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競馬場・コース紹介

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ムーニーバレー競馬場

メルボルンの中心部から北西に約6キロのところにあるムーニーバレー競馬場は、ヴィクトリア州に4つある“メトロポリタン”と呼ばれる主要競馬場のうちのひとつ(他にフレミントン競馬場、コーフィールド競馬場、ラドブロークスパーク競馬場)。レースはムーニーバレーレーシンククラブの手によって開催されており、競馬場の看板レースとなっているコックスプレート(芝2040メートル)や、その前日に行われるマニカトS(芝1200メートル)など4つのG1を含む計20の重賞を実施(2019-2020年シーズンの予定)。1998年から行われている平地競馬のナイトレーシング(ナイター競馬)も大きな呼び物となっている。なお、ムーニーバレー競馬場では以前は平地競馬に加えて、障害競馬や繋駕速歩(けいがそくほ)競馬も行われていたが、現在は平地競馬のみの開催となっている。

ムーニーバレー競馬場で初めて競馬が行われたのは1883年9月15日のこと。当時、この近くにはウィリアム・サミュエル・コックスが造ったケンジントンパークという競馬場があったが、その競馬場が人気を博して手狭になってきたため、コックスが新たな競馬開催地として求めたのが、当時フィーハン家が所有していた農地。そこが現在のムーニーバレー競馬場となった。その後、競馬場とその土地はムーニーバレーレーシングクラブの所有となって、現在へと続いている。なお、コックスプレートが創設されたのは1922年のことで、そのレース名は競馬場の創設者であるコックスからとられたものだ。

ムーニーバレー競馬場は左回りの芝コース。1周1805メートルの周回コースに、2つのシュート(引き込み線)が設けられており、たとえば芝1200メートルのマニカトSや芝1000メートルのA.J.モイアS(G1)はこれらのシュートからの発走となっている。

最大の特徴は、ゴールポスト(決勝線)が長方形型の周回コースの短い辺に設けられているため、最後の直線がわずかに173メートルしかないこと。そのため仕掛けどころは最終コーナーを迎える前となり、トップスピードでコーナーを回るコーナーリングの器用さも求められる(コーナーには7.5度のバンクがついている)。競馬場の高低差は約5メートルで、スタンド側が高く、向正面が低い。1200メートルのコースコードは1分08秒77。1600メートルは1分34秒42。2040メートルは2分02秒94。

なお、ムーニーバレー競馬場は大規模な改修工事が計画されており、ゴール地点の変更を含む競馬場のコースレイアウトを一新する工事は、今のところ2024年のコックスプレート終了後に始まる予定となっている。

文:秋山 響(TPC)
(2019年10月現在)

  • ムーニーバレー競馬場 イメージ1
  • ムーニーバレー競馬場 イメージ2

ムーニーバレー競馬場芝2040メートル

ムーニーバレー競馬場 コース図

コックスプレートが行われるムーニーバレー競馬場の芝2040メートルは、最終コーナーからゴール前の直線に入る付近からの発走。そこからコーナーを4度左回りに回って、もう一度ゴール前の直線を走ってゴールというのが大まかな流れになる。

まず、ポイントとなるのは最初のコーナー。スタート地点からは200メートル弱ほどしかなく、内枠有利の傾向が出ている。特に外枠の先行馬にとってはスタートが重要になる。なお、スタート地点はコーナーにあるが、ゴール前の直線に正対する形でゲートが置かれているほか、1番ゲートの内には補助的に2メートルほどのラチが設置されており、出走馬はまっすぐ直線に入ることができる。

また、同じヴィクトリア州にある、メルボルンカップ(G1)の舞台であるフレミントン競馬場やコーフィールドカップ(G1)が行われるコーフィールド競馬場と比べると、高低差(フレミントン競馬場はほぼ平坦、コーフィールドカップ競馬場は1から2メートルほど)が目立つ点も特徴。最初のコーナーを過ぎて迎える直線に入った辺りから5メートルほど下った後、2コーナー、向正面、3コーナーはほぼ平坦。その後は、最後の直線の少し手前まで5メートルほど上り、最後の直線は平坦というコースレイアウトになっている。ちょうど仕掛けどころが上り坂になっていることに加え、そこで動いた上で、最後のコーナーをなるべくスピードを殺すことなく回らなければならないわけで、パワー、そしてコーナーリングの巧みさも求められるコース設定と言える。

コースレコードは、2017年10月のコックスプレートでウィンクスが記録した2分02秒94。

文:秋山 響(TPC)
(2019年10月現在)

  • コーフィールド競馬場 イメージ3
  • コーフィールド競馬場 イメージ4

ムーニーバレー競馬場 紹介動画(2019年制作)

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