今週の注目レース

武蔵野ステークス(GⅢ)

東京競馬場 1600メートル(ダート)別定 3歳以上オープン

出走馬情報

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牡3歳

調教師:黒岩陽一(美浦)

  • 父:ヘニーヒューズ
  • 母:ソフトライム
  • 母の父:フジキセキ
ここに注目!

近親には2008年の皐月賞馬キャプテントゥーレ、2022年ステイヤーズSを制したシルヴァーソニックなどがいる。本馬はユニコーンSを快勝し、ハイレベルなダートの3歳世代における代表格の一頭と言っていいだろう。休養明けを1度使われ、ここで2つ目の重賞タイトルを手にしたい。

単勝オッズ1.8倍の断然人気に支持された前走のグリーンチャンネルC(リステッド・東京・ダート1600メートル)は3着。好位2番手でリズム良く追走しているように見えたが、直線は思ったほど伸びず、スパッと切れた同世代のオメガギネス(1着)には離されてしまった。約3か月半ぶりの実戦とキャリア初の不良馬場で締まったペースとなり、道中でうまく脚がたまらなかったか。2走前のユニコーンSは3馬身差V。勝ち時計の1分35秒0は、レース史上3位タイの好タイムだった。東京・ダートマイルは3戦2勝、3着1回と抜群の相性。休み明けを1度使われたここで、本領発揮といきたい。馬名の由来は「フランスの地名より」。

牡4歳

調教師:武幸四郎(栗東)

  • 父:ヘニーヒューズ
  • 母:シヤボナ
  • 母の父:Kingmambo
ここに注目!

半兄が2016年高松宮記念をコースレコード(当時)で制したビッグアーサー(父サクラバクシンオー)という良血馬だ。本馬は今夏のエルムSを優勝し、ここにきて馬が本格化した印象。昨年のユニコーンSで2着に好走したように、舞台適性にも不安はない。

前走の日本テレビ盃(JpnⅡ・船橋・ダート1800メートル)は、じわじわと脚を伸ばして4着。脚質的に小回りの船橋は不向きだった印象だ。2走前のエルムSは後方から大外を進出。メンバー中最速の上がり3ハロン35秒5(推定)の末脚で豪快に差し切った。騎乗した武豊騎手は「今日の感じだったらすごくいい脚を使えます。まだまだ期待できます」と話した。今年のフェブラリーS(11着)は崩れたが、昨春のユニコーンSでは2着に好走。末脚が生きる東京・ダートマイルは合うはずで、展開ひとつで突き抜ける脚力を備えている。馬名の由来は「戚風(中国語でシフォンケーキ)の日本語読み」。

牡4歳

調教師:牧浦充徳(栗東)

  • 父:シニスターミニスター
  • 母:マストバイアイテム
  • 母の父:アフリート
ここに注目!

JRAでデビューした兄弟全3頭がダートで勝ち上がり、半弟サンライズフレイム(父ドレフォン)は目下破竹の4連勝中。本馬は2年前の全日本2歳優駿(JpnⅠ・川崎・ダート1600メートル)をV。ここでJRA重賞初勝利を目指す。

前走のテレ玉杯オーバルスプリント(JpnⅢ・浦和・ダート1400メートル)は、好スタートを決めて3番手を追走。直線はスマイルウィとの競り合いから、残り100メートルで鋭く弾けた。騎乗した戸崎圭太騎手は「スタートをしっかり出てくれて、イメージ通りに行けました。ずっと乗せていただいて悔しい思いをしていたので、久しぶりに重賞を勝ててうれしいです」と喜びを語った。3走前のフェブラリーSはJRAGⅠ初挑戦ながら2番人気に。好位からしぶとく4着に入り、2歳時にJpnⅠを制した底力を示した。東京・ダート1400メートルでは2戦2勝の成績を残しており、得意コースと言える。馬名の由来は「黒ビールの種類の名前。本馬の毛色より」。

牡5歳

調教師:須貝尚介(栗東)

  • 父:バゴ
  • 母:オーマイベイビー
  • 母の父:ディープインパクト
ここに注目!

2020年サウジアラビアロイヤルC、2021年神戸新聞杯で芝の重賞を2勝。ここは注目のダート初挑戦だが、父はダートグレードレースの勝ち馬も出しているバゴで、血統的にも期待ができる。長期休み明けを1度使われたここは、状態面のアップも見込める。

2021年神戸新聞杯以来の勝利を目指した前走の富士Sは7着。大外枠からスッと好位2番手につけたが直線は余力が残っておらず、ハイペースのなか上位を占めた差し馬たちの決め手に屈した。騎乗したM.デムーロ騎手は「外枠だったのでリラックスできず、馬が怒って走っていました。直線はフワっとなって、ジリジリとしか伸びませんでした」と敗因を説明した。2021年の菊花賞と有馬記念で4着に入ったスタミナが印象的だが、マイルの重賞でも2020年にサウジアラビアロイヤルC1着、朝日杯フューチュリティS2着と2連対。500キログラム前後の雄大な馬体の持ち主が、初ダートをクリアしてみせる。馬名の由来は「星(伊)+速い(伊)」。

牡7歳

調教師:安田隆行(栗東)

  • 父:ロードカナロア
  • 母:フレンチノワール
  • 母の父:フレンチデピュティ
ここに注目!

