今週の注目レース

新潟ジャンプステークス(J・GⅢ)

新潟競馬場 3250メートル(芝・外→内)別定 3歳以上障害オープン

出走馬情報

写真をクリックすると、詳細がご覧いただけます。また、詳細の馬名をクリックすると、競走馬情報がご覧いただけます。

インプレス

牡6歳

調教師:佐々木晶三(栗東)

  • 父:キズナ
  • 母:ベアトリスⅡ
  • 母の父:Dr Fong
ここに注目!

昨年秋の新潟で障害初勝利を挙げ、障害オープン2勝ののち、オープン特別・ペガサスジャンプS(中山・芝3350メートル)まで4連勝。中山グランドジャンプ(J・GⅠ・芝4260メートル)でも3着に入るなど急成長を遂げた。J・GⅢのここは重賞初制覇の絶好機となる。

当地での障害初勝利(2024年10月5日の障害未勝利・芝2850メートル)は2着馬に7馬身差の圧勝。3分04秒6の勝ち時計は2024年に行われた同距離のレースのなかで2番目に速く、まさに才能が開花した一戦だったと言えよう。4連勝目となった2走前のオープン特別・ペガサスジャンプS(1着)で初の中山も難なくこなして勇躍、中山グランドジャンプ(J・GⅠ)へ。結果、勝ち馬のロングスパートに対応しきれなかったが、離されたなかでもしぶとく脚を伸ばしての3着は、能力の高さを印象づけるに十分な力走だった。今回は障害で2戦2勝の新潟。年末の大一番を狙うためにも、重賞初制覇で弾みをつけたいところだろう。管理する佐々木晶三調教師は、JRA全10場重賞制覇の記録がかかる。

サイード

せん6歳

調教師:角田晃一(栗東)

  • 父:キズナ
  • 母:セレブラール
  • 母の父:ボストンハーバー
ここに注目!

新潟の障害オープンで2勝を挙げているように、以前は置き障害巧者のイメージだったが、ここ2戦は固定障害コースの小倉と東京の重賞で連続好走。充実ぶりが目覚ましい。今回も好勝負になりそうだ。

昨年の新潟ジャンプS(J・GⅢ・芝3250メートル)は10着だったが、その後は障害オープン(新潟・芝3250メートル)1着、オープン特別・秋陽ジャンプS(東京・芝3110メートル)2着、オープン特別・牛若丸ジャンプS(中京・芝3300メートル)1着、小倉ジャンプS(J・GⅢ・芝3390メートル)2着、東京ジャンプS(J・GⅢ・芝3110メートル)2着と、舞台を問わぬ走りで5戦オール連対。障害馬として完成期を迎えつつあるようだ。とりわけ強調できるのがここ2戦。小倉ジャンプSでは実力馬スマイルスルーに1/2馬身差、東京ジャンプSではジューンベロシティ(同レース3連覇を含む障害重賞5勝の強豪)に迫る走りを見せ、地力強化は明らか。もともと新潟の障害は5戦4連対の得意コース。1年を経てのリベンジなるか、注目したい。

ヒートオンビート

せん8歳

調教師:青木孝文(美浦)

  • 父:キングカメハメハ
  • 母:マルセリーナ
  • 母の父:ディープインパクト
ここに注目!

2023年の目黒記念を制した平地重賞勝ち馬。障害入り初戦はクビ差の辛勝、2戦目では落馬・競走中止となったが、前走は完勝と言える内容で障害2勝目を挙げた。脚力を生かすには置き障害コースのほうが合っている印象。障害でも重賞制覇なるか、注目したい。

前々走が競走中止だったこともあり、前走の障害オープン(新潟・芝3290メートル)は真価を問われる一戦だったが、2周目から徐々にポジションを上げて、最後の直線へ向かうところでは勝負ありと思える手応え。ゴール前はその手応え通りの伸びで、着差の印象以上に強い勝ち方を見せた。置き障害のコースで平地GⅡ勝ちの脚力を存分に生かせた面がある一方で、飛越後の着地が各段に上達していた。騎乗した石神深一騎手も「いい意味での子供っぽさがありますので、そのあたりが良くなってくれば上を目指せる馬だと思います」と、伸びしろに期待している様子。障害での重賞制覇も見えてきた。

ホッコーメヴィウス

せん9歳

調教師:清水久詞(栗東)

  • 父:ダイワメジャー
  • 母:ホッコーメモリー
  • 母の父:ダンシングブレーヴ
ここに注目!

2022年、2024年の新潟ジャンプSの勝ち馬。障害重賞計4勝という実力馬だ。前走の東京ジャンプS(J・GⅢ・芝3110メートル)が落馬・競走中止では強調しづらいが、巻き返しがあっても不思議はない。

2022年は東京ジャンプS(J・GⅢ・芝3110メートル)2着、新潟ジャンプS(J・GⅢ・芝3250メートル)1着、阪神ジャンプS(J・GⅢ・中京・芝3300メートル)1着、東京ハイジャンプ(J・GⅡ・芝3110メートル)2着、京都ジャンプS(J・GⅢ・阪神・芝3140メートル)1着と、年間5戦連続重賞連対の離れ業をやってのけた。久しぶりの重賞制覇となった昨年の新潟ジャンプS(J・GⅢ)は、この馬らしい正攻法の逃げを打ち、最後までレースをコントロールしての押し切り勝ち。行き切ればしぶといことを改めて示す結果だった。近走は休養を挟みつつのローテだが、1週前追い切りでは栗東CWコースで80秒を切る時計をマーク。衰えは感じられず、連覇へ向けて十分な態勢が整っている。

フェーレンベルク

牡5歳

調教師:千葉直人(美浦)

  • 父:エイシンフラッシュ
  • 母:エクラミレネール
  • 母の父:マツリダゴッホ
ここに注目!

