今週の注目レース

キーンランドカップ(GⅢ)

札幌競馬場 1200メートル(芝)別定 3歳以上オープン

出走馬情報

写真をクリックすると、詳細がご覧いただけます。また、詳細の馬名をクリックすると、競走馬情報がご覧いただけます。

牝4歳

調教師:長谷川浩大(栗東)

  • 父:ミッキーアイル
  • 母:サンクイーンⅡ
  • 母の父:Storm Cat
ここに注目!

重賞3勝、2022年桜花賞3着、2023年高松宮記念2着の実績はメンバー中でも上位。前走・ヴィクトリアマイル(8着)から主戦場のスプリント戦に戻れば、当然中心となる。秋の大舞台へ向け、ここは格好をつけたい。

2走前の高松宮記念は“負けてなお強し”の2着。7枠15番からのスタートで、4コーナーは馬群の外を回る形になったが、直線は先に伸びた勝ち馬ファストフォースを懸命に追いかけ、最後まで鋭く迫り続けた。埋まらなかった1馬身差は通ったコースの差もあったか。騎乗した浜中俊騎手は「すごく悔しいです。厩舎もしっかり仕上げてくれて、馬はこの条件でも一生懸命走ってくれたけど、結果だけ伴わなかったです」と肩を落とした。前走のヴィクトリアマイルは8着だったが、明確に距離が長く度外視可能だろう。昨夏の函館スプリントSでは2馬身1/2差の快勝を見せており、洋芝への不安もない。快速牝馬の始動戦に要注目だ。馬名の由来は「冠名+女性名より」。

牡4歳

調教師:高柳瑞樹(美浦)

  • 父:ビッグアーサー
  • 母:ユキノマーメイド
  • 母の父:スペシャルウィーク
ここに注目!

半兄は7勝を挙げ、2020年マイラーズC2着のベステンダンク(父タイキシャトル)。2022年京阪杯優勝などで見せた本馬のスプリント能力は本物だ。1番人気で4着に敗れた昨年のリベンジを果たしたい。

前走・函館スプリントSは、最内枠から好位5番手付近を追走し、直線はじりじりと脚を伸ばして3着。ハイペースで先行争いをした馬たちが後退するなか、地力を示した。騎乗した鮫島克駿騎手は「枠を生かしたかったので迷わずポジションを取りに行ったけど、結果、ハイペースになってしまいました。4コーナーはスムーズに上がって来られて、一瞬は前をかわせそうだったのですが」と敗因を口にした。GⅡ、GⅢでは〔1・1・1・3〕。3回の4着以下も5着、4着、4着と、一度も掲示板(5着以内)を外していない。昨年の本レースは大外枠から4着を確保。近走は内外極端な枠が多かったが、スムーズな競馬なら十分に勝ち切る実力がある。馬名の由来は「冠名+地名」。

牝4歳

調教師:奥村武(美浦)

  • 父:ロードカナロア
  • 母:チェリーペトルズ
  • 母の父:ダイワメジャー
ここに注目!

デビュー3戦で2勝を挙げ、早くから頭角を現していたが、3歳秋から馬が本格化。前走・函館スプリントSを見事な末脚で差し切り、重賞初制覇を飾った。前走で高い洋芝適性を示し、ここは楽しみな一戦になる。

前走・函館スプリントSは外枠(8枠15番)からの競馬。いつもの先行策ではなく後方4、5番手に待機した。レースの前半600メートル通過タイム33秒0というハイペースを、4コーナー10番手からメンバー中最速の上がり3ハロン34秒4(推定)で突き抜けた。管理する奥村武調教師は「あんなにすごい脚を使うとは。想像していた展開とは違ったけど、流れが速かったから好判断でした。芯が入って強くなったし、これからが楽しみです」とさらなる飛躍を期待していた。小柄な牝馬で、引き続きの平坦の直線は歓迎。脚質に幅が出た今なら、どんな展開にも対応できそうだ。馬名の由来は「屋号+女王」。

牡5歳

調教師:池江泰寿(栗東)

  • 父:ラブリーデイ
  • 母:エンドレスノット
  • 母の父:ディープインパクト
ここに注目!

叔父に2016年のダービー馬マカヒキがいる優秀な母系の出身。今年4月のダービー卿チャレンジTで3着に好走し、前走のオープン特別・青函S(函館・芝1200メートル)でオープンクラス初勝利を挙げた。力をつけた今なら、初タイトルが視界に入る。

初のスプリント戦だった前走のオープン特別・青函Sを鮮やかに勝利。速い流れをしっかりと好位の外で追走すると、直線は鋭く弾けて、先に抜け出したカルネアサーダ(2着)を2馬身突き放した。騎乗した武豊騎手は「初めて乗りましたが、洋芝の1200メートルはいいですね」と高いコース適性を認めた。2走前の京王杯スプリングCは、勝ち馬レッドモンレーヴから0秒3差の6着。同馬が次戦の安田記念で6着、4着アヴェラーレが次戦の関屋記念を制しており、ハイレベルな一戦で能力を示した。本馬も勢いに乗って重賞制覇を狙う。馬名の由来は「快晴(独)」。

牡4歳

調教師:深山雅史(美浦)

  • 父:アイルハヴアナザー
  • 母:コスモマーベラス
  • 母の父:フジキセキ
ここに注目!

