2024年のオークスでGⅠ初制覇を果たしたチェルヴィニアは、休養を挟んで臨んだ次走の秋華賞も制し、同年のJRA賞最優秀3歳牝馬に選出された。また、2023年のオークスを勝ったリバティアイランドは、同年の秋華賞も勝ち、史上7頭目となる牝馬三冠制覇を達成した。現3歳世代のチャンピオン牝馬を決める注目の一戦だ。今回は過去10年のレース結果から、好走馬に共通するポイントを分析してみたい。
過去10年の単勝人気別成績を見ると、3着以内馬30頭のうち19頭を3番人気以内の馬が占めている。一方、4番人気以下の馬は優勝例がなく、3着内率も低い水準にとどまっている。まずは上位人気馬に注目するべきだろう。〔表1〕
単勝人気 | 成績 | 勝率 | 連対率 | 3着内率 |
---|---|---|---|---|
1番人気 | 6-2-0-2 | 60.0% | 80.0% | 80.0% |
2番人気 | 1-3-3-3 | 10.0% | 40.0% | 70.0% |
3番人気 | 3-0-1-6 | 30.0% | 30.0% | 40.0% |
4番人気 | 0-1-1-8 | 0% | 10.0% | 20.0% |
5番人気 | 0-0-1-9 | 0% | 0% | 10.0% |
6〜10番人気 | 0-3-1-46 | 0% | 6.0% | 8.0% |
11番人気以下 | 0-1-3-73 | 0% | 1.3% | 5.2% |
過去10年の通算出走数別成績を見ると、3着内率が高いのはキャリア4戦、5戦の馬だった。今年も通算出走数をひと通りチェックしておいた方がよさそうだ。〔表2〕
通算出走数 | 成績 | 勝率 | 連対率 | 3着内率 |
---|---|---|---|---|
2戦 | 0-0-0-5 | 0% | 0% | 0% |
3戦 | 2-0-1-20 | 8.7% | 8.7% | 13.0% |
4戦 | 5-4-3-30 | 11.9% | 21.4% | 28.6% |
5戦 | 1-5-4-27 | 2.7% | 16.2% | 27.0% |
6戦 | 2-0-2-34 | 5.3% | 5.3% | 10.5% |
7戦 | 0-1-0-16 | 0% | 5.9% | 5.9% |
8戦以上 | 0-0-0-15 | 0% | 0% | 0% |
過去10年の枠番別成績を見ると、連対率と3着内率が最も高いのは1枠だった。ただし、2020年以降の過去5年に限ると、1枠の成績は〔0・1・0・9〕(3着内率10.0%)にとどまっている。2枠や3枠に入った馬の3着内率がやや低めであることも踏まえると、近年は総じて内枠劣勢の傾向があるのかもしれない。〔表3〕
枠番 | 成績 | 勝率 | 連対率 | 3着内率 |
---|---|---|---|---|
1枠 | 1-3-2-14 | 5.0% | 20.0% | 30.0% |
2枠 | 2-0-0-16 | 11.1% | 11.1% | 11.1% |
3枠 | 1-0-0-18 | 5.3% | 5.3% | 5.3% |
4枠 | 0-2-3-15 | 0% | 10.0% | 25.0% |
5枠 | 2-1-0-17 | 10.0% | 15.0% | 15.0% |
6枠 | 1-1-0-18 | 5.0% | 10.0% | 10.0% |
7枠 | 2-2-3-23 | 6.7% | 13.3% | 23.3% |
8枠 | 1-1-2-26 | 3.3% | 6.7% | 13.3% |
過去10年の前走の単勝人気別成績を見ると、3着内率が比較的高いのは1番人気もしくは2番人気だった馬だ。一方、5番人気、6番人気から10番人気、11番人気以下のだった馬は、いずれも3着内率が10%を下回っている。前走で上位人気に推されていた馬が信頼できるレースといえそうだ。〔表4〕
前走の単勝人気 | 成績 | 勝率 | 連対率 | 3着内率 |
---|---|---|---|---|
1番人気 | 4-1-3-18 | 15.4% | 19.2% | 30.8% |
2番人気 | 4-3-1-17 | 16.0% | 28.0% | 32.0% |
3番人気 | 0-3-3-18 | 0% | 12.5% | 25.0% |
4番人気 | 1-2-0-14 | 5.9% | 17.6% | 17.6% |
5番人気 | 0-0-0-9 | 0% | 0% | 0% |
6〜10番人気 | 1-0-3-45 | 2.0% | 2.0% | 8.2% |
11番人気以下 | 0-1-0-26 | 0% | 3.7% | 3.7% |
過去10年の優勝馬10頭は、いずれも栗東所属の騎手が騎乗していた。美浦所属の騎手が騎乗して優勝したのは、2011年のエリンコート(後藤浩輝騎手)が最後である。また、この10頭は単勝オッズが10倍未満だった点、前走の4コーナー通過順が4番手以下だった点も共通している。ここまでで挙げた傾向も加味したうえで絞り込みたいところだ。〔表5〕
(伊吹 雅也)
注記:表は横にスクロールすることができます。
年 | 優勝馬 | 騎手(所属) | 単勝オッズ | 前走の4コーナー通過順 |
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2015年 | ミッキークイーン | 浜中俊(栗東) | 6.8倍 | 7番手 |
2016年 | シンハライト | 池添謙一(栗東) | 2.0倍 | 8番手 |
2017年 | ソウルスターリング | C.ルメール(栗東) | 2.4倍 | 5番手 |
2018年 | アーモンドアイ | C.ルメール(栗東) | 1.7倍 | 16番手 |
2019年 | ラヴズオンリーユー | M.デムーロ(栗東) | 4.0倍 | 4番手 |
2020年 | デアリングタクト | 松山弘平(栗東) | 1.6倍 | 12番手 |
2021年 | ユーバーレーベン | M.デムーロ(栗東) | 8.9倍 | 10番手 |
2022年 | スターズオンアース | C.ルメール(栗東) | 6.5倍 | 9番手 |
2023年 | リバティアイランド | 川田将雅(栗東) | 1.4倍 | 16番手 |
2024年 | チェルヴィニア | C.ルメール(栗東) | 4.6倍 | 5番手 |
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