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競馬場・コース紹介

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メイダン競馬場

ドバイ首長国にあるメイダン競馬場は、アラブ首長国連邦(UAE)を代表する競馬場。UAEでは今シーズン(2022-2023年シーズン)、サラブレッドによる重賞が31レース組まれているが、そのうち30レースまでがメイダン競馬場での開催となっており、7つあるG1は全てここで行われている。

ハイライトとなるのは3月末に行われる「ドバイワールドカップデー」。この開催では、総賞金1200万アメリカドル(約15億8400万円。1ドル=約132 円で換算)を誇るドバイワールドカップ(G1・ダート2000メートル)をメインとする5つのG1を含む8つのサラブレッドによる重賞とアラブ馬によるG1であるドバイカハイラクラシックが行われる。その賞金総額は3050万アメリカドル(約40億2600万円)にも上る。

メイダン競馬場の開場は2010年1月28日のこと。それまでのナドアルシバ競馬場に替わる競馬場として、その隣接地に約1800億円もの巨費を投じて建てられた。訪れた人が驚かされるのはその豪華絢爛さで、隣接するホテルと合わせれば全長1キロメートルを超えるスタンド(ホテルのバルコニーからも競馬観戦が可能)は見る者を圧倒する大迫力。夜の帳が下り、真っ暗になった砂漠の中で、ナイター照明を浴びて浮かび上がる競馬場はまるでSF映画に登場する巨大な宇宙船のようでもある。

競馬場は、楕円型の左回りで、1周2400メートルの芝コースとその内側に1750メートルのダートコースというレイアウト。最後の直線は芝が450メートル、ダートが400メートルとなっている。また、芝コースには2コーナーと4コーナーの奥にシュート(引き込み走路)が設けられており、たとえばドバイターフ(G1・芝1800メール)は2コーナー奥のシュート上、アルクオーツスプリント(G1・芝1200メートル)は4コーナー奥のシュート上からのスタート。同じくダートコースにも2コーナーに2本のシュートがあり、たとえばゴドルフィンマイル(G2)を含む1600メートル戦はこの内、斜めに大きく伸びたシュート上からの発走となっている。
なお、メイダン競馬場では開場から2014年3月まではダートではなく、オールウェザーでレースが行われていたが、馬場管理の難しさが明らかになったことや、ダートで強さを見せるアメリカ調教馬の参戦を促す意味合いもあってダートに換装されて今に至っている。

馬場は芝もダートもほぼ平坦。ただし、コーナーには芝で5%、ダートでは5.5%のバンクがついており、コーナリングがしやすくなっている。芝はベースとなるバミューダグラスにペレニアルライグラスをオーバーシードした馬場で、香港のシャティン競馬場と同じ。一方のダートは日本のダートよりも細かい砂がかなり多く、アメリカのダートに近いという印象がある。

文:秋山 響(TPC)
(2023年3月現在)

  • メイダン競馬場 イメージ1
  • メイダン競馬場 イメージ2
  • メイダン競馬場ダート1200メートル

    メイダン競馬場 コース図

    ドバイゴールデンシャヒーン(G1)が行われるメイダン競馬場のダート1200メートルは向正面からのスタートで、最初のコーナーまではおよそ350メートル。コーナーは3コーナーと4コーナーの2つだけで、いわゆるワンターンのコース設定となっている。

    基本的にはアメリカのダート戦と同じようなイメージで先行有利。キックバック(砂の跳ね返り)が多く、差し、追い込み勢は前進気勢が削がれやすい。2021年のドバイゴールデンシャヒーンではゼンデンが逃げ切り勝ちを収めたほか、2019年も逃げたエックスワイジェット、道中2番手のマテラスカイ、同じく3番手のインペリアルヒントがそのまま順番を変えずに1着から3着を占めた。

    ただ、同じメイダン競馬場のダートでも、ダート1200メートル戦とダート2000メートル戦を比べれば、おそらくペースの違いと、ワンターン(コーナー2回)かツーターン(コーナー4回)の違いが影響しているのだろう、ダート1200メートル戦の方がダート2000メートル戦よりは後方待機勢にもチャンスが大きい印象。2017年、2018年のドバイゴールデンシャヒーンでマインドユアビスケッツが追い込みを決めたほか、2022年にもスイッツァランドが中団から差し切り、レッドルゼルが最後方から追い込んで2着に入っている。

