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牝6歳
調教師:池江泰寿(栗東)
一昨年のスプリンターズSの勝ち馬。昨年秋はセントウルS2着、スプリンターズS4着、阪神C5着の成績を残し、当路線の実力馬として確固たる地位を築いている。今回はGⅢ。唯一のGⅠ馬として主役の座は譲れない。
全姉は白毛馬初のGⅠ勝ち馬として名を馳せたソダシ。本馬もファンタジーS3着、エルフィンS(リステッド・中京・芝1600メートル)2着と早くから素質の片りんを見せていたが、本格化を遂げたのは4歳になってから。久しぶりの短距離起用となった安土城S(リステッド・京都・芝1400メートル)を好位から楽々と抜け出して快勝。続く北九州記念はジャスパークローネの逃げ切りを許しての2着だったが、スプリンターズSでは早めのスパートから押し切る競馬で見事、スプリント界の頂点に立った。その後は勝利こそないものの、昨年のスプリンターズSは勝ち馬から0秒1差の4着。衰えは感じられず、GⅠを勝った舞台で再び上昇気流に乗りたい。
牡8歳
調教師:牧浦充徳(栗東)
一昨年のオーシャンSの勝ち馬。続く高松宮記念で8着の後は約1年半の長期休養を余儀なくされ、前走の京阪杯が復帰2戦目。3着とはいえ復調は十分にうかがえた。2度目のオーシャンS制覇で完全復活をアピールしたい。
2022年にキーンランドCを勝って重賞初制覇。翌2023年のオーシャンSで重賞2勝目を挙げた。振り返れば、オープンクラス初勝利が2022年の春雷S(リステッド)で、栗東所属馬ながら中山・芝1200メートルに高い適性を示している。昨年のスプリンターズSは、一昨年の高松宮記念(8着)以来の実戦。この時は16着とさすがに動けなかったが、復帰2戦目となった前走の京阪杯では、直線でしっかりと脚を伸ばして勝ち馬ビッグシーザーから0秒4差の3着に好走。復調を示すとともに、さらなる良化が見込めるような好内容でもあった。中間も8歳とは思えぬ元気一杯の走りを披露。2度目の本レース制覇へ期待が高まる。
牡6歳
調教師:蛯名正義(美浦)
一昨年の京王杯スプリングCの勝ち馬。昨年の京王杯スプリングCはハナ差の惜敗ながら、上がり3ハロン32秒2(推定)という驚異的な末脚を発揮しての2着だった。あの脚を使うことができれば、初距離でも勝機は十分だろう。
重賞初制覇となった2023年の京王杯スプリングCは、身上の末脚を存分に生かしての差し切り勝ち。鮮やかだった見た目もさることながら、2着のウインマーベルは前年のスプリンターズS2着馬。さらなる飛躍を期待せずにはいられない価値ある勝利となった。同年秋の富士Sは、次走でマイルチャンピオンシップも勝利するナミュールから0秒2差の2着。まだGⅠでの好走例はないが、2023年の安田記念では勝ち馬から0秒6差(6着)、同年のマイルチャンピオンシップでは0秒5差(9着)で走っており、GⅢならここなら実績上位だ。初の1200メートルでも争覇圏内に入ってくる。
牡4歳
調教師:吉村圭司(栗東)
昨年秋は、毎日王冠(12着)から距離を縮めたスワンSで、最後方から驚きの追い上げを見せて2着。ラジオNIKKEI賞で重賞初制覇を果たしたが、現状は短距離のほうが合う印象だ。興味深い1200メートル起用と言える。
一躍耳目を集めたのが、重賞初制覇となった昨年6月のラジオNIKKEI賞だ。前半は最後方で運び、4コーナーでもまだ後ろから2番目というところから、文字通り直線だけの競馬で前を行く各馬をかわして優勝。類まれな脚力を示した。その脚力のすごさを改めて思い知らされたのが、3走前のスワンS。ラジオNIKKEI賞同様、こちらも直線の追い込みに専念する競馬で鋭く伸びて2着に入った。使った上がり3ハロンタイムは33秒1(推定)。その後の阪神C(3着)、東京新聞杯(8着)の2戦ではともに33秒2の上がりをマークしている。未経験の1200メートルだが、脚力はここでも上位だろう。
