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牝4歳
調教師:木村哲也(美浦)
どの馬よりも堂々と周回していた秋華賞のパドックを見れば、長距離輸送を不安視する必要はないだろう。スピードと瞬発力を生かせる良馬場が理想だが、水分を含んだ馬場状態をこなせるだけのパワーも秘めている。死角は極めて少ない。
昨年はオークス、秋華賞とGⅠを2勝。他世代のトップホースとの初対戦だった前走のジャパンカップでは、勝ったドウデュースの決め手に屈する形にはなったが、4着なら及第点以上の評価が可能だろう。近親に活躍馬が多数いる良血馬で、晩成傾向が強いハービンジャーの産駒。すでに超一流の雰囲気を漂わせてはいながらも、調教の動きや馬体面などからさらなる成長を遂げる余地は大いにある。多くのスターホースが引退した今年の中央競馬を引っ張っていく存在となりえる馬だ。シーズン初戦の一戦ながら、結果以上に内容が問われるレースになるだろう。
牡5歳
調教師:手塚貴久(美浦)
京都コースはこれまで2度出走し、一昨年の菊花賞が3着、昨年の宝塚記念では2着に好走した。瞬時に加速できないキャラクターを考慮すれば、坂の下りを利用できる外回りコースがいいのかもしれない。
デビューから3連勝で皐月賞を制したクラシックホースだが、そのレースが最後の勝利。1年10か月もの長期間で勝ち星を挙げることができておらず、前走のジャパンカップでは勝ったドウデュースから2秒2も離された14着に敗れた。現状はスピードの生きる馬場コンディションや、スローペースでの瞬発力勝負に課題を抱えていると言えそうだ。もっとも、走れる条件さえ整えばGⅠ級の走りができることは証明されており、重馬場で行われた昨年の宝塚記念では2着に好走している。ここで久々の勝利をマークし、復活への足掛かりにしたい。
牡7歳
調教師:友道康夫(栗東)
帰厩後の序盤は坂路とプールで調整し、2週前からウッドチップコースで追い切ることでピッチを上げていくのが本馬のパターンだが、大型馬だけにこの調教で仕上がっているかが鍵になるだろう。堅実で休み明けでの実績もあるが、当日の仕上がりはしっかりとチェックしたい。
昨年3月に2年以上に及ぶ長い休養から復帰し、3戦目の鳴尾記念で2つ目の重賞タイトルを獲得。GⅠ級とも評価されていた潜在能力の高さを再確認させた。前走の毎日王冠では7着と久々に崩れたイメージだが、勝ったシックスペンスとのタイム差は0秒3。外枠(7枠12番)で競馬が難しくなったことに加え、速い時計が出やすい馬場コンディションでコーナー通過2回の芝1800メートルは、本質的に少し忙しかったのかもしれない。コーナー通過4回の2200メートルなら、パフォーマンスは大きく変わってくるだろう。7歳となったが、キャリアは11戦と少ない。この年齢からでもの初GⅠを狙えるはずだ。
牡6歳
調教師:池添学(栗東)
稍重と重馬場で[2・0・1・1]の成績が示すように、時計を要する芝が合うタイプ。先週までの京都の芝は少し時計がかかるコンディションだったことから、今回の舞台設定も合う可能性が高い。持続力勝負になりそうなメンバー構成もプラスに働きそうだ。
初めての海外遠征となった前走の香港ヴァーズ(G1・芝2400メートル)は勝ち馬から離された11着と大敗を喫したが、このレースを度外視すれば、昨年の成績は1年通して安定していた。昨年初戦の京都記念で3度目のGⅡ制覇を果たし、6着だった大阪杯、4着だった宝塚記念、7着だった京都大賞典ではいずれも勝ち馬から0秒4のタイム差で走っていた。今回は重賞2勝をマークする京都コースが舞台。瞬発力不足の課題は残すものの、自身の力は出し切れるはずだ。GⅠ馬不在だった昨年と異なり、今年はGⅠ馬2頭がいるメンバー構成。それでも、連覇を果たす可能性は十分にある。