2021年のJBCスプリント(JpnⅠ・金沢・ダート1400メートル)をはじめ、ダートグレードレースを3勝。2走前のフェブラリーS2着など、実績は上位のものがある。東京向きの強烈な末脚を備えており、ここはV圏内だ。

前走のドバイゴールデンシャヒーン(G1・UAE・ダート1200メートル)は、世界の強豪が集った一戦らしいハイペースとなり、内からしぶとく脚を伸ばしたが6着が精いっぱいだった。1200メートルから1400メートルが主戦場ではあるが、キャリア3度目のマイル戦だった2走前のフェブラリーSでは2着に好走。メンバー中最速の上がり3ハロン35秒7(推定)を繰り出し、強敵ぞろいの一戦で存在感を示した。騎乗した川田将雅騎手は「返し馬で具合の良さを感じましたし、その通りに走ってくれました」と話した。GⅢのここでは実績上位と言える存在だけに、好勝負必至だ。馬名の由来は「冠名+熱望(仏)」。

牡5歳

調教師:奥村武(美浦)

  • 父:メイショウサムソン
  • 母:マイユクール
  • 母の父:バゴ
ここに注目!

着実に条件クラスを勝ち上がり、2走前のオープン特別・アハルテケS(東京・ダート1600メートル)で通算5勝目をマーク。重賞初挑戦だった前走・エルムSは9着と敗れたが、マイペースで行ければここでもチャンスは十分にあるだろう。

前走のエルムSは、外枠(7枠11番)からやや脚を使いながらハナへ。道中は息を入れられたように見えたが、4コーナー付近では手応えが悪くなり9着に敗れた。騎乗した横山和生騎手は「イメージ通りでしたし、リズムも時計も馬場もぴったりでした。このクラスでやり合うには気持ち的に諦めるのが早いです」と、課題を口にした。東京は8戦4勝、2着1回の得意舞台。2走前のオープン特別・アハルテケS(1着)は締まったペースを演出し、他の先行勢が後退したなかで4馬身差の逃げ切りと強さが際立った。重賞を経験したここで見直したい。馬名の由来は「冠名+父名の一部。旧約聖書に登場する怪力の持ち主」。

牡6歳

調教師:西園正都(栗東)

  • 父:ヘニーヒューズ
  • 母:スペシャルディナー
  • 母の父:スペシャルウィーク
ここに注目!

3年連続の本レース参戦。過去2回の挑戦はともに6着も、きっかけ一つで上位を狙える走りだった。好メンバーがそろっていた前走・マイルチャンピオンシップ南部杯(JpnⅠ・盛岡・ダート1600メートル)も4着。相手なりに走れるだけに、警戒が必要だ。

やや不完全燃焼の感があった前走・マイルチャンピオンシップ南部杯(JpnⅠ)。後方から脚を使ったが、4着まで追い上げるのが精いっぱいだった。それでも、勝ち馬レモンポップには大差をつけられたものの、2着馬イグナイターとは0秒2差。騎乗した石橋脩騎手は「積極的に行こうと思っていましたが、1歩目でつまずいてしまいました。向正面でエンジンがかかって、最後はこの馬らしい走りを見せてくれました」と明かした。3走前のかしわ記念(JpnⅠ・船橋・ダート1600メートル)では2着に好走。勝ち馬メイショウハリオは次戦の帝王賞(JpnⅠ)も制しており、強敵相手に食い下がった能力は確か。今回も侮れない存在になる。馬名の由来は「冠名+美しい」。

牡3歳

調教師:安田隆行(栗東)

  • 父:Showcasing
  • 母:Jet Setting
  • 母の父:Fast Company
ここに注目!

2022年京王杯2歳S4着、2023年シンザン記念2着と芝でも結果を残したが、ダート初挑戦だった前走の3勝クラス・桂川S(京都・ダート1400メートル)で4馬身差の快勝。ここも勝ってダート界の新星となれるのか、注目だ。

前走の3勝クラス・桂川Sは見事な勝ちっぷり。道中は好位3番手をリズム良く追走し、初ダートとは思えないフットワークを見せた。直線では上がり3ハロン35秒8(推定)の切れ脚で、後ろから迫った2着馬を4馬身突き放した。3歳馬ながら、2、3着の年長馬と同じハンデ56キログラム。ハナで勝負した近走から一転して、控える競馬で結果を残せたのも収穫だった。過去10年の武蔵野Sで前走条件戦からの優勝はないが、本馬の芝重賞で好走した地力と前走のパフォーマンスは優にオープン級だろう。勢いのままに初タイトルを手にしても驚けない。馬名の由来は「先導的な。母名より連想」。

(高木 翔平)

ご注意 「今週の注目レース」ページの情報は、特別レース登録馬や過去のレース結果に基づいて制作しております。JRAが特定の競走馬を応援、推奨するものではありません。出走取りやめ、出走取消などにより、掲載した競走馬がレースに出走しないことがあります。

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