024年東京新聞杯、2025年京都金杯とマイル重賞を2勝しているが、本馬はデビュー戦(中京、2着)で芝2200メートルを経験しており、距離延長への不安は少ない。自分のリズムを刻むことができれば簡単には止まらない。
牡3歳
調教師:伊藤圭三(美浦)

重賞初挑戦だった前走・ラジオNIKKEI賞は、最後方から鋭く伸びて勝ち馬から0秒3差の4着。それまでにない形で善戦できたのは地力強化の証だろう。距離延長は鍵だが、ここでも上位のポテンシャルを秘めている。
6番人気だった前走・ラジオNIKKEI賞は、スタート直後の行き脚がつかず、道中は馬群からやや離れた最後方を追走する形に。それでも、外に進路を取った直線ではメンバー中最速の上がり3ハロン34秒4(推定)の末脚で追い上げ、勝ち馬と0秒3差の4着に健闘した。騎乗した田辺裕信騎手は「流れに乗って差す形が理想でしたけど、最後は前をのみこむぐらいの反応を見せてくれました。惜しかったです」と残念がった。1月の1勝クラス(中山・芝2000メートル)では、フラワーC3着のゴーソーファー、ギヨームドルナノ賞(G2・フランス)を制して凱旋門賞(G1・フランス)に挑戦予定のアロヒアリイに続く3着と好走。強敵相手の経験値はここで武器になるはずだ。
牡3歳
調教師:鹿戸雄一(美浦)

中山・芝2200メートルは、未勝利と1勝クラス・山吹賞で2戦2勝。ともに後続との力差を感じさせる完勝劇だった。父レイデオロ、母の父ハービンジャーというスタミナ型の配合。タフな展開になれば、そのしぶとさが生きてくる。
単勝オッズ1.4倍の1番人気に支持された前走の2勝クラス・町田特別(東京・芝2400メートル)は2着。好位で器用な運びを見せたが、本馬を目標にしたヤマニンブークリエ(1着)に内をすくわれる形で敗れた。それでも、ここで再戦する勝ち馬よりも2キログラム重いハンデを背負っての0秒3差で、初対戦の年長馬に先着したことを踏まえれば、力は示したと言えるだろう。スッと好位置につけて折り合えるセンスの良さが、キャリア5戦オール連対の安定感につながっている。激しい流れになる年もあるセントライト記念では、その器用さとスタミナがプラスに働きそうだ。陣営は休養中の馬体の成長もアピールしており、強敵相手でも臆するところはない。
牡3歳
調教師:上村洋行(栗東)

メイクデビュー中京(芝2000メートル)、すみれS(リステッド・阪神・芝2200メートル)を鮮やかに連勝。一気に相手が強化された皐月賞で14着に敗れた後は休養に入った。ここは仕切り直しの一戦になる。
10番人気で挑んだ前走の皐月賞は、重賞初出走ながら果敢に好位を追走。上位争いに加わることはできなかったが、世代トップクラスの馬たちに正攻法で挑んだ経験は大きな財産となるはずだ。騎乗した岩田望来騎手は「馬の後ろで我慢して上手に競馬をしてくれました。(現時点では)一線級の相手では物足りなかったかもしれません。出直したいです」と前を向いた。前々走のすみれS(リステッド)は、先手を奪うとマイペースで運んで逃げ切り勝ち。3着は今回のライバルとなるファイアンクランツだった。皐月賞以来の実戦となるが、進化した姿を披露したいところだろう。
牡3歳
調教師:松永幹夫(栗東)

格上挑戦だった前走の2勝クラス・町田特別(東京・芝2400メートル)で、メイクデビュー京都(芝1800メートル)以来の2勝目をゲット。ラストまでしぶとく粘り切った点に成長の跡を感じた。そのパワフルな走りに注目だ。
2番人気に支持された前走の2勝クラス・町田特別。52キログラムの軽ハンデだったとはいえ、好位からメンバー中最速の上がり3ハロン34秒8(推定)を繰り出した内容は文句なしだろう。勝ち馬と0秒5差の8着だった前々走の青葉賞に続く東京・芝2400メートルで、能力をアピールした。振り返れば、2戦目の1勝クラス・黄菊賞(京都・芝2000メートル)では、のちに皐月賞を優勝したミュージアムマイルに次ぐ2着と、戦ってきた相手は骨っぽい。3日の1週前追い切りは、栗東CWコースで3勝クラスの僚馬に併入。以前より反応が良くなった印象も受ける。デビュー時の馬体重が518キログラムという大型馬。3歳秋での本格化が楽しみだ。
(高木 翔平)
ご注意 「今週の注目レース」ページの情報は、特別レース登録馬や過去のレース結果に基づいて制作しております。JRAが特定の競走馬を応援、推奨するものではありません。出走取りやめ、出走取消などにより、掲載した競走馬がレースに出走しないことがあります。