今週の注目レース

小倉大賞典(GⅢ)

小倉競馬場 1800メートル(芝)ハンデ 4歳以上オープン

データ分析

人気薄の好走が続いているハンデキャップ重賞

3連単が発売されるようになった2005年以降の小倉大賞典を振り返ってみると、計19回のうち約半数の9回は3連単の配当が10万円を下回っていた。しかし、2017年以降の7回に限ると、10万円を下回ったのは2022年(3万9610円)のみだ。2023年も優勝馬のヒンドゥタイムズこそ単勝オッズ4.9倍(2番人気)の支持を集めていたが、2着に同17.7倍(9番人気)のカテドラル、3着に同18.8倍(10番人気)のバジオウが食い込んで、3連単10万1440円の好配当決着となった。伏兵の台頭も珍しくない難解な一戦を展望するべく、今回は過去10年のレース結果から、好走馬に共通するポイントを分析してみたい。

キャリアと馬番がポイント

過去10年の3着以内馬延べ30頭中17頭は、通算出走数が18戦以下だった。一方、19戦以上だった馬は3着内率13.4%とやや苦戦している。まずは比較的キャリアが浅い馬をひと通りチェックしておくべきだろう。〔表1〕

〔表1〕通算出走数別成績(過去10年)
通算出走数 着度数 勝率 連対率 3着内率
18戦以下 7-4-6-41 12.1% 19.0% 29.3%
19戦以上 3-6-4-84 3.1% 9.3% 13.4%

なお、通算出走数が19戦以上だったにもかかわらず3着以内に入った延べ13頭のうち9頭は、馬番が1番から3番だった。キャリア19戦以上、かつ馬番が4番から16番の馬は、割り引きが必要だ。〔表2〕

〔表2〕通算出走数が19戦以上だった馬の、馬番別成績(過去10年)
馬番 着度数 勝率 連対率 3着内率
1〜3番 2-4-3-12 9.5% 28.6% 42.9%
4〜16番 1-2-1-72 1.3% 3.9% 5.3%

前走の距離と末脚が明暗を分けそう

過去10年の3着以内馬延べ30頭中23頭は、前走の距離が1900メートル超だった。一方、1900メートル以下だった馬は3着内率11.9%とやや苦戦している。今回より200メートル以上長い距離のレースから臨んできた馬の方が信頼できる一戦とみておきたい。〔表3〕

〔表3〕前走の距離別成績(過去10年)
前走の距離 着度数 勝率 連対率 3着内率
1900m以下 2-3-2-52 3.4% 8.5% 11.9%
1900m超 8-7-8-73 8.3% 15.6% 24.0%

なお、前走の距離が1900メートル以下だったにもかかわらず3着以内に入った7頭のうち6頭は、前走がJRA、かつ前走の上がり3ハロンタイム(推定)順位が3位以内だった。前走が1900メートル以下のレースだった馬のうち、そのレースで出走メンバー中上位の上がり3ハロンタイム(推定)をマークできなかった馬は、疑ってかかるべきだろう。〔表4〕

〔表4〕前走の距離が1900メートル以下、かつ前走のコースがJRAだった馬の、前走の上がり3ハロンタイム(推定)順位別成績(過去10年)
前走の距離 着度数 勝率 連対率 3着内率
3位以内 2-3-1-13 10.5% 26.3% 31.6%
4位以下 0-0-1-38 0% 0% 2.6%

2000メートルのレースに実績がある馬を重視したい

過去6年の3着以内馬延べ18頭中15頭は、“前年以降のJRAの2000メートルのレース”において2着以内に入った経験がある馬だった。一方、この経験がなかった馬は3着内率6.5%と苦戦している。今回より200メートル長い距離のレースで前年以降に実績を残している馬を高く評価したいところだ。〔表5〕

〔表5〕“前年以降のJRAの2000メートルのレース”において2着以内に入った経験の有無別成績(過去6年)
経験の有無 着度数 勝率 連対率 3着内率
あり 6-5-4-31 13.0% 23.9% 32.6%
なし 0-1-2-43 0% 2.2% 6.5%

近年は前走がローカル場だった馬が優勢

過去3年の3着以内馬9頭中6頭は、前走の競馬場がローカル場(札幌・函館・福島・新潟・中京・小倉)だった。一方、4大場(東京・中山・京都・阪神)だった馬は3着内率9.7%と苦戦している。近年の傾向を重視するなら、前走が4大場のレースだった馬は過信禁物とみておきたい。〔表6〕

〔表6〕前走の競馬場別成績(過去3年)
前走の競馬場 着度数 勝率 連対率 3着内率
4大場 2-1-0-28 6.5% 9.7% 9.7%
ローカル場 1-2-3-11 5.9% 17.6% 35.3%
  • 注記:4大場は東京・中山・京都・阪神、ローカル場は札幌・函館・福島・新潟・中京・小倉
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前年以降に距離実績のある関西馬が連勝中

過去6年の優勝馬6頭は、いずれも栗東に所属する調教師の管理馬だった。またこの6頭は、“前年以降のJRAの2000メートルのレース”において2着以内に入った経験があった点も共通している。ここまでに挙げた傾向も含めて考慮した方がよさそうだ。〔表7〕

(伊吹 雅也)

注記:表は横にスクロールすることができます。

〔表7〕優勝馬の調教師(所属)、前年以降のJRAの2000メートルのレースにおける最高着順(過去6年)
年次 優勝馬 調教師(所属) 前年以降のJRAの2000メートルのレースにおける最高着順
2018年 トリオンフ 須貝尚介(栗東) 1着(寿Sほか)
2019年 スティッフェリオ 音無秀孝(栗東) 1着(福島記念ほか)
2020年 カデナ 中竹和也(栗東) 2着(小倉記念)
2021年 テリトーリアル 西浦勝一(栗東) 1着(オクトーバーS)
2022年 アリーヴォ 杉山晴紀(栗東) 1着(柳川特別ほか)
2023年 ヒンドゥタイムズ 斉藤崇史(栗東) 2着(小倉記念)

ご注意 「今週の注目レース」ページの情報は、特別レース登録馬や過去のレース結果に基づいて制作しております。JRAが特定の競走馬を応援、推奨するものではありません。出走取りやめ、出走取消などにより、掲載した競走馬がレースに出走しないことがあります。

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