全兄にサリオス、半姉にサラキアとサリエラ（ともに父ディープインパクト）がいる血統馬。直線でスペースがなくなり、内ラチに接触する場面もあったメイクデビュー新潟（芝1600メートル）では3着と人気に応えることができなかったが、2戦目の未勝利（阪神・芝1800メートル）をあっさりと勝ち上がった。前走のアルテミスSでもチェルヴィニアの2着に好走し、世代上位の力を示すことに成功している。阪神・芝の外回りコースで勝った経験があるうえ、兄サリオスのGⅠ勝ちは本レースと同じ舞台だった。血統的な面からも注目の高い一戦となる。

初年度から活躍が目立つスワーヴリチャード産駒の1頭。メイクデビュー東京（芝1600メートル）こそ3着に敗れたが、このレースは勝ち馬がボンドガール、2着馬がチェルヴィニアというハイレベルなメンバー構成だった。続く未勝利（東京・芝1600メートル）を3馬身差で快勝すると、前々走のオープン特別・ダリア賞（新潟・芝1400メートル）、約3か月の休み明けで挑んだ前走の京王杯2歳Sも制し、3連勝で重賞ウイナーの仲間入りを果たした。実績では今回のメンバーでも上位と言えるだろう。重賞連勝で2歳女王戴冠なるか、注目したい。

1番人気で出走したメイクデビュー東京（東京・芝1400メートル）を、出走馬中最速の上がり3ハロン33秒3（推定）をマークして快勝。約2か月のリフレッシュ期間を設けて出走した前走の新潟2歳Sでも1番人気の評価を受けていたが、ここでも人気に応えて勝利し、2戦2勝で重賞ウイナーの仲間入りを果たした。マイル前後の距離に強いダイワメジャー産駒ではあるが、祖母はサドラーズウェルズ産駒のリッスンで、豊富なスタミナと確かな成長力がある母系の出身。本馬も先々まで注目が必要だろう。大舞台に強い底力も秘めているはずだ。

小倉開催最終週のメイクデビュー小倉（芝1200メートル）で初陣勝ち。勝ち時計が目立たなかったこともあってか、休み明けで重賞に挑戦した前走のファンタジーSは18頭立ての15番人気という低評価だった。しかしレースでは、好位キープから積極的な競馬を展開して押し切り、2戦2勝での重賞制覇を成し遂げた。1分20秒4の勝ち時計は、2006年アストンマーチャンがマークしたレースレコードに0秒1差（2020年メイケイエールの1分20秒1は阪神開催）という優秀な数字。3戦無敗で2歳牝馬の頂上決戦を制する可能性も十分にありそうだ。

東京のデビュー戦で6着のあと、2戦目の未勝利（新潟・芝1600メートル）で勝ち上がりを決めたディスクリートキャット産駒。当時は平坦コースへの舞台替わりがプラスに働いた勝利のようにも思えたのだが、直線に急坂があり、かつ稍重馬場だった前走の1勝クラス・アスター賞（中山・芝1600メートル）を5馬身差で快勝。非力なイメージを一蹴した。稍重の馬場状態でありながら、1分33秒1の2歳コースレコードをマークして後続を引き離し、上がり3ハロンの数字も33秒7（推定）とかなり優秀。重賞初制覇がGⅠとなっても不思議はないだろう。

入厩段階から馬体の良さ、動きの質の高さが評判だったハーツクライ産駒。デビュー前の追い切りではドンフランキー、ヒンドゥタイムズといった古馬のオープン馬とも互角の走りを見せていたほどだ。出遅れが響いた初戦こそ2着に敗れたが、前々走の未勝利（小倉・芝2000メートル）を4馬身差で順当勝ちすると、オープンクラスへの格上挑戦となった前走の萩S（リステッド・京都・芝1800メートル）も完勝。評判に違わぬ強さでGⅠの舞台へと駒を進めてきた。2着に負けたデビュー戦も含め、上がり3ハロンの数字は全て出走馬中最速（推定）。末脚には自信を持っている馬だ。

多くの活躍馬を送り出しているエピファネイアの産駒で、母系をたどればディープインパクトの母として知られるウインドインハーヘアの名前もある良血馬だ。1コーナーで大きな不利を受けながら、それを克服して見事に勝利したメイクデビュー札幌（芝1800メートル）の内容から、来年のクラシック候補として大きく取り上げられたのも当然と思える。前々走の1勝クラス・サフラン賞（中山・芝1600メートル）はハナ差で勝ち星を逃したが、前走の1勝クラス・赤松賞（東京・芝1600メートル）を制して2勝目をマーク。大舞台にふさわしい血統馬のパフォーマンスに注目が必要だろう。