2023年の桜花賞を制したリバティアイランドは、同年のオークスと秋華賞でも優勝を果たし、JRA史上7頭目となる牝馬三冠制覇を達成した。2024年の勝ち馬ステレンボッシュ、2022年の勝ち馬スターズオンアースも、それぞれ同年のオークスと秋華賞で3着以内に入っている。近年は牝馬三冠の初戦である当レースの優勝馬が、二冠目と三冠目でも立て続けに好走している。今回は過去10年のレース結果から、好走馬に共通するポイントを分析してみたい。
過去10年の単勝人気別成績を見ると、3着以内馬30頭のうち17頭を3番人気以内の馬が占めている。一方、10番人気以下の馬は全て4着以下に敗れている。基本的には上位人気馬が信頼できるレースといえるだろう。〔表1〕
単勝人気 | 成績 | 勝率 | 連対率 | 3着内率 |
---|---|---|---|---|
1番人気 | 1-4-1-4 | 10.0% | 50.0% | 60.0% |
2番人気 | 5-1-0-4 | 50.0% | 60.0% | 60.0% |
3番人気 | 1-2-2-5 | 10.0% | 30.0% | 50.0% |
4番人気 | 0-0-0-10 | 0% | 0% | 0% |
5番人気 | 1-0-1-8 | 10.0% | 10.0% | 20.0% |
6〜9番人気 | 2-3-6-29 | 5.0% | 12.5% | 27.5% |
10番人気以下 | 0-0-0-88 | 0% | 0% | 0% |
過去10年の通算出走数別成績を見ると、最も3着内率が高いのはキャリア3戦の馬で、3着以内馬30頭中26頭をキャリア3戦から5戦の馬が占めている。一方、7戦以上の馬は全て4着以下に敗れており、6戦の馬も3着内率が7.1%にとどまっている。キャリア3戦から5戦の馬が有力といえそうだ。〔表2〕
通算出走数 | 成績 | 勝率 | 連対率 | 3着内率 |
---|---|---|---|---|
2戦 | 1-0-1-8 | 10.0% | 10.0% | 20.0% |
3戦 | 4-6-3-25 | 10.5% | 26.3% | 34.2% |
4戦 | 2-2-4-36 | 4.5% | 9.1% | 18.2% |
5戦 | 2-2-1-38 | 4.7% | 9.3% | 11.6% |
6戦 | 1-0-1-26 | 3.6% | 3.6% | 7.1% |
7戦以上 | 0-0-0-15 | 0% | 0% | 0% |
過去10年の前走の着順別成績を見ると、3着以内馬30頭のうち26頭は前走でも3着以内だった。一方、4着以下だった馬は苦戦傾向が見て取れる。前走好走馬が有力といえるだろう。〔表3〕
前走の着順 | 成績 | 勝率 | 連対率 | 3着内率 |
---|---|---|---|---|
1着 | 4-3-4-54 | 6.2% | 10.8% | 16.9% |
2着 | 4-3-2-35 | 9.1% | 15.9% | 20.5% |
3着 | 2-2-2-17 | 8.7% | 17.4% | 26.1% |
4着 | 0-0-0-4 | 0% | 0% | 0% |
5着 | 0-1-0-4 | 0% | 20.0% | 20.0% |
6〜10着 | 0-0-2-20 | 0% | 0% | 9.1% |
11着以下 | 0-1-0-14 | 0% | 6.7% | 6.7% |
過去10年の前走別成績を見ると、3着以内馬の数が3頭以上なのは、阪神ジュベナイルフィリーズ、チューリップ賞、フィリーズレビューの3レースだけだった。ただし、このうちフィリーズレビュー組は3着内率が6.7%にとどまっている。阪神ジュベナイルフィリーズからの直行馬や、チューリップ賞から臨む馬を狙いたい。〔表4〕
注記:表は横にスクロールすることができます。
前走 | 成績 | 勝率 | 連対率 | 3着内率 |
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阪神JF | 3-2-0-4 | 33.3% | 55.6% | 55.6% |
チューリップ賞 | 2-8-5-33 | 4.2% | 20.8% | 31.3% |
フィリーズレビュー | 1-0-2-42 | 2.2% | 2.2% | 6.7% |
クイーンC | 1-0-1-18 | 5.0% | 5.0% | 10.0% |
エルフィンS | 1-0-1-3 | 20.0% | 20.0% | 40.0% |
シンザン記念 | 1-0-0-2 | 33.3% | 33.3% | 33.3% |
朝日杯FS | 1-0-0-1 | 50.0% | 50.0% | 50.0% |
フェアリーS | 0-0-1-6 | 0% | 0% | 14.3% |
その他のレース | 0-0-0-39 | 0% | 0% | 0% |
過去10年の優勝馬10頭は、いずれも枠番が2枠から7枠だった。内外極端な枠に入った馬が勝てていない点は注意すべきだろう。また、この10頭は、通算出走数が6戦以内だった点、前走の着順が3着以内だった点、前走の馬体重が460から499キログラムだった点も共通している。〔表5〕
(伊吹 雅也)
注記:表は横にスクロールすることができます。
年 | 優勝馬 | 枠番 | 通算出走数 | 前走の着順 | 前走の馬体重 |
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2015年 | レッツゴードンキ | 3枠 | 5戦 | 3着 | 468kg |
2016年 | ジュエラー | 7枠 | 3戦 | 2着 | 498kg |
2017年 | レーヌミノル | 5枠 | 6戦 | 2着 | 468kg |
2018年 | アーモンドアイ | 7枠 | 3戦 | 1着 | 464kg |
2019年 | グランアレグリア | 4枠 | 3戦 | 3着 | 482kg |
2020年 | デアリングタクト | 5枠 | 2戦 | 1着 | 466kg |
2021年 | ソダシ | 2枠 | 4戦 | 1着 | 472kg |
2022年 | スターズオンアース | 4枠 | 5戦 | 2着 | 474kg |
2023年 | リバティアイランド | 2枠 | 3戦 | 1着 | 462kg |
2024年 | ステレンボッシュ | 6枠 | 4戦 | 2着 | 466kg |
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