5歳初戦となった2走前の東京新聞杯は、馬群が縦長になり、上位馬とは位置取りの差も出たが、4コーナー13番手からメンバー中最速となる上がり3ハロン33秒3（推定）の末脚で勝ち馬から0秒1差の4着に追い上げた。前走のダービー卿チャレンジTは、中団で折り合いに専念。直線はインダストリアに最後まで詰め寄れず0秒1差の2着惜敗も、ハンデ戦で2キログラムの斤量差があったことを思えば、勝ちに等しいレース内容だったと言えるだろう。脚質に幅が出てきたことも収穫。東京・芝1800メートルでは、昨年の毎日王冠でコースレコード決着の0秒1差2着がある。秋のGⅠへ駒を進めるためにも、ここは負けられない一戦だ。

4歳初戦となった2走前の東京新聞杯は、騎乗した戸崎圭太騎手が「直線で追い出すと耳を絞って何度も手前を替え、身体が流れて内にモタれるところもありました」と敗因を挙げたが、勝ち馬から0秒5差の7着ならレース内容は悪くない。前走のダービー卿チャレンジTは、出たなりに脚をためて中団を追走。スローペースの瞬発力勝負で、レースのラスト2ハロンが11秒3、11秒2の加速ラップだったが、ゴール寸前で鮮やかに抜け出し、最後はジャスティンカフェの追い上げを振り切って快勝した。先週の安田記念への出走がかなわず1週スライドしたが、仕上げに抜かりはなく、重賞連勝を狙う。

約3か月の休み明けだった2走前の大阪城S（リステッド）は、出負け気味のスタートで後方を追走。中団から差し切ったスカーフェイスとは位置取りの差も出たが、4コーナー10番手から猛然と追い上げて0秒1差の2着に入った。前走の都大路S（リステッド）は、脚をためて後方待機策。直線は馬群の大外から一完歩ごとに差を詰め、ゴール寸前でアドマイヤハダルを捕らえて、2022年2月の洛陽S（リステッド・阪神・芝1600メートル）以来の勝利を挙げた。今回は重賞で好メンバーがそろったが、堅実な末脚が持ち味で、前が止まる展開なら一気に浮上しそうだ。

格上挑戦となった2走前の3勝クラス・難波S（阪神・芝1800メートル）は、軽く促して先手を奪うと後続を離してスローペースの逃げ。直線でもスピードは衰えず、パラレルヴィジョンの追い上げを1馬身1/2差振り切って快勝した。前走のオープン特別・メイSも好スタートを決めて先手を主張。最後はサクラトゥジュールの瞬発力に屈したものの、思い切りのいい逃げに持ち込み、クビ差の2着に惜敗。それでも、3着以下は3馬身引き離しており、「負けてなお強し」を印象づけた。今回も、展開の鍵を握る本馬の動きに注目が集まる。

3走前の京都金杯は、スタートを決めて好位のインをキープ。直線は馬群が密集して仕掛けをワンテンポ待たされたが、ラスト200メートル付近で進路を確保すると、しぶとく脚を伸ばして2着に好走した。2走前の東京新聞杯は、スッと控えて後方待機策。4コーナー10番手から直線はジャスティンカフェ（4着）に次ぐ上がり3ハロン33秒6（推定）の末脚で懸命に差を詰め、勝ち馬ウインカーネリアンと0秒2差の5着に健闘した。前走のマイラーズCは8着に敗れたが、外を回りながら勝ち馬から0秒5差なら、悲観するレース内容ではない。200メートルの距離延長がプラスに働けば、上位争いが期待できそうだ。

2走前の3勝クラス・秋風S（中山・芝1600メートル）は、スタートで出脚がつかず後方待機策。ハイペースのなか、直線は馬群のインに切れ込みながら鋭く伸びて鮮やかな差し切り勝ちを決めた。前走のターコイズSは、大外枠で出遅れたこともありじっくり構えて最後方を追走。平均ペースで前の馬も粘る展開だったが、直線は大外からメンバー中最速となる上がり3ハロン33秒5（推定）の豪脚で追い上げて、勝ち馬とクビ＋アタマ差の3着に好走した。父ディープインパクト譲りの瞬発力があり、東京コースなら前走以上のパフォーマンスを発揮できるだろう。

3走前の白富士S（リステッド）は、内枠（2枠2番）を生かして好位のインをキープ。途中で他馬が動いたことで、4コーナーでは6番手にポジションを下げたが、直線でじわじわと脚を伸ばして3着に好走した。2走前の金鯱賞は、外枠（8枠11番）スタートで前に壁を作れず、2番手追走から直線の粘りを欠いて7着に敗退。前走の新潟大賞典は不良馬場も影響して7着に敗れたが、ここ2戦はともにはっきりとした敗因があり、力負けではない。中京コースで全4勝をマークしているように左回りがベストで、瞬発力を引き出せるという意味で200メートルの距離短縮もプラスに働きそうだ。

2走前の3勝クラス・湾岸S（中山・芝2200メートル）は、スタートで他馬と接触するシーンもあったなか、道中は中団で折り合いに専念。直線で勝ち馬に内をすくわれて2着に敗れたが、一度先頭のシーンは作り、3着以下に1馬身3/4差なら「負けてなお強し」の内容と言えるだろう。前走の3勝クラス・府中Sは、脚をためて中団を追走。直線で満を持して追い出すと、鮮やかに抜け出して1馬身1/2差で快勝した。気性面が成長して近況の充実ぶりは著しく、3歳春のスプリングS（13着）以来となる芝1800メートルにも十分に対応可能だろう。