今週の注目レース

アメリカジョッキークラブカップ(GⅡ)

中山競馬場 2200メートル(芝・外)別定 4歳以上オープン

出走馬情報

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ダノンデサイル

牡4歳

調教師:安田翔伍(栗東)

  • 父:エピファネイア
  • 母:トップデサイル
  • 母の父:Congrats
ここに注目!

昨年の日本ダービーの勝ち馬。それ以来となった菊花賞は6着だったが、続く有馬記念では積極果敢な逃げを打って3着と、改めてトップクラスの力量を示す走りを見せた。さらなる飛躍を期す今年初戦となる。

昨年は京成杯を勝って皐月賞へと向かうも、発走直前で競走除外に。仕切り直して迎えた日本ダービーは9番人気だったが、その評価を完全に覆す鮮やかな抜け出しで優勝。第91代日本ダービー馬に輝いた。秋初戦の菊花賞は6着に敗れたが、有馬記念では逃げの手に出てゴール寸前まで先頭を守り3着。次代を担う存在であることを示す力走を見せた。前年のダービー馬がアメリカジョッキークラブCに出走するのは、1999年のスペシャルウィーク以来のこと。そのスペシャルウィークはアメリカジョッキークラブCを勝った後、春秋の天皇賞に加えてジャパンカップを制覇した。本馬も歴史的名馬への軌跡をたどれるかどうか、注目したい。

レーベンスティール

牡5歳

調教師:田中博康(美浦)

  • 父:リアルスティール
  • 母:トウカイライフ
  • 母の父:トウカイテイオー
ここに注目!

一昨年のセントライト記念で重賞初制覇、昨年はエプソムC、オールカマーを連勝して重賞2勝を上積みした。重賞3勝中2勝が中山・芝2200メートル。ベストと思える舞台に戻って再び上昇気流に乗りたい。

一躍、耳目を集めたのが、重賞初制覇となった2023年のセントライト記念だ。中団から悠々と突き抜けた勝ちっぷりに加えて、2着馬が皐月賞馬ソールオリエンス。世代最上位との声も上がるほどの好パフォーマンスを見せた。その後、G1初挑戦となった香港ヴァーズ(芝2400メートル)は8着。昨年初戦の新潟大賞典でも11着とらしくない競馬が続いたが、エプソムCを勝って復調を示すと、オールカマーも連勝。改めて中山・芝2200メートルの適性と脚力を示した。前走の天皇賞(秋)は8着とはいえ、勝ち馬ドウデュースから0秒5差。実力馬が重賞4勝目を狙う。

ボルドグフーシュ

牡6歳

調教師:宮本博(栗東)

  • 父:スクリーンヒーロー
  • 母:ボルドグザグ
  • 母の父:Layman
ここに注目!

重賞未勝利だが、2022年の菊花賞ではコースレコード決着でのハナ差2着。続く有馬記念はイクイノックスの2着と、GⅠに手が届くだけの力量を備えている。前走が1年7か月ぶり。復帰2戦目で本領発揮といきたい。

2022年の菊花賞では、コースレコード決着が示す消耗戦のなか、後方から強烈な追い上げを見せた。結果はハナ差2着で惜しくも戴冠を逃したが、長く使える末脚と機動力がGⅠレベルであることを示した。次走の有馬記念でも2着に入って今後を嘱望されたが、翌年は阪神大賞典2着、天皇賞(春)6着後に長期休養を余儀なくされた。復帰戦となった前走のチャレンジCは4着だったが、3、4コーナーから早めに動いての健闘は能力の証明と言えるもの。休み明け2戦目の今回は、それ以上に動けそうだ。一杯に追われた16日の好調教も強調材料になる。

コスモキュランダ

牡4歳

調教師:加藤士津八(美浦)

  • 父:アルアイン
  • 母:サザンスピード
  • 母の父:Southern Image
ここに注目!

昨年の弥生賞ディープインパクト記念の勝ち馬。皐月賞は勝ったジャスティンミラノとクビ差の2着、本馬も従来のコースレコードをしのぐ時計で走り切った。良績集中の中山で巻き返しを図る一戦になる。

一気に頭角を現したのが昨年の弥生賞ディープインパクト記念。3コーナー手前から馬なりで進出して4コーナーで先頭に並びかけると、直線であっさりと抜け出した。見た目からして強かったが、勝ち時計も過去10年で最速という優秀さ。さらには2着馬がのちのジャパンカップで2着(同着)となるシンエンペラーで、対戦相手のレベルも評価できるものだった。勢い十分に向かった皐月賞はクビ差の2着。日本ダービーは6着に敗れたが、秋初戦のセントライト記念では2着に入っており、やはり中山が最適コースと言っていいだろう。今回はそのセントライト記念と同舞台。真価が問われるレースになりそうだ。

アラタ

牡8歳

調教師:和田勇介(美浦)

  • 父:キングカメハメハ
  • 母:サンシャイン
  • 母の父:ハーツクライ
ここに注目!