2走前のオープン特別・中山新春ジャンプS(中山・芝からダート3200メートル)でオープンクラス初勝利を挙げると、前走のオープン特別・ペガサスジャンプS(中山・芝3350メートル)ではインプレスと1/2馬身差の2着に好走。急速に力をつけている。

オープン特別・中山新春ジャンプSは、中山で行われる障害オープンクラスでは数少ない、直線がダートで行われるレース。持久力が要求されるなかで本馬は早めに逃げ馬へプレッシャーをかける競馬を敢行し、直線ではもうひと脚を使っての1着だった。続くオープン特別・ペガサスジャンプSでもスタミナは遺憾なく発揮され、外回りの向正面で早めに動くと、最終障害では先頭に立とうかという勢い。先に抜けたインプレスには0秒1差及ばなかったものの、そのインプレスが次走の中山グランドジャンプ(J・GⅠ)で3着なら、本馬も実力が重賞レベルであるとみていいだろう。我慢比べの競馬になれば、浮上の余地は十分にある。

アサクサゲンキ

せん10歳

調教師:四位洋文(栗東)

  • 父:Stormy Atlantic
  • 母:Amelia
  • 母の父:Dixieland Band
ここに注目!

小倉2歳Sと小倉サマージャンプ(2021年、2022年の2度)で平地・障害双方の重賞を小倉で勝っているという個性派。活躍は小倉だけにとどまらず、新潟ジャンプSでも過去5着、4着の成績を残している。10歳馬でも侮れない。

平地の全2勝と、障害での6勝中4勝が小倉という生粋の小倉巧者だが、年齢を重ねるごとに終いの脚を残せるようになり、コースを問わない活躍を見せている。それが実際に結果として出たのが、昨年のオープン特別・イルミネーションジャンプS(中山・芝3570メートル)だ。好位でなだめるほどの行きっぷりを見せ、最後まで手応え十分。最後は後続を3馬身1/2離しての快勝だった。当時2着のネビーイームはその後の中山大障害で3着、今年の中山グランドジャンプで2着とJ・GⅠで連続好走。決して相手が楽だったわけではなく、高齢でも進化を遂げているようだ。その本馬が障害初勝利を挙げたのが新潟。熟練の走りで再度の重賞勝ちを目指す。

マイネルエール

せん6歳

調教師:蛯名利弘(美浦)

  • 父:スクリーンヒーロー
  • 母:マイネヒメル
  • 母の父:ロージズインメイ
ここに注目!

障害入り後は5着、2着、1着、2着、1着。大崩れのない戦績が評価できるうえ、前走は大逃げからの鮮やかな押し切り勝ちだった。あのパフォーマンスなら重賞でも通用していいはず。展開面の鍵を握る一頭でもある。

8頭立てという手ごろな頭数だったことに加え、傑出馬不在という側面があったにしても、前走の障害オープン(中京・芝3300メートル)は、なかなか見られない勝ち方だった。レース前半からグングン後続を引き離して大きなリードを保ったまま直線へ、ラストの連続障害での飛越も危なげなく、結果クビ差まで詰め寄られたとはいえ、しぶとく押し切った。騎乗した大江原圭騎手は「デキに関しては七分くらいでしたが、もともと競馬に行くと気持ちで走るタイプですし、メンバー的にもそれくらいはね返して勝ってほしいという気持ちでした」と、本馬の能力の高さを評価している。今回が文字通り試金石の一戦となりそうだ。

スコラーリ

牡6歳

調教師:萩原清(美浦)

  • 父:トゥザワールド
  • 母:ヒカリヴィグラス
  • 母の父:サウスヴィグラス
ここに注目!

前走が圧巻の逃げ切り。コントロールの難しい面は見せていたようだが、2着馬を1秒9も離しての障害デビュー勝ちは、脚力とセンスの賜物と言えよう。一気の相手強化になるが、新星誕生の可能性も十分にある。

操縦性の難しさが出たとはいえ、前走の勝ち時計3分10秒4は、同じく稍重馬場で行われた前週の障害オープンを0秒9上回る優秀なものだった。今回手綱を取る上野翔騎手は「調教で跨って、あの圧勝もうなずけるだけの能力の高さを感じました。まだ実戦は経験していませんが、固定障害でもやれそうなくらい飛越のセンスもいいです。レースぶりからコントロールの難しさはあると思いますが、他馬を気にせず、この馬の走りに徹したほうが力を発揮できると感じます。一気に相手が強くなりますが、今後も含めて楽しみになるレースをしてほしいですね」と、期待を口にしていた。

(山下 健)

ご注意 「今週の注目レース」ページの情報は、特別レース登録馬や過去のレース結果に基づいて制作しております。JRAが特定の競走馬を応援、推奨するものではありません。出走取りやめ、出走取消などにより、掲載した競走馬がレースに出走しないことがあります。

ページトップへ戻る
表示モード: