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牡3歳
調教師:高柳瑞樹(美浦)
3戦3勝と底を見せていない戦績が評価できるうえ、重賞初制覇となった前走の青葉賞がほとんど直線だけの競馬だったように、決め手も非凡。他世代との初対戦になるここでも、素質は優に通用するはずだ。
3勝いずれもメンバー中最速の上がり3ハロンタイム(推定)をマーク。スタートに不安を抱え、直線で何度も手前を替えるように走りにも若さを残すが、それでいてダービートライアルの青葉賞を勝つあたりが類まれな才能の表れと言えるだろう。その青葉賞は、4コーナー過ぎでほとんど最後方という位置取りから直線だけで前の各馬を差し切る圧巻の内容。鮮やかな見た目もさることながら、3着、4着、5着、6着、8着、10着、11着馬が次走で勝っているように、対戦相手も極めてレベルが高いものだった。出走態勢が整わず日本ダービーは不出走。その悔しさをここへぶつけ、秋の飛躍を誓う。
牝4歳
調教師:中内田充正(栗東)
昨年はクイーンC、ローズSと重賞を2勝。今年は金鯱賞を制して前走のヴィクトリアマイルではクビ差の2着と、パワーアップがうかがえる。重賞2勝の2000メートルなら、今回も首位争いが濃厚だ。
牝馬三冠こそ8着、4着、15着と結果を残せなかったが、ともに末脚一閃で決めたクイーンCとローズSの勝ち方から、世代屈指の実力牝馬であることは衆目の一致するところ。その本馬がさらなる進化を遂げたのが前々走の金鯱賞だ。大逃げ馬がハイペースで飛ばすなか、離れた2番手にいた前年の天皇賞(秋)3着馬ホウオウビスケッツを目標に正攻法の競馬。最後はそのホウオウビスケッツをハナ差捕らえたところがゴールで、見事、金鯱賞のGⅡ昇格後は初となる牝馬での勝利をもぎ取った。続くヴィクトリアマイルは同期のGⅠ馬アスコリピチェーノとクビ差の2着。念願のGⅠ制覇へ向け、ここは弾みをつけたい一戦になる。
牝5歳
調教師:宮田敬介(美浦)
2023年のエリザベス女王杯の勝ち馬。約11か月ぶりとなった昨年の府中牝馬Sで豪快な直線一気の差し切り勝ちを決めると、マイルチャンピオンシップでは4着に入った。前走の安田記念も差のない4着。GⅢなら当然の上位候補だ。
3歳時は2勝クラスの身でローズSに挑戦。ここで2着に入ると、次走は優先出走権を得た秋華賞ではなく、エリザベス女王杯を選択した。結果は一気の相手強化をものともせず、好位から抜け出して優勝。初めてのオープンクラス勝ちがGⅠという離れ業をやってのけた。これだけでも驚きだが、さらに衝撃だったのが昨年の府中牝馬S。前記エリザベス女王杯後に休養に入り、約11か月ぶりの実戦だったにもかかわらず、上がり3ハロン32秒8(推定)という強烈な決め手を発揮しての追い込み勝ちだった。その後は勝利に手が届いていないが、前走の安田記念は勝ち馬から0秒3差の4着。改めての中距離戦で真価発揮となるか、楽しみは大きい。
牝5歳
調教師:牧浦充徳(栗東)
前々走の中山牝馬Sで重賞初制覇。前走のヴィクトリアマイルではアスコリピチェーノ、クイーンズウォークと同タイムの3着に好走した。昨年夏からの急成長は目覚ましいものがあり、良績がある2000メートルで強敵撃破に挑む。
1勝クラスの身で紫苑S3着の好走歴があるように、3歳時から素質の片りんを示していたが、本格化を迎えたのは4歳になってから。休養を挟みながら2勝クラス・猪苗代特別(福島・芝2000メートル)、3勝クラス・魚沼S(新潟・芝2000メートル)、中山牝馬Sと3連勝を達成した。前走のヴィクトリアマイルは、初めてのマイル戦に戸惑ったのか後方のポジションだったが、そこでいたずらに動かず脚をためて直線へ。ラスト400メートルで馬群を縫うように一気に伸び、3着に入った。上がり3ハロン33秒2(推定)はメンバー中最速で、充実ぶりを示すには十分な力走だった。2000メートルでは3着、1着、2着、1着、1着。条件好転で重賞2勝目を狙う。
