今週の注目レース

函館2歳ステークス(GⅢ)

函館競馬場 1200メートル(芝)馬齢 2歳オープン

出走馬情報

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ブラックチャリス

牝2歳

調教師:武幸四郎(栗東)

  • 父:キタサンブラック
  • 母:ゴールドチャリス
  • 母の父:トゥザワールド
ここに注目!

メイクデビュー函館(芝1200メートル)は、初の実戦でも3番手で落ち着いた走りを披露。前週にマークされた2歳コースレコードを0秒2更新する1分08秒2のタイムは秀逸だった。小柄な牝馬だが、非凡な瞬発力を備えている。

3番人気で迎えた前走のメイクデビュー函館。速いラップで先行する前2頭とは対照的に、好位のインで落ち着いて追走する姿が印象的だった。直線で促されると、俊敏に反応。逃げ粘るトウカイマシェリを悠々と3馬身突き放してゴールした。2歳コースレコードのタイム、内容ともに文句の言いようがない快勝だった。騎乗した浜中俊騎手は「お母さん(ゴールドチャリス)にも乗っていたけど、姿形や走り方が似ています。実戦に行っていいだろうなと思っていたけど、強いレースでしたね」と、そのポテンシャルを称賛した。現時点の完成度ならメンバー中随一。堂々と中心を担える好素材だ。

エスカレイト

牝2歳

調教師:小栗実(栗東)

  • 父:ロードカナロア
  • 母:フライングティパット
  • 母の父:Tapit
ここに注目!

メイクデビュー函館(芝1200メートル)はメンバー最軽量となる斤量51キログラムでの勝利だったが、力むことなく運べたのは収穫。ロードカナロア産駒らしい短距離適性を証明した。2戦目での上積みがありそうなタイプだ。

3番人気だった前走のメイクデビュー函館。外寄りの枠(8枠11番)から出遅れて後ろのポジションとなったが、その後は見事なリカバリーを見せた。外をスムーズに押し上げて3番手につけると、直線もスッと反応。自分の形で運んでいた逃げ馬をきっちりと捕らえた。騎乗した小林美駒騎手は「人気馬を見ながら手応えよく回ってくることができました」と、納得の表情で振り返った。前走出走時が436キログラムと小柄な牝馬だが、滞在競馬なら大きく馬体を減らすことはなさそう。むしろ、気性的におとなしい面があるとのことなので、実戦を使われたことで精神面の上積みが期待できる。前走時から4キログラムの重量増は鍵になるだろう。

カイショー

牝2歳

調教師:長谷川浩大(栗東)

  • 父:スワーヴリチャード
  • 母:アルモニカ
  • 母の父:ロードカナロア
ここに注目!

今年最初の函館の新馬戦(芝1000メートル)を勝利。序盤から先手争いが厳しかったが、終始楽な手応えで道中をクリアした。単勝オッズ1.5倍の1番人気に応えた素質は確かで、200メートルの距離延長にも対応してみせる。

前走のメイクデビュー函館は、他馬が好スタートでリードしたが、スピードの違いでハナへ。楽な手応えで締まったラップを刻み、直線も余裕たっぷりで危なげなく2着馬を3馬身ちぎった。マークした56秒4のタイムは1979年ハギノトップレディの2歳コースレコードを更新。1997年にソロシンガーが記録した3歳以上のコースレコードも0秒6上回る異例の好タイムだった。騎乗した池添謙一騎手は「稽古通り走れば勝てると思っていました。いいリズムで運ぶことができたし、これからが楽しみな馬です」と高く評価した。2020年リンゴアメ以来となる、芝1000メートル戦Vからの戴冠を目指す。

クラディスティーナ

牡2歳

調教師:清水英克(美浦)

  • 父:パドトロワ
  • 母:クラウンデュナミス
  • 母の父:ダンディコマンド
ここに注目!

メイクデビュー函館(芝1200メートル)は重馬場でのV。道中は促されながらの追走となったが、直線の伸びは実にパワフルだった。水分を含んだ馬場状態になれば、大きく評価を上げたい一頭となる。

2番人気だった前走のメイクデビュー函館。一団で先行する3頭を見ながら4番手で運んだ。初めてのレースに戸惑っていたのか、鞍上が促しながらの追走だったが、直線ではしっかりスイッチオン。グイグイと前との差を詰めて好位勢をかわして、後続の追撃も封じた。騎乗した横山武史騎手は「能力はありそうだと感じていましたが、使って良くなるタイプだとも思っていました。初戦でこれだけの競馬をして差し切ったのはうれしい誤算です」とコメント。2戦目でさらにパフォーマンスを上げてくる可能性は高そうだ。父のパドトロワは今回と同舞台の2013年函館スプリントSを含む短距離重賞3勝。父の得意舞台で初タイトルゲットといきたい。

タガノアラリア

牡2歳

調教師:西園翔太(栗東)

  • 父:ミスターメロディ
  • 母:エイシンジルコン
  • 母の父:ディープインパクト
ここに注目!

