2024年の共同通信杯で重賞初制覇を果たしたジャスティンミラノは、次走の皐月賞を制し、2走後の日本ダービーでも2着となった。また、同2着のジャンタルマンタルは、次走の皐月賞で3着に入ったうえ、2走後のNHKマイルCを制した。当レースは春のビッグレースにつながる重要な一戦に位置付けられている。今回は過去10年のレース結果から、好走馬に共通するポイントを分析してみたい。
過去10年の単勝人気別成績では、1番人気馬は全て2着以下に敗れている。また、2番人気馬も1勝にとどまっている。2番人気以内の支持に応えて優勝を果たした馬が意外と少ない点に留意するべきだろう。〔表1〕
単勝人気 | 成績 | 勝率 | 連対率 | 3着内率 |
---|---|---|---|---|
1番人気 | 0-4-2-4 | 0% | 40.0% | 60.0% |
2番人気 | 1-0-2-7 | 10.0% | 10.0% | 30.0% |
3番人気 | 5-1-1-3 | 50.0% | 60.0% | 70.0% |
4番人気 | 2-1-2-5 | 20.0% | 30.0% | 50.0% |
5番人気 | 0-2-0-8 | 0% | 20.0% | 20.0% |
6〜10番人気 | 2-2-3-39 | 4.3% | 8.7% | 15.2% |
11番人気以下 | 0-0-0-10 | 0% | 0% | 0% |
過去10年の出走馬の通算出走数別成績を見ると、キャリア1戦の馬が3着内率53.3%と優秀な成績を収めている。一方、5戦以上だった馬は苦戦しており、3着以内に入ったのは、2017年2着のエトルディーニュ(キャリア8戦)のみである。キャリアが比較的浅い馬を重視したいところだ。〔表2〕
通算出走数 | 成績 | 勝率 | 連対率 | 3着内率 |
---|---|---|---|---|
1戦 | 3-3-2-7 | 20.0% | 40.0% | 53.3% |
2戦 | 2-0-2-16 | 10.0% | 10.0% | 20.0% |
3戦 | 5-5-4-25 | 12.8% | 25.6% | 35.9% |
4戦 | 0-1-2-10 | 0% | 7.7% | 23.1% |
5戦 | 0-0-0-6 | 0% | 0% | 0% |
6戦 | 0-0-0-6 | 0% | 0% | 0% |
7戦 | 0-0-0-3 | 0% | 0% | 0% |
8戦 | 0-1-0-0 | 0% | 100% | 100% |
9戦 | 0-0-0-3 | 0% | 0% | 0% |
過去10年の枠番別成績を見ると、勝率、連対率、3着内率が最も高いのは1枠だった。ただし、隣の2枠は3着内率が10.0%にとどまり、3枠の馬は全て4着以下に敗れているように、内寄りの枠で大きく明暗が分かれている。2枠や3枠より、4枠から外の枠に入った馬を高く評価するべきかもしれない。〔表3〕
枠番 | 成績 | 勝率 | 連対率 | 3着内率 |
---|---|---|---|---|
1枠 | 3-1-1-5 | 30.0% | 40.0% | 50.0% |
2枠 | 0-1-0-9 | 0% | 10.0% | 10.0% |
3枠 | 0-0-0-10 | 0% | 0% | 0% |
4枠 | 1-1-2-6 | 10.0% | 20.0% | 40.0% |
5枠 | 1-2-0-11 | 7.1% | 21.4% | 21.4% |
6枠 | 3-1-2-10 | 18.8% | 25.0% | 37.5% |
7枠 | 1-2-4-11 | 5.6% | 16.7% | 38.9% |
8枠 | 1-2-1-14 | 5.6% | 16.7% | 22.2% |
過去10年の前走の着順別成績を見ると、3着以内馬30頭中26頭を前走で4着以内だった馬が占めている。一方、5着以下だった馬は優勝例がないうえ、3着内率も低い水準にとどまっている。基本的に前走好走馬が強いレースといえるだろう。〔表4〕
前走の着順 | 成績 | 勝率 | 連対率 | 3着内率 |
---|---|---|---|---|
1着 | 7-6-4-27 | 15.9% | 29.5% | 38.6% |
2着 | 1-1-1-8 | 9.1% | 18.2% | 27.3% |
3着 | 1-0-2-3 | 16.7% | 16.7% | 50.0% |
4着 | 1-1-1-5 | 12.5% | 25.0% | 37.5% |
5着 | 0-1-0-7 | 0% | 12.5% | 12.5% |
6着以下 | 0-1-2-26 | 0% | 3.4% | 10.3% |
過去10年の優勝馬10頭は、いずれも単勝人気が2番人気から6番人気だった。1番人気馬が勝てていないとはいえ、基本的には上位人気の馬を選びたい。また、この10頭は通算出走数が3戦以内だった点、前走の着順が4着以内だった点、前走との間隔が中4週以上だった点も共通している。キャリアの浅い馬、前走の着順が良かった馬、前走との間隔がある程度空いている馬をピックアップするべきだろう。〔表5〕
(伊吹 雅也)
注記:表は横にスクロールすることができます。
年 | 優勝馬 | 単勝人気 | 通算出走数 | 前走の着順 | 前走との間隔 |
---|---|---|---|---|---|
2015年 | リアルスティール | 3番人気 | 1戦 | 1着 | 中6週 |
2016年 | ディーマジェスティ | 6番人気 | 3戦 | 1着 | 中11週 |
2017年 | スワーヴリチャード | 2番人気 | 3戦 | 2着 | 中11週 |
2018年 | オウケンムーン | 6番人気 | 3戦 | 1着 | 中4週 |
2019年 | ダノンキングリー | 3番人気 | 2戦 | 1着 | 中7週 |
2020年 | ダーリントンホール | 3番人気 | 3戦 | 3着 | 中10週 |
2021年 | エフフォーリア | 4番人気 | 2戦 | 1着 | 中13週 |
2022年 | ダノンベルーガ | 3番人気 | 1戦 | 1着 | 中11週 |
2023年 | ファントムシーフ | 3番人気 | 3戦 | 4着 | 中5週 |
2024年 | ジャスティンミラノ | 4番人気 | 1戦 | 1着 | 中11週 |
ご注意 「今週の注目レース」ページの情報は、特別レース登録馬や過去のレース結果に基づいて制作しております。JRAが特定の競走馬を応援、推奨するものではありません。出走取りやめ、出走取消などにより、掲載した競走馬がレースに出走しないことがあります。