牝5歳
調教師:竹内正洋(美浦)
昨年の新潟記念の勝ち馬。続くエリザベス女王杯でも4着と健闘した。その後は連対こそないが、前走のヴィクトリアマイルでは能力の高さを再認識させる0秒2差6着。連覇の可能性は十分にある。
昨年の新潟記念は快速アリスヴェリテ(10着)が後続を離す逃げを打って直線へ。本馬は2番手から手応え良く追走し、残り400メートルを切ってから満を持して追い出した。差し・追い込み勢の目標になる格好も、最後はセレシオンの追撃をハナ差残したところがゴール。鞍上の木幡初也騎手、管理する竹内正洋調教師にとってもこれが嬉しい重賞初制覇となった。昨年はハンデ戦での54キログラムを背負ったが、今回は別定重量の56キログラム。この点はポイントになりそうだが、牡馬相手での56キログラムはこれまでに背負ったことがある斤量。自身の能力発揮に問題はないはずだ。
牡5歳
調教師:畠山吉宏(美浦)
今年の七夕賞の優勝馬。ここまで掲示板(5着以内)を外したことがなく、5歳ながらまだキャリア9戦で、成長の余地も大きそうだ。新潟は今回が初めてだが、目下の勢いなら重賞連勝があっても不思議はない。
七夕賞の逃げ切りで一気に注目を集めたが、崩れのない成績が示すように、これからまだまだ強くなる可能性を秘めている。3勝クラス在籍時にはリフレーミング、アドマイヤマツリなど、その後に重賞を勝つ馬たちと互角に走れていた。前走の七夕賞は、前半を速いラップで入り、中盤で息を整えて後半で再度スピードアップするという巧みな逃げ。能力の高さはもちろんのこと、鞍上の指示にしっかりと反応できるコントロールの良さも強みと言えそうだ。あの競馬ができるのなら、鋭さが要求される新潟外回りコースでも力を出し切れるイメージが湧く。展開面でも要注目の一頭だ。
牡4歳
調教師:須貝尚介(栗東)
今年の函館記念の勝ち馬。その函館記念ではサッカーボーイのコースレコードを37年ぶりに更新し、一躍耳目を集めた。前走の札幌記念は5着だったが、直線では目立つ追い上げを見せていた。ここは巻き返しを期す一戦になる。
コースレコードの更新に目が行きがちな今年の函館記念だが、勝った本馬のレースぶりもまた目を見張るものがあった。好タイム、好ラップが続出した今年の函館の芝とはいえ、レースの前半1000メートル通過タイム58秒1はなかなかに厳しいペース。そのなかで早めにまくって直線入り口ではもう先頭に立つ勢い。ラスト1ハロン11秒6のラップも優秀で、余裕を感じられる快勝だった。それだけに、前走の札幌記念(5着)が物足りなく思えてしまうが、最後方から長くいい脚を使って差を詰めていた。意欲の中1週で見直しが必要だろう。
牡5歳
調教師:宮徹(栗東)
前走の小倉記念はオープンクラス入り初戦、2023年きさらぎ賞(6着)以来の重賞挑戦という状況下で2着に好走した。追って確実に脚が使えるタイプゆえに、新潟の外回りコースは合いそう。前走以上の走りが期待される。
3勝クラスでの2着が7回。もうひと押しが課題だった馬だが、2走前の3勝クラス・垂水S(阪神・芝2000メートル)を勝って待望のオープンクラス入り。開催初日の良好な馬場コンディションでマークした1分58秒6という時計も立派だった。逆に前走の小倉記念(2着)は開催最終日で、少し時計を要す馬場コンディション。垂水Sとは異なる馬場でも結果を出したように、ひとつ殻を破ったことは明らかだ。晩成傾向で知られるハーツクライ産駒なら、まだまだ良くなりそう。別定戦のここでも上位争いが可能だろう。
(山下 健)
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