前走の福島記念は、直線一気の鮮やかな差し切りで待望の重賞初制覇。今年で8歳となるが、今が最盛期と思わせる走りを見せている。振り返れば2勝目の舞台が今回の中山・芝2200メートル。重賞連勝が狙える。

2021年に1勝クラスからオープン特別・ケフェウスS(中京・芝2000メートル)まで4連勝。一気の出世を遂げたが、オープンクラス2勝目は2023年夏のオープン特別・巴賞(函館・芝1800メートル)、そして初重賞勝ちとなった前走の福島記念は2024年の秋と、ゆっくり力をつけてきた。その福島記念は4コーナー10番手の位置取りから、直線で豪快に追い込んでの優勝。しかもトップハンデを背負っていた。レース間隔は空いているが、もともと有馬記念への出走を目指していたほどで、乗り込み量は十分。GⅡで相手強化となる一戦でも、上位争いできるだけの材料はそろっている。

ビザンチンドリーム

牡4歳

調教師:坂口智康(栗東)

  • 父:エピファネイア
  • 母:ジャポニカーラ
  • 母の父:ジャングルポケット
ここに注目!

昨年は新馬、きらさぎ賞を連勝。荒削りながら、ともに3ハロン33秒台(推定)の上がりを使っており、前走の菊花賞でも上がり3ハロンタイムはメンバー中最速だった。末脚はここでも上位の印象。前半の位置取りに注目したい。

昨年のきさらぎ賞は、3コーナーで12頭立ての11番手というポジション。とても届くまいと思えた位置から、4コーナーで大外へ持ち出して鮮やかな追い込み勝ちを決めた。その強靭な末脚を武器にクラシックへ向かうも、皐月賞が13着、日本ダービーが17着と大敗。前走の菊花賞も5着結果を出せなかったが、終いでよく伸びて勝ち馬から0秒5差まで詰めており、少なくともGⅠで通用するだけの脚は示せたのではないか。現状は京都が最適の印象だが、向正面から直線までに勢いをつけて動ける中山の外回りも合っているイメージが沸く。末脚をフルに発揮したきさらぎ賞の再現があっていい。

ディープモンスター

牡7歳

調教師:池江泰寿(栗東)

  • 父:ディープインパクト
  • 母:シスタリーラヴ
  • 母の父:Bellamy Road
ここに注目!

オープンクラスを3勝し、昨年は鳴尾記念5着、小倉記念3着、アンドロメダS(リステッド・京都・芝2000メートル)4着、チャレンジC2着と安定した走りを見せた。この距離でのオープンクラス勝ちもあり、引き続き上位争いが期待できる。

まだ重賞タイトルには手が届いていないが、昨年夏の小倉記念はコースレコード決着の3着、前走のチャレンジCでは4コーナー10番手から鋭く伸びて2着と、タイトル奪取がかなうだけの力は十分に示している。末脚の確実性に加えて、近走は折り合い面に進境が見られる点も強調できるところで、今ならこの距離でさらに良さが出る可能性もありそうだ。実際、2勝目の1勝クラス・梅花賞(中京)と、連勝で3勝目を挙げたすみれS(リステッド・阪神)はともに芝2200メートルで、結果を残している距離でもある。中間の調教の動きも良好。軽視できない存在だ。

ボーンディスウェイ

牡6歳

調教師:牧光二(美浦)

  • 父:ハーツクライ
  • 母:ウィンドハック
  • 母の父:Platini
ここに注目!

前々走のオクトーバーS(リステッド・東京・芝2000メートル)でオープンクラス初勝利をマーク。過去にホープフルS5着、弥生賞ディープインパクト記念3着の実績もあるが、晩成の血がようやく開花した印象だ。GⅡでも要注目だ。

過去の戦績で特筆すべきは2022年の弥生賞ディープインパクト記念だろう。勝ったアスクビクターモアはその秋に菊花賞を制覇、2着ドウデュースは同年の日本ダービー勝ち馬。それらと同等の走りができていたことが、本馬の素質の高さに他ならない。再度のオープンクラス入りに時間を要したものの、前々走のオクトーバーS(リステッド)は好時計での完勝。前走の中山金杯もタフな流れのなか、先行勢では一番と言える頑張りを見せた。2200メートルでの連対歴はなく、メンバーも前走以上だが、無視できぬ充実ぶりを感じさせる一頭だ。

(山下 健)

ご注意 「今週の注目レース」ページの情報は、特別レース登録馬や過去のレース結果に基づいて制作しております。JRAが特定の競走馬を応援、推奨するものではありません。出走取りやめ、出走取消などにより、掲載した競走馬がレースに出走しないことがあります。

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