    コースレコードは2021年のドバイゴールデンシャヒーンで、ゼンデンが記録した1分09秒01。

    文:秋山 響(TPC)
    (2023年3月現在)

  • メイダン競馬場芝1800メートル

    メイダン競馬場 コース図

    ドバイターフ(G1)が行われる芝1800メートルは、2コーナー奥に伸びるシュート(引き込み線)からの発走。最初のコーナーまでには十分な距離があることもあり、ゲート順の有利不利は少ない。実力がストレートに反映されるコース設定となっている。

    また、近年のドバイターフ優勝馬のレースぶりを見ると(2020年はコロナ禍で取り止め)、2022年は逃げ粘ったパンサラッサと中団から伸びたロードノースが同着となっているほか、後方から差し切った2021年のロードノース、中団から鋭く伸びた2019年のアーモンドアイ、先行してあっさりと押し切った2018年のベンバトル、後方から差した2017年ヴィブロスとそのレースぶりは幅広く、脚質による有利不利もあまりなさそう。フェアなコース設定と言えそうだ。

    コースレコードは、ジャスタウェイが2014年のドバイデューティーフリー(G1。現ドバイターフ)で樹立した1分45秒52。

    文:秋山 響(TPC)
    (2023年3月現在)

  • メイダン競馬場芝2410メートル

    メイダン競馬場 コース図

    ドバイシーマクラシック(G1)が行われる芝2410メートルはスタンド前からの発走で、最初のコーナーまではおよそ250メートルしかない。長距離戦だけにあまり気にする必要はないかもしれないが、一般的に言って多頭数になった場合は、外枠の逃げ・先行馬はやや不利だろう。芝コースの幅員は30メートルで、フルゲートは仮柵が何メートルあるかによって異なるが、仮柵なしの場合は16頭に設定されている。

    メイダン競馬場の芝2410メートルで行われるレースはかなり少なく(2022-2023年シーズンはドバイシーマクラシック(G1)とドバイシティーオブゴールド(G2)の重賞2つを含む全6レースの予定)、傾向は掴みにくいが、やや先行有利の印象はあり、近年のドバイシーマクラシックを振り返っても(2020年はコロナ禍で取り止め)、2021年は実力的に抜けていた差し・追い込み馬(ミシュリフ、クロノジェネシス、ラヴズオンリーユー)が上位3着までを占めたものの、2022年のシャフリヤールは2、3番手、2019年のオールドペルシアンは3、4番手、2018年のホークビルは逃げ、2017年のジャックホブスは2、3番手からそれぞれ優勝している。

    コースレコードは2021年のドバイシーマクラシックでミシュリフがマークした2分26秒65。

    文:秋山 響(TPC)
    (2023年3月現在)

  • メイダン競馬場ダート2000メートル

    メイダン競馬場 コース図

    ドバイワールドカップ(G1)が行われるメイダン競馬場のダート2000メートルはスタンド前からの発走で、最初のコーナーまではおよそ300メートルとなっている。

    ダート2000メートルの傾向としては先行馬が有利という印象がある。これはアメリカのダートレースも同様なのだが、キックバック(砂の跳ね返り)が多いこともあって、後方待機勢は立ち回りが難しくなることもその理由のひとつとして挙げられるだろう。2022年のドバイワールドカップでは1000メートル通過が59秒54という同レースがメイダン競馬場のダートで行われるようになった2015年以降における最速ペースで逃げたライフイズグッドは4着に終わったが、それでも3番手でレースを進めたカントリーグラマーが優勝。2021年は3番手追走のミスティックガイドが勝ち、2019年も2、3番手のサンダースノーが制し、並んで逃げたグロンコウスキーが2着に入った。先行力とスピードの持続力が問われるコースと言えそうだ。

    コースレコードは2018年のドバイワールドカップでサンダースノーが記録した2分01秒38。

    文:秋山 響(TPC)
    (2023年3月現在)

メイダン競馬場 紹介動画(2018年制作)

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