牡5歳
調教師:矢作芳人(栗東)
全4勝のうちの3勝が稍重馬場。残りの1勝は、新潟の内回りコースでレースの上がり3ハロンタイムが35秒6という持久戦だった。天候や当日の馬場コンディション次第で評価を変えたいタイプと言えるだろう。
一昨年の菊花賞では、好位から積極的な立ち回りを見せて4着に健闘し、ステイヤーとしての資質を見せていたキズナ産駒。その資質の高さを買われて、昨年はサウジアラビア、UAEと海外への遠征も経験した。一方で、決め手に乏しい面があるためか、3勝クラスの突破に時間を要した。前走の3勝クラス・八坂S(京都・芝2200メートル)で約1年5か月ぶりの勝利を飾り、国内での重賞挑戦は8着だった昨年の日経新春杯以来になる。一気の相手強化がポイントになるが、休み明けを1度使った上積みと豊富なスタミナを生かして初のタイトル獲得を狙う。
牡6歳
調教師:橋口慎介(栗東)
以前はウッドチップコースでも調教を行っていたが、長期休養明けの前走時は脚元を考慮して坂路とプールでの調整。14キログラム増の馬体は少し余裕残しに見えた。今回は久々を使った上積みが見込めるはず。課題はベストよりも少し長いように感じる2200メートルの距離。折り合いがポイントになる。
前走のチャレンジCは、脚部不安による約1年5か月の長い休み明け。そんな厳しい状況を跳ねのけた5着には評価が必要だろう。しかも、好位追走から4コーナーで早々と先頭に立ち、一度は抜け出そうかというシーンを作ってのもの。他の先行馬が軒並み失速した展開面も加味すれば、非常に中身の濃いレース内容だったと言えそうだ。6歳になったとはいえ、休養が長かったこともあって今回がキャリア13戦目。このメンバーを相手に一昨年の七夕賞以来となる重賞制覇を達成するようなら、この後のGⅠ路線でも期待できる存在となりそうだ。
牡5歳
調教師:上村洋行(栗東)
近走の勝利は2000メートルだが、未勝利と1勝クラスの勝利は2200メートル。重賞でそれなりの位置を取るのであれば、この距離延長はプラス材料となるはずだ。馬場が少し渋り、上がりを要する展開になったほうがいいだろう。
2勝クラスの突破に4戦、3勝クラスの突破にも4戦を要した戦績が示しているように、クラス慣れが必要なタイプで、かつ勝ち味に遅いところもある馬。もっとも、3勝クラスでは3着以内を外したことがなく、ワンパンチは足りないものの走りは堅実というイメージだった。前走の中日新聞杯は、フルゲートの外枠(8枠17番)スタートで外を回る展開がこたえた面があったとはいえ、直線で伸びるところがなく11着に敗れた。クラス2戦目の慣れが見込める今回は、重賞でも通用する力量があるかどうかを示す試金石のレースとなりそうだ。
牡8歳
調教師:浜田多実雄(栗東)
今年で8歳。往年のような是が非でもハナというスタイルではなくなりつつあるが、ベストはマイペースで逃げる形だろう。今回のメンバーは持久力勝負にしたい馬は多いものの、徹底先行型は不在の印象。楽に行けるようなら面白い。
宝塚記念を勝ち、凱旋門賞(G1・フランス)2着の成績を残したナカヤマフェスタの代表産駒。3歳夏のラジオNIKKEI賞でパンサラッサに5馬身の差をつけて重賞初制覇を果たし、次走では本レースと同距離のセントライト記念を制するなど、今回のメンバーに入っても引けを取らない実績を持っている。近走は厳しい結果が続いているが、それは展開の影響を受けやすい脚質に起因するもので、2番手から上手な競馬をした昨年の京都記念では、プラダリア、ベラジオオペラに次ぐ3着に好走している。その昨年が前走16着から大きく巻き返した形。今年も軽視は禁物だろう。
(松浪 大樹)
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