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牝3歳
調教師:杉山晴紀(栗東)
メイクデビュー京都(芝1600メートル)、フェアリーSを連勝した素質馬。1番人気だった桜花賞(5着)、距離不安のあった前走・オークス(10着)では結果を残せなかったが、重賞勝ちのある中山に戻って本領を発揮する。
5番人気で挑んだ前走のオークス。大外8枠18番からじわっと加速してハナを切り、リズム良く運べていたように見えた。差し馬たちが一気に脚を伸ばした直線で粘り切ることはできなかったが、自分のスタイルは貫いた。騎乗した戸崎圭太騎手は「この馬の持ち味を出すことはできました。リラックスしてフワリと走っていたけど、最後は伸び切れなかったです」と振り返った。牝馬の春二冠でハナを突き進んだスピードは間違いなく世代トップクラス。速い時計で決着することが多く、先行馬が活躍しやすい中山開幕日の芝コンディションに加え、3戦2勝のマイル戦も歓迎。簡単には止まらない。
牡5歳
調教師:菊沢隆徳(美浦)
3走前に中山マイルのダービー卿チャレンジTで2着。近2戦もコースレコード決着のエプソムCで5着、オープン特別・巴賞(函館・芝1800メートル)も器用な運びで2着と安定している。初の重賞タイトル獲得の可能性は十分だ。
1番人気に支持された前走のオープン特別・巴賞。好位直後で器用に流れに乗り、最後までしぶとく脚を伸ばした。先に抜け出したケイアイセナにはわずかクビ差だけ及ばず2着だったが、後続には3馬身1/2差。そのケイアイセナが次戦の札幌記念で小差の4着に善戦した点も見逃せない。コースレコードに0秒1差の1分44秒9で走り切ったのも、開幕初日に開催される本レースへの自信となるだろう。春は同舞台のダービー卿チャレンジTで2着に好走。勝ち馬トロヴァトーレとは0秒1差で、下した3着キープカルムはその後にしらさぎ賞を快勝している。この中間は昨夏以上の好ムード。これまで〔2・2・2・1〕と得意の中山マイルなら、楽しみは大きい。
牡3歳
調教師:奥村武(美浦)
3走前の共同通信杯で強敵マスカレードボールから0秒1差の2着に入り、地力の高さを証明。距離不安のあった皐月賞(10着)、日本ダービー(12着)では結果を出せなかったが、今回は1戦1勝のマイル戦。一変の走りを見せる。
12着に敗れた前走の日本ダービー。中団後方からチャンスをうかがい続けたが、直線で上位に迫ることはできなかった。騎乗した池添謙一騎手は「ハミが抜けてリズム良く走ることはできましたが、3、4コーナーで動き切ることができず、直線では余力が残っていませんでした。非力さが抜けてくれば良くなってくると思います」と説明した。1800メートル以下なら5戦2勝、2着1回、3着2回と安定。今回と同じマイル戦だった1勝クラス・こうやまき賞(中京)では、鋭い脚を使って勝ち切っている。1週前追い切りでは美浦Wコースでスッと反応し、併走馬に先着。馬がグッと成長する3歳夏を経て、心身の進化を証明したい一戦だ。
牝6歳
調教師:福永祐一(栗東)
昨年のCBC賞を優勝し、今春は高松宮記念(8着)にも出走。スプリンターのイメージが強いが、芝1600メートルでも昨年の六甲S(リステッド・阪神)を含め2戦して3着2回と崩れていない。距離延長でも軽視はできない。
3番人気で挑んだ前走・CBC賞は、勝ち馬から0秒2差の4着。同レース2連覇とはならなかったが、メンバー中最速の上がり3ハロン32秒3(推定)の末脚は見どころがあった。騎乗した松若風馬騎手は「ゲートの出は悪くなかったのですが、あまり進む気がないような走りでした。ペースが流れていればもう少し際どいところまで差してこられたと思います」と振り返った。前走は4コーナーを16番手で回り、2走前・北九州記念(6着)は15番手で通過。少し流れに乗りにくくなっているのか、今回はマイルに距離を延ばしてきた。430キログラム前後の小柄な牝馬だけに、開幕日の芝コンディションもマッチしそうだ。
