ブリンカーを装着して競馬内容が安定。今年初戦の1勝クラス（中京・ダート1800メートル）で押し切り勝ちを決めると、毎年素質馬がそろうヒヤシンスS（リステッド・東京・ダート1600メートル）は、積極果敢な逃げを打って3着と踏ん張った。前走の鳳雛S（リステッド、1着）もハナへ。スローペースだったとはいえ、メンバー中最速タイの上がり3ハロンタイムでの逃げ切りは極めて優秀。今後の展望が大きく開ける勝利だった。重賞初挑戦だが、今回のメンバーでダートのオープンクラスを勝っているのは本馬だけで、実績は上位と言える存在。秋以降の飛躍を期すためにも、ここで初タイトルをつかんでおきたい。

今年は1着、5着、1着、13着だが、それぞれに見どころがあった。2勝目を挙げた1勝クラス・若竹賞（中山・芝1800メートル）は、2勝クラスに相当する好時計での逃げ切り。続くスプリングSは先行できなかったが、長く脚を使って5着に入り、前々走のプリンシパルS（リステッド・東京・芝2000メートル）は、あらためて逃げに徹して快勝した。前走の日本ダービーは後続を離す逃げを敢行し、直線半ばまで先頭を守る力走を見せた。全3勝を中距離で挙げているだけに、1800メートルへの距離短縮はプラスのはず。ダート適性は未知ながら、地力で押し切る可能性はあるだろう。選択肢が広がる一戦となるか、注目だ。

関東オークス（JpnⅡ）は5番人気で、JRA所属馬の中では最低人気だったが、その評価を覆す走りを見せた。好枠（3枠3番）を生かして流れに乗ると、勝負どころの2周目3コーナー過ぎから勝ち馬を追う形でスムーズな追い上げ。ラストはその勝ち馬の粘りに屈したものの、初コースとは思えない立ち回りでの2着好走だった。あの機動力をもってすれば新潟は適条件と言えるはずで、実際に新潟では未勝利での2着があり、経験は強調材料になるだろう。前々走で2着に退けたメイショウモズが次走のユニコーンSで4着に健闘したことから、牡馬相手でも上位争い可能とみていいだろう。

初勝利は2着馬に3馬身差、続くきさらぎ賞も3着に入るなど、早くから高い能力を感じさせていたが、ここ2戦はそれを再認識させる走りだった。2勝目を挙げた前々走は、4コーナー10番手からメンバー中最速となる上がり3ハロン35秒8（以下推定）の脚を使って豪快な追い込みを決めた。前走は前で立ち回った勝ち馬に先着を許したものの、3、4コーナーで大外を通りながら上がり3ハロン36秒0のメンバー最速をマークして2着。優にオープン級の末脚を発揮している。現状はスタートが今ひとつで、後方からの競馬を余儀なくされているが、それだけレースぶりに伸長の余地が大きいと言えるだろう。位置取り次第で、初重賞タイトルが視野に入りそうだ。

スケールならこのメンバーでも1、2を争えるほどの素質馬。それを強く感じさせたのが前走の1勝クラス（阪神・ダート1800メートル）の勝ちっぷりだった。好位直後のポジションから競馬を進めると、勝負どころでは決して手応えがよくはなかったものの、直線に入ってムチが入るとグンと加速。内にモタれる幼さを見せながらも先頭に立ち、最後は鞍上が流すような格好で快勝した。まだ競馬をしっかりと理解できていない印象で、気を抜いたり逆に力んだりと若さが目立つが、その状況でも結果を残している点が高い能力の証だろう。跳びの大きさとレースぶりから、機動力が求められる新潟・ダートは不向きにも思えるが、スケールの大きさで圧倒しても不思議はない。

前走の1勝クラス（中山・ダート1800メートル）は、道中中団を追走。向正面から4コーナーにかけては内を進んで直線入り口を向いたが、前が壁になり追い出しのタイミングを待つシーンも見られた。その間に先頭に立ったプレミアペガサスはリードを広げ、残り200メートル地点では5馬身差はあろうかという展開だったが、グングンと加速すると瞬く間に差を縮めて、最後はクビ差捕らえてゴール。非凡な瞬発力を見せつける驚きの快勝だった。走破時計も翌週の古馬2勝クラスと同タイムの優秀さ。ここが3戦目でキャリア不足は否めないが、重賞でも通用するだけの素地は備えている。