クラディスティーナが勝利したメイクデビュー函館(芝1200メートル、4着)では追走に苦労したが、同舞台の未勝利はレース運びが良化して快勝。ゲートを含めて若さを残すも、3戦目での伸びしろに期待したい。

1番人気で4着に敗れたメイクデビュー函館。追走に戸惑ったのは重馬場の影響もあったか。それでも、4コーナーでは12頭立ての8番手という苦しい位置取りから、直線でしぶとい追い上げを見せた。2戦目の未勝利も稍重馬場ではあったが、道中の進みが改善。4コーナーでは3番手まで浮上し、早めに前を射程に捉えた。他の先行勢が失速するなか、追い込み勢の追撃を封じてゴール。2度目の実戦で着実な良化を示した。過去10年の函館2歳Sを見ると、2017年カシアス、2019年ビアンフェ、2021年ナムラリコリスの3頭が未勝利戦Vから優勝している。他の有力メンバーより経験値が豊富な点を武器に戦いたいところだ。

トウカイマシェリ

牝2歳

調教師:高柳大輔(栗東)

  • 父:ドレフォン
  • 母:トウカイミステリー
  • 母の父:キングカメハメハ
ここに注目!

メイクデビュー函館(芝1200メートル)は逃げてブラックチャリスの2着に敗れたが、同舞台の未勝利は好位に控える競馬でV。学習能力が高く、重馬場も力強くこなした。今夏3戦目でも疲れはなく、自身の力を出せる態勢だ。

母は2011年の北九州記念を優勝したトウカイミステリー。本馬はそのポテンシャルを買われ、デビュー2戦で1番人気に支持された好素材だ。メイクデビュー函館は2着に敗れたが、スピードを押し出した走りは見どころ十分。自身の1分08秒7の走破タイムは、過去10年の函館2歳Sの決着時計よりも速く、十分にVの資格はあると言えるだろう。2戦目の未勝利は、馬具を工夫した効果もあったか、スムーズな競馬で快勝。好位からセンスの良い形で運び、直線でしっかり末脚を使えた。この中間もいい意味で活気がある。スピード自慢の母同様、スプリント重賞で輝きを放つ。

マイオウンウェイ

牡2歳

調教師:高野友和(栗東)

  • 父:キズナ
  • 母:アウィルアウェイ
  • 母の父:ジャスタウェイ
ここに注目!

稍重馬場だったメイクデビュー阪神(芝1200メートル)は、よどみないラップで逃げ切り勝ち。2020年シルクロードS優勝の母アウィルアウェイから受け継ぐ才能をアピールした。そのスピードは初の函館でも武器になる。

3番人気で制したメイクデビュー阪神。内めの3枠3番から二の脚を使ってハナを奪うと、うまくペースを落とした逃げ。レースをコントロールしつつ、メンバー中2位タイとなる上がり3ハロン35秒3の脚で2着サトノボヤージュを1馬身1/2突き放した。騎乗した松山弘平騎手は「気難しいところがある馬ですが、落ち着いていました。追ってからも突き放してくれて強かったです」と、納得の口ぶりだった。父は2013年のダービー馬キズナ、母は同じ高野友和厩舎で管理されたアウィルアウェイ。前走では短距離色の強い母系がいい方向に出た印象だ。武器のスピードが生きる函館は、むしろ楽しみが大きい舞台と言えるだろう。

スターオブロンドン

牡2歳

調教師:矢作芳人(栗東)

  • 父:タワーオブロンドン
  • 母:ナイトオブスターズ
  • 母の父:Sea The Stars
ここに注目!

ダート1000メートルで行われたメイクデビュー函館を勝利しての参戦。陣営はデビュー前から“芝でも”との評価を与えており、初芝でも極端に評価を落とす必要はないだろう。初戦でもまれる競馬を経験したことも強みになる。

2番人気だった前走のメイクデビュー函館は、最内枠からダッシュがつかず、道中はインの4番手での競馬。初実戦で砂を被る形となったが、ひるむことなく勝負どころへ。うまくスペースを見つけると、鮮やかに勝ち切った。2着馬とはクビ差だったが、3着以下は7馬身以上離した。騎乗した古川奈穂騎手は「キックバックを気にせず、リズム良くいい雰囲気でした。最後まで一生懸命走ってくれました」と、相棒をねぎらった。一見、厳しく映るダート1000メートルからの参戦だが、2023年にはゼルトザームが同じローテーションで10番人気の函館2歳SをV。本馬も侮れない。

(高木 翔平)

ご注意 「今週の注目レース」ページの情報は、特別レース登録馬や過去のレース結果に基づいて制作しております。JRAが特定の競走馬を応援、推奨するものではありません。出走取りやめ、出走取消などにより、掲載した競走馬がレースに出走しないことがあります。

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