母は2005年紫苑Sを制し、2006年、2007年のターコイズS(いずれもオープン特別)を連覇したコスモマーベラス。本馬は昨年のキーンランドC、スプリンターズSで連続2着と、素質は確かだ。2022年葵S以来の重賞Vを目指す。

前走・京王杯スプリングCは、道中5番手から進出。直線で一度は後続にかわされながらも、持ち前の粘り強さを発揮して伸び続け、2着を確保した。騎乗した松山弘平騎手は「かわされてもしぶとく勝負根性を見せてくれたし、距離をこなせて幅が広がりました。まだやれるところを見せてくれました」と話した。今年に入っての2戦は、シルクロードS(7着)がトップハンデの59キログラムを背負い、高松宮記念(10着)は大外枠に不得手な不良馬場と、ともに敗因は明らか。昨年の本レースは勝ち馬からわずか0秒1差の2着惜敗。今年はさらにたくましくなった姿で優勝を目指す。馬名の由来は「冠名+驚くべきこと」。

せん5歳

調教師:大竹正博(美浦)

  • 父:Dark Angel
  • 母:Fashionable
  • 母の父:Nashwan
ここに注目!

3勝クラス・UHB杯(函館)、オープン特別・しらかばS(札幌)と芝1200メートル戦を2連勝中。4走前から転向したスプリント戦への高い適性を示している。しらかばSはコースレコードV。時計の速い決着にも自信ありだ。

前走のオープン特別・しらかばSは、中団をリズム良く追走。直線はしっかり脚を伸ばし、逃げ粘るカンティーユ(2着)をハナ差で差し切った。勝ち時計の1分07秒4はコースレコード。開催時期が違うとはいえ、同コースが舞台であるキーンランドCの昨年の勝ち時計が1分09秒1だけに、期待は高まる。騎乗した池添謙一騎手は「ゲートを出てくれて理想的なポジションでした。直線で前の馬が離れていたけど、よく頑張ってくれました」と走りを称えた。スプリント路線に変更して一気に成績が安定。加えて、洋芝の北海道シリーズでは5戦3勝、2着1回と抜群の相性を誇るだけに、2021年ニュージーランドT(5着)以来の重賞挑戦でも楽しみが大きい。馬名の由来は「黒い皇帝(独)」。

牡7歳

調教師:宗像義忠(美浦)

  • 父:ゴールドアリュール
  • 母:ケリーズビューティ
  • 母の父:ブライアンズタイム
ここに注目!

半兄にはJRAで7勝を挙げ、2012年京王杯スプリングC3着のインプレスウィナー(父フサイチコンコルド)がいる。本馬は2022年高松宮記念優勝、スプリンターズS3着の実績馬。ここで復活Vを目指す。

2年連続で出走した前走・安田記念は17着。ラストまで後方のまま、見せ場を作ることはできなかった。騎乗した丸田恭介騎手は「いい感じで運べたし、馬の感じも良かったです。ただ、全体的に時計が速かったです」と敗戦を振り返った。昨年は安田記念9着後のスプリンターズSで3着に好走しており、得意距離に戻れば見直したいところだ。本レースは初挑戦となるが、重馬場の2022年高松宮記念を制した実績から、タフな芝への不安は少ないだろう。この中間は、同厩舎の重賞馬ラーグルフとの併せ馬で機敏なフットワークを披露し、休み明けでも態勢は整っている。豊富な経験値を武器に、存在感を見せたい。馬名の由来は「太陽(モンゴル語)+速く飛ぶ馬(モンゴル語)」。

牡6歳

調教師:安田隆行(栗東)

  • 父:ロードカナロア
  • 母:ローズノーブル
  • 母の父:ディープインパクト
ここに注目!

母がマイルを中心に4勝を挙げたローズノーブルで、父が2012年、2013年の香港スプリント(G1)を連覇したロードカナロアというスピード色の強い血統。昨年と今年の函館スプリントSで2年連続2着に好走しており、ここでも侮れない。

2年連続の2着となった前走・函館スプリントS。好位をセンス良く進み、直線は瞬発力を生かして先頭へ立ったが、ゴール前で勝ち馬キミワクイーンの決め手に屈した。騎乗した西村淳也騎手は「いいスタートだったし、手応え良く回ってこられました。直線もよく加速してくれたけど、勝ち馬が強かったです」と肩を落とした。2021年の2勝クラス・札幌スポニチ賞(芝1200メートル)を快勝するなど、洋芝の北海道シリーズでは6戦5連対と崩れておらず、自信を持って戦える条件だ。過去10年の本レースは、前走函館スプリントS組が2勝。ともに前走惜敗からの勝利だった。本馬もここで重賞タイトルを手にしたい。馬名の由来は「19世紀に英国で発行された祝祭記念の金貨。母名より連想」。

(高木 翔平)

ご注意 「今週の注目レース」ページの情報は、特別レース登録馬や過去のレース結果に基づいて制作しております。JRAが特定の競走馬を応援、推奨するものではありません。出走取りやめ、出走取消などにより、掲載した競走馬がレースに出走しないことがあります。

ページトップへ戻る
表示モード: