今週の注目レース

サンケイスポーツ杯阪神牝馬ステークス(GⅡ)

阪神競馬場 1600メートル(芝・外)別定 (牝) 4歳以上オープン

出走馬情報

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ボンドガール

牝4歳

調教師:手塚貴久(美浦)

  • 父:ダイワメジャー
  • 母:コーステッド
  • 母の父:Tizway
ここに注目!

前走時はしっかりと乗り込んでの馬体重増。パドックの雰囲気も完璧と思えるほどに落ち着いていた。成長を感じた前走の状況をキープできていれば、自ずと勝ち負けになるだろう。中間は桜花賞に出走予定の僚馬と栗東に滞在するなど、臨戦過程も万全だ。

前走の東京新聞杯は、勝ったウォーターリヒトとクビ差の2着。この1戦を含めて重賞へのチャレンジは7回を数えるが、そのうちの5回が2着という悔しい戦績となっている。ただ、前々走の秋華賞で2着だったように、GⅠでも通用するだけの力量を示しているとあれば、重賞を勝つ能力が足りていないわけでもない。前走で騎乗した武豊騎手も「勝ったと思ったけどね」と惜敗に肩を落としてはいたが、一方で「レース前から落ち着いていましたし、いい位置で折り合いもつきました」と、3歳春からコンビを組む本馬の成長を感じ取っている様子。待望の重賞タイトルを獲得して再びGⅠの舞台に向かいたい。

アルジーヌ

牝5歳

調教師:中内田充正(栗東)

  • 父:ロードカナロア
  • 母:キャトルフィーユ
  • 母の父:ディープインパクト
ここに注目!

4月3日に栗東CWコースで行われた1週前追い切りでラスト1ハロン10秒8をマーク。目の覚めるような動きを見せ、万全の仕上がりと完全本格化を感じさせた。一方で、出走馬中最速の推定上がり3ハロンタイムは過去に2度のみ。瞬発力勝負になった場合の対応が課題になる。

母のキャトルフィーユは古馬になって重賞制覇を果たした晩成血統。ゆえに本馬は若駒のうちに無理をさせず、連戦は2回までのローテーションを守ってじっくりと育ててきた。ケガなどによる長期の離脱があるわけでもないのに、5歳春を迎えた現在のキャリアは11戦。前走のターコイズSで初めての重賞タイトルを獲得した際に、管理する中内田充正調教師は「最初からいい馬でしたが、時間をかけたことで成長してくれました。少しでも母に近づいてくれればいいですね」とコメントしていた。GⅠに向けた今回の一戦で、主役候補に名乗りを上げるような走りを見せたいところだ。

ソーダズリング

牝5歳

調教師:新谷功一(栗東)

  • 父:ハーツクライ
  • 母:ソーマジック
  • 母の父:シンボリクリスエス
ここに注目!

前走時の最終追い切りは栗東坂路で4ハロン57秒4の軽い内容。直前でもしっかりと攻めてくることの多かった音無秀孝厩舎だけに、難しい調整過程であったことが推察できる。今回は転厩初戦で調整パターンも変わってくるが、調教時計には注目が必要だろう。

音無秀孝調教師の定年引退に伴う厩舎の解散により、今回から新谷功一厩舎の管理馬として出走。手探りの一戦であることは陣営も認めているが、厩舎移動後に行った何度かの調教で、すでに能力の高さを感じ取っているようだ。新谷調教師は「順調に使えなかった時期もあったようですし、これからのこともあるので、マイルの距離で走らせてみます。ここでの内容次第ではGⅠも楽しみになってきますから」とコメントした。前走の阪急杯では、昨年の京都牝馬Sを勝ったときの状態には戻り切っていないように見えたなかでも差のない3着に好走。能力を出し切ることができれば、ここでも十分に通用する。

スウィープフィート

牝4歳

調教師:庄野靖志(栗東)

  • 父:スワーヴリチャード
  • 母:ビジュートウショウ
  • 母の父:ディープスカイ
ここに注目!

前走時は24キログラム増の数字ほどではなかったとはいえ、長い休み明けの影響を感じさせる仕上がりだった。距離が1400メートルだったことも含め、難しい状況であったことは否めない。今回はプラス材料が多い一戦だ。

昨年のチューリップ賞を制し、続く桜花賞では勝ったステレンボッシュから0秒2差の4着。今回と同じ阪神のマイル戦で見せたハイパフォーマンスを期待しているファンも多いだろう。前走の愛知杯は、夏負けが尾を引いたことによる約10か月ぶりのレース。馬群から離れた後方追走から上がり3ハロン34秒4(推定)の脚で追い込んだものの、6着が精いっぱいだった。手綱を取った永島まなみ騎手も「長い休み明けの分、エンジンがかかるのに時間がかかりました。すごくいい脚で伸びてくれましたし、次はもっと動けると思います」と、2走目での変わり身を示唆していた。しっかりと結果を出して、次へのステップにしたいところだ。

ドゥアイズ

牝5歳

調教師:庄野靖志(栗東)

  • 父:ルーラーシップ
  • 母:ローズマンブリッジ
  • 母の父:ディープインパクト
ここに注目!