牡8歳
調教師:畠山吉宏(美浦)
一昨年のスワンSの勝ち馬。昨年は函館スプリントS、アイビスサマーダッシュで連続2着に入り、1200メートル以下でも好勝負できることを示した。距離こそ違うが、中山はリステッド勝ちのあるコース。GⅢなら上位争いに加わってきそうだ。
オープンクラス復帰は5歳(2022年)の秋だったが、2019年デイリー杯2歳S2着、2020年ニュージーランドT3着と、早いうちから能力の高さを示していた。2023年のニューイヤーS(リステッド・中山・芝1600メートル)でオープンクラス初勝利を果たすと、秋は京成杯オータムH2着をステップにスワンSを優勝。昨年はサウジアラビアの1351ターフスプリント(G2・芝1351メートル)で4着、函館スプリントS2着、アイビスサマーダッシュ2着と国内外を問わず好走を続け、短距離の強豪としての地位を確立した。ここ2戦は結果が出ていないが、英気を養って迎える今回は巻き返しが期待される。
牡5歳
調教師:斎藤誠(美浦)
昨年秋以降に中山・芝1200メートルで3勝をマーク。特筆すべきは通算2勝目となった4走前の1勝クラスだろう。1分07秒2の勝ち時計は同コースで昨年の年間5位タイとなる好タイムで、翌週のスプリンターズSでも5着に相当。新星誕生なるか、注目だ。
初勝利から2勝目までに15戦を要したが、そこからは順風満帆といった様子で、近2走は2勝クラス、3勝クラス・サンライズSと中山・芝1200メートルで連勝。一気に力をつけてオープンクラス入りを決めた。今回は重賞で一気に相手が強くなるが、本舞台での持ち時計は上位のものがある。また、母のワンスインナムーンは2017年のスプリンターズSで3着に入った快速馬で、4歳になって本格化を遂げた晩成型の血筋。そのスピードと成長力は本馬にも受け継がれているはずだ。母同様にオープンクラスでも活躍できるかどうか、ここは試金石の一戦になる。
牡4歳
調教師:梅田智之(栗東)
オープンクラス初勝利となったのが、今回と同舞台の前々走・ラピスラズリS(リステッド)。初コースで結果を残したあたり、適性の高さがうかがえた。前走のシルクロードSは14着だったが、その後も入念な乗り込みを消化。巻き返しを狙う。
昨年2月の1勝クラス・かささぎ賞(小倉・芝1200メートル)を、レースのラスト2ハロンが12秒1、11秒5という最後に加速するラップタイムで快勝。この時点で高い将来性を示していた。その後、橘S(リステッド・京都・芝1400メートル)、葵Sと3歳スプリント路線で連続2着に好走。そして、徐々に蓄えた力と経験が結実したのが、前々走のラピスラズリS(リステッド・中山・芝1200メートル)だった。スタートこそ早くなかったが、そこからハナを奪う積極的な競馬で危なげのない逃げ切り。ひとつ殻を破ったように思える快勝だった。前走こそ大敗したが、中山に戻って改めて注目したい。
牡6歳
調教師:奥平雅士(美浦)
条件クラス突破に時間を要したが、近2走はオープン特別・みちのくS(福島・芝1200メートル)2着、ラピスラズリS(リステッド・中山・芝1200メートル)3着とオープンクラスで連続好走した。重賞で相手は強くなるが、今の充実ぶりなら好勝負が可能だろう。
オープンクラス入りを決めたのが3走前の3勝クラス・セプテンバーS(中山・芝1200メートル)。その後、オープンクラスでの2着、3着も含めて、目下好調であることは間違いないだろう。これは調教にも表れており、中間も軽快かつ豪快な動きを披露。さらなるパワーアップを遂げている印象もある。もともと、3歳時の葵Sでウインマーベルから0秒4差の4着という実績があった馬。ケガなどもあって出世は遅れたが、葵S以来となる重賞挑戦でも素質面の見劣りは感じない。思えば父ビッグアーサーも遅咲きの名馬。現在の充実ぶりを無視できない。
(山下 健)
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