金鯱賞は大阪杯がGⅠに昇格した2017年に3月の中京開催に移設され、その前哨戦に位置付けられた。2018年1着のスワーヴリチャード、2019年5着のアルアイン、2022年4着のポタジェがここをステップに大阪杯を制している。今回はこの時期に行われるようになった過去8年の結果から、レースの傾向を調べてみた。
過去8年で単勝1番人気は5勝を挙げ、2番人気が2勝と上位人気が強さを見せている。ただ、2021年は10頭中10番人気のギベオンが勝利を収め、2018年は9頭中8番人気のサトノノブレスが2着に入った。出走頭数が落ち着きやすい割には下位人気馬の出番も少なくないので、相手は広めに押さえた方がよさそうだ。〔表1〕
単勝人気 | 成績 | 勝率 | 連対率 | 3着内率 |
---|---|---|---|---|
1番人気 | 5-2-1-0 | 62.5% | 87.5% | 100% |
2番人気 | 2-1-1-4 | 25.0% | 37.5% | 50.0% |
3番人気 | 0-1-0-7 | 0% | 12.5% | 12.5% |
4番人気 | 0-0-0-8 | 0% | 0% | 0% |
5番人気 | 0-1-1-6 | 0% | 12.5% | 25.0% |
6〜9番人気 | 0-3-4-25 | 0% | 9.4% | 21.9% |
10番人気以下 | 1-0-1-24 | 3.8% | 3.8% | 7.7% |
過去8年の前走別成績を調べると、国内外のGⅠから臨んだ馬が3着以内馬の半数を占めている。さらに、国内外のGⅠから臨んだ馬が単勝2番人気以内に支持された場合、〔5・3・1・1〕という成績で3着内率は90%と出色の数値になる。またその他では、オープン特別組が3着内率35.7%と健闘している。前走オープン特別組で3着以内に入った5頭はいずれも前走が白富士Sで、これには最低人気で勝利したギベオンや、2017年に単勝13番人気で3着に入ったスズカデヴィアスが含まれている。白富士Sから臨む馬がいれば押さえておきたい。〔表2〕
前走 | 成績 | 勝率 | 連対率 | 3着内率 |
---|---|---|---|---|
GⅠ | 4-2-1-15 | 18.2% | 27.3% | 31.8% |
GⅡ | 0-0-1-20 | 0% | 0% | 4.8% |
GⅢ | 1-3-2-24 | 3.3% | 13.3% | 20.0% |
オープン特別 | 2-0-3-9 | 14.3% | 14.3% | 35.7% |
海外G1 | 1-3-1-2 | 14.3% | 57.1% | 71.4% |
上記以外 | 0-0-0-4 | 0% | 0% | 0% |
過去8年の3着以内馬延べ24頭のうち、12頭は国内外のGⅠで2着以内に入ったことのある馬だった。この実績を持つ馬は上位人気に支持されるケースが多いが、前述のギベオン(2018年NHKマイルC2着)やサトノノブレス(2013年菊花賞2着)のように低評価を覆して好走した例もあるので、GⅠ連対馬は人気にかかわらず注目しておくべきだろう。〔表3〕
経験の有無 | 成績 | 勝率 | 連対率 | 3着内率 |
---|---|---|---|---|
あり | 5-5-2-18 | 16.7% | 33.3% | 40.0% |
なし | 3-3-6-56 | 4.4% | 8.8% | 17.6% |
過去8年の優勝馬はいずれも栗東所属の牡馬で、延べ8頭中7頭は前走で6着以内、かつ1着馬とのタイム差が0.4秒以内だった。前走で上位争いに加わっていた栗東所属の牡馬は、優勝候補から外せないだろう。〔表4〕
(高那実 マヤ)
注記:表は横にスクロールすることができます。
年度 | 優勝馬 | 所属 | 性 | 前走の着順(1着馬とのタイム差) |
---|---|---|---|---|
2017年 | ヤマカツエース | 栗東 | 牡 | 4着(0.3秒) |
2018年 | スワーヴリチャード | 栗東 | 牡 | 4着(0.2秒) |
2019年 | ダノンプレミアム | 栗東 | 牡 | 6着(0.2秒) |
2020年 | サートゥルナーリア | 栗東 | 牡 | 2着(0.8秒) |
2021年 | ギベオン | 栗東 | 牡 | 5着(0.4秒) |
2022年 | ジャックドール | 栗東 | 牡 | 1着 |
2023年 | プログノーシス | 栗東 | 牡 | 4着(0.1秒) |
2024年 | プログノーシス | 栗東 | 牡 | 5着(0.1秒) |
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