フットワークが大きく加速に時間がかかるため、広いコースのマイル戦がベストと陣営もジャッジしている。今回は、前々走の中山や前走の中京よりも適性の高いコースと言えるはずだ。多少の雨は苦にしないが、理想は良馬場だろう。

重賞のタイトルこそ獲得していないが、堅実なパフォーマンスを見せる馬。昨年までは、2000メートル未満の距離に限れば3回のGⅠチャレンジも含め、全て5着以内の戦績を残していた。それだけに、3番人気で出走した前走の京都金杯での11着敗戦は、仕掛けても反応がなかった内容を含めて衝撃的だった。手綱を取った武豊騎手も「行きっぷりが良くなくて、外にモタれて走っていました。掛かっていくくらいのイメージだったけど、進んでいきませんでした。原因がよくわからないです」とコメント。本来の走りを取り戻せれば力量は上位と言えるだけに、今後を占うレースとなりそうだ。

ビヨンドザヴァレー

牝5歳

調教師:橋口慎介(栗東)

  • 父:イスラボニータ
  • 母:リリーオブザヴァレー
  • 母の父:Galileo
ここに注目!

過去の戦績が示すように、最も結果を出しているのは1600メートル。前走の中山牝馬S(4着)の時は、陣営が「コーナー通過が4回の1800メートルをこなせるかどうか」と課題にあげていた。ベストの距離に戻る今回のほうが、好走をイメージしやすい。

キャリア16戦の着順内訳は〔4・6・0・6〕。勝ち星よりも多い2着数が示すように、高いレースセンスを持っている一方で、一気に前を差し切るような鋭い瞬発力も持ち合わせていない印象だ。今回は、4着だった前走の中山牝馬Sよりもメンバーレベルが上がっている感もあるだけに、いかにソツのないレースができるかがポイントになるだろう。その中山牝馬Sは、騎乗した菱田裕二騎手が「内の馬が下がってきたので、外に進路を選ばざるを得なかったのですが、それでも器用に走ってくれました」とコメント。重賞レベルでも戦える力量をつけてきており、ここも注目が必要だ。

イフェイオン

牝4歳

調教師:杉山佳明(栗東)

  • 父:エピファネイア
  • 母:イチオクノホシ
  • 母の父:ゼンノロブロイ
ここに注目!

レース間隔が空くと気持ちが入りやすく、2走目のほうが落ち着いて臨めるタイプ。昨年の桜花賞での11着敗退も、3か月ぶりで道中の折り合いを欠いたものだった。放牧明けの前走を1度使った今回は前進が見込めるはずだ。

強敵がそろったNHKマイルCで5着に入った実績から、左回りでのパフォーマンスアップを期待された前走の愛知杯は11着。条件は合っていたのかもしれないが、ハイペースを好位で追走したことが、直線の伸びを欠く結果につながったようだ。騎乗した川又賢治騎手も「ゲートを出て流れに乗れましたが、結果的に差し馬向きの展開になってしまいました。もう少し控えて行ければよかったのですが」とコメント。展開が合わなかった一戦であるのなら、大きく評価を落とす必要はなさそうだ。道中でうまく折り合うことができれば、ここでも好勝負が可能だろう。

タガノエルピーダ

牝4歳

調教師:斉藤崇史(栗東)

  • 父:キズナ
  • 母:タガノレヴェントン
  • 母の父:キングカメハメハ
ここに注目!

前走時は、デビュー時からの比較で26キログラムの馬体重増。体がふくらんできたことで、持っている能力を出し切れるようになった。陣営もコーナー通過2回のマイル戦がベストとみており、ここは楽しみが大きい一戦となる。

キャリア2戦目で牡馬相手の朝日杯フューチュリティSに挑戦し、勝ったジャンタルマンタルから0秒2差の3着に好走。3歳になっての活躍が期待されたが、何度かの重賞チャレンジでは収得賞金を加算することができなかった。今年2月の3勝クラス・斑鳩S(京都・芝1600メートル)で通算3勝目を挙げ、再びオープン馬の仲間入り。騎乗した団野大成騎手も「2歳の頃からポテンシャルを感じていた馬です。“早く勝ち上がらないと”と思っていましたが、いい内容で勝つことができました」とコメントした。春の大舞台に向かうためにも結果を出したいレースで、前哨戦でも勝負度合いは強いはずだ。

(松浪 大樹)

ご注意 「今週の注目レース」ページの情報は、特別レース登録馬や過去のレース結果に基づいて制作しております。JRAが特定の競走馬を応援、推奨するものではありません。出走取りやめ、出走取消などにより、掲載した競走馬がレースに出走しないことがあります。

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