牡7歳
調教師:戸田博文(美浦)
昨年の京成杯オータムH(2着)を含め、中山マイル重賞で3連対と抜群の相性を誇る。14番人気だった前走・中山記念でも4着に善戦したように、7歳を迎えても実にエネルギッシュだ。2年連続の好走を期待したい。
昨年の京成杯オータムHは14番人気での2着好走。4コーナーを14番手で回り、直線では目を見張る伸びを見せた。切れ味自慢の実力馬アスコリピチェーノ(1着)を上回る、メンバー中最速の上がり3ハロン32秒4(推定)をマークした。4着に善戦した前走・中山記念も悪くなかったが、その後は脚部不安のため休養へ。順調な回復を見せ、力強かった美浦Wコースでの1週前追い切りを見れば、状態面への不安はなさそうだ。桜花賞馬の母キストゥヘヴンは2008年の京成杯オータムHを優勝しており、ここは母仔制覇に挑む一戦。武器の末脚をスムーズに伸ばすことができれば、重賞2勝目に手が届くかもしれない。
牡4歳
調教師:友道康夫(栗東)
母が2016年秋華賞Vなど国内外で活躍したヴィブロスという良血馬。本馬は昨年のきさらぎ賞で3着と早くから頭角を現し、前走・関屋記念(5着)も勝ち馬とは0秒2差だった。重賞勝ちの資質は十分に備えている。
4番人気だった前走・関屋記念は、ハイペースの展開を好位で追いかけた。レースは1分31秒0のコースレコードで決着し、1着から4着を後方で脚をためた馬たちが独占。先行勢にはかなり苦しい展開となったなか、1着カナテープと0秒2差の5着なら上々の内容だった。騎乗した内田博幸騎手は「折り合いもついて最後まで頑張ってくれているけど、切れ味で負けた感じ。先行力が生きるレースになればチャンスはあると思います」と、展開に敗因を求めた。脚質的にも、直線の長い新潟から中山に替わるのは歓迎材料。名牝の母ヴィブロスから受け継ぐ確かな才能で、初の重賞タイトルを狙う。
牡6歳
調教師:上原博之(美浦)
昨年春はダービー卿チャレンジT4着、エプソムC2着と強敵を相手に善戦。長期休養明け2戦目だった前走の関屋記念(6着)では型通りの良化を見せていた。本来の走りを取り戻していれば、上位争いも十分に可能だ。
12番人気で6着に敗れた前走・関屋記念。締まったラップを好位で追走し、最後までよく頑張った。ここで再戦するシヴァース(5着)同様、苦しい展開で粘った点は評価が必要だ。騎乗した大野拓弥騎手は「スタートを決めていいポジションで運ぶことはできました。これだけ時計が速い決着の中で頑張ってくれました。できればもう少し時計がかかってほしかったですね」と悔しそうだった。初参戦だった新潟での切れ味比べは分が悪かったが、中山のマイル戦では過去に2勝をマーク。特に2着馬を5馬身離した昨年2月の3勝クラス・幕張Sが素晴らしい内容だった。前走時536キログラムの大型馬だけに、休み明け3戦目での上昇も期待できる。
牡5歳
調教師:戸田博文(美浦)
3走前の3勝クラス・あけぼのSを含む全4勝が中山・芝1600メートルという舞台巧者。前走・関屋記念は13着に敗れたが、2走前のしらさぎSで4着と、重賞通用の能力を示している。待ちに待った絶好条件での重賞。楽しみは大きい。
9番人気で挑んだ前走の関屋記念。2走前・しらさぎS(4着)に続く重賞参戦となったが、ややスムーズさを欠くような内容で13着に敗れた。騎乗した吉田豊騎手は「馬群で我慢をさせるような競馬をしたかったのですが、大外枠から外々を回る形になってしまいました」と敗因を口にした。中山・芝1600メートルでは6戦4勝、3着1回と抜群の相性。3着以内を外したのは良化前だったデビュー戦(4着)だけだ。父はGⅡ、GⅢで計5勝を挙げたヤマカツエース。本馬は条件クラスで着実に力をたくわえ、ようやく重賞タイトルが視界に入ってきた。強敵たちに一矢報いる準備はできている。
(高木 翔平)
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