今週の注目レース

エリザベス女王杯(GⅠ)

京都競馬場 2200メートル(芝・外)定量 (牝) 3歳以上オープン

データ分析

伏兵の台頭が目立つようになってきた下半期の最強牝馬決定戦

2022年のエリザベス女王杯は、単勝オッズ8.1倍(4番人気)のジェラルディーナが1着、同10.1倍(5番人気)のウインマリリンと同52.9倍(12番人気)のライラックが2着同着となり、3連複の配当が9万円を超え、2通りの的中組番があった3連単の配当もそれぞれ20万円を超えた。また、2021年は、単勝オッズ64.9倍(10番人気)のアカイイトが1着、同25.1倍(7番人気)のステラリアが2着、同46.9倍(9番人気)のクラヴェルが3着となり、3連複28万2710円、3連単339万3960円の高額配当が飛び出している。近年の傾向からは、波乱の決着も十分に警戒しておくべきレースと言えるだろう。今回は、阪神競馬場で開催された2020年から2022年を含む過去10年のレース結果から、好走馬に共通するポイントを分析してみたい。

前走の格に注目

過去10年の3着以内馬延べ30頭中28頭は、前走がGⅠかGⅡだった。一方、GⅠ・GⅡ以外だった馬は3着内率3.7%と苦戦しているので、該当する馬は評価を下げた方がよさそうだ。〔表1〕

〔表1〕前走別成績(過去10年)
前走 着度数 勝率 連対率 3着内率
GⅠ・GⅡ 10-10-8-93 8.3% 16.5% 23.1%
その他 0-1-1-52 0% 1.9% 3.7%
  • 注記:2022年は2着同着

大敗直後の馬は不振

過去10年の3着以内馬延べ30頭中29頭は、前走の着順が7着以内だった。一方、8着以下だった馬は3着内率2.6%と苦戦している。直近のレースで8着以下に敗れていた馬は、上位に食い込む可能性が低いとみるべきだろう。〔表2〕

〔表2〕前走の着順別成績(過去10年)
前走の着順 着度数 勝率 連対率 3着内率
7着以内 10-10-9-108 7.3% 14.6% 21.2%
8着以下 0-1-0-37 0% 2.6% 2.6%
  • 注記:2022年は2着同着

4歳以下の馬が中心

過去10年の3着以内馬延べ30頭中24頭は4歳以下だった。一方、5歳以上だった馬は3着内率7.8%と苦戦している。若い世代の馬を重視したい。〔表3〕

〔表3〕年齢別成績(過去10年)
年齢 着度数 勝率 連対率 3着内率
4歳以下 9-7-8-74 9.2% 16.3% 24.5%
5歳以上 1-4-1-71 1.3% 6.5% 7.8%
  • 注記:2022年は2着同着

なお、年齢が5歳以上だったにもかかわらず3着以内に入った延べ6頭のうち4頭は、同年のJRAのGⅠにおいて7着以内となった経験がある馬だった。今年のGⅠで7着以内に入ったことがある馬でない限り、5歳以上の馬は割り引きが必要だ。〔表4〕

〔表4〕年齢が5歳以上だった馬の、同年のJRAのGⅠにおいて7着以内となった経験の有無別成績(過去10年)
経験の有無 着度数 勝率 連対率 3着内率
あり 1-2-1-12 6.3% 18.8% 25.0%
なし 0-2-0-59 0% 3.3% 3.3%

京都で行われた年は外枠劣勢

過去10年のうち京都競馬場で行われた7回(2013年から2019年)の3着以内馬延べ21頭中18頭は、枠番が1枠から6枠だった。一方、7枠か8枠だった馬は3着内率7.7%と苦戦している。なお、直近の4回(2016年から2019年)に絞ると、7枠か8枠だった馬は〔0・0・0・21〕(3着内率0%)である。今年も外寄りの枠に入った馬は過信禁物とみるべきだろう。〔表5〕

〔表5〕枠番別成績(2013年から2019年)
枠番 着度数 勝率 連対率 3着内率
1〜6枠 7-5-6-65 8.4% 14.5% 21.7%
7、8枠 0-2-1-36 0% 5.1% 7.7%

脚質もポイントになりそう

京都競馬場で行われた過去4回(2016年から2019年)の3着以内馬延べ12頭中7頭は、前走の4コーナー通過順が4番手以内だった。一方、5番手以下だった馬は3着内率10.9%とやや苦戦している。〔表6〕

〔表6〕前走の4コーナー通過順別成績(2016年から2019年)
前走の4コーナー通過順 着度数 勝率 連対率 3着内率
4番手以内 3-4-0-15 13.6% 31.8% 31.8%
5番手以下 1-0-4-41 2.2% 2.2% 10.9%

なお、前走の4コーナー通過順が5番手以下だったにもかかわらず3着以内に入った延べ5頭は、いずれも前年以降のJRAのGⅠにおいて2着以内に入った経験がある馬だった。前年以降にビッグレースで連対しているような実績馬でない限り、前走で先行できなかった馬は疑ってかかりたい。〔表7〕

〔表7〕前走の4コーナー通過順が5番手以下だった馬の、前年以降のJRAのGⅠにおいて2着以内となった経験の有無別成績(2016年から2019年)
経験の有無 着度数 勝率 連対率 3着内率
あり 1-0-4-9 7.1% 7.1% 35.7%
なし 0-0-0-32 0% 0% 0%
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通算出走数や前走の距離に注意したい

過去10年の優勝馬延べ10頭は、いずれも通算出走数が19戦以内、かつ前走の距離が2200メートル以下だった。キャリア20戦以上の馬や、今回より長い距離のレースから臨んだ馬が勝っていない点は意識しておきたいところだ。また、この10頭は前走がGⅠ・GⅡだった点、前走の着順が7着以内だった点も共通している。〔表1〕、〔表2〕で挙げた傾向も考慮すべきだろう。〔表8〕

(伊吹 雅也)

注記:表は横にスクロールすることができます。

〔表8〕優勝馬の、通算出走数、前走の距離、前走(格)、前走の着順(過去10年)
年次 優勝馬 通算出走数 前走の距離 前走(格) 前走の着順
2013年 メイショウマンボ 9戦 2000m 秋華賞(GⅠ) 1着
2014年 ラキシス 10戦 2200m オールカマー(GⅡ) 2着
2015年 マリアライト 12戦 2200m オールカマー(GⅡ) 5着
2016年 クイーンズリング 12戦 1800m 府中牝馬S(GⅡ) 1着
2017年 モズカッチャン 8戦 2000m 秋華賞(GⅠ) 3着
2018年 リスグラシュー 15戦 1800m 府中牝馬S(GⅡ) 2着
2019年 ラッキーライラック 11戦 1800m 府中牝馬S(GⅡ) 3着
2020年 ラッキーライラック 17戦 2000m 札幌記念(GⅡ) 3着
2021年 アカイイト 19戦 1800m 府中牝馬S(GⅡ) 7着
2022年 ジェラルディーナ 15戦 2200m オールカマー(GⅡ) 1着

ご注意 「今週の注目レース」ページの情報は、特別レース登録馬や過去のレース結果に基づいて制作しております。JRAが特定の競走馬を応援、推奨するものではありません。出走取りやめ、出走取消などにより、掲載した競走馬がレースに出走しないことがあります。

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