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【PROFILE】井崎 脩五郎(いさき しゅうごろう)
1947年長野県生まれ。明大商学部除籍後、ホースニュース馬に入社。2008年3月からフリーに。フジテレビ「みんなのケイバ」、TBSテレビ「噂の!東京マガジン」に出演中。東京スポーツで「そりゃホントか井崎亭」を連載中。
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聞いたところによると、現在トップのスクリーンヒーローに投票された方がいなかったとか。このまま、スクリーンヒーローが優勝した場合は、2位の馬に投票された方から抽選で賞品をプレゼントすると伺っています。
でも、分かるなあ。エントリーが締め切られた10月5日(日)の時点で、スクリーンヒーローに投票された方がゼロだった理由。当時まだ1600万円以下の条件クラスにいたんだもんね。同期同士の重賞ならラジオNIKKEI賞(JpnIII)2着、セントライト記念(JpnII)3着の実績があったけど、古馬を相手にした新潟記念(GIII)では51kgの軽ハンデでもまったく歯が立たず16着。この戦歴では、誰だって投票をためらう。
しかし、締め切り後に、1600万円以下・2着→JpnII・アルゼンチン共和国杯1着→GI・ジャパンカップ1着という驚嘆の大飛躍。祖母にダイナアクトレス(毎日王冠など重賞5勝)を持つ良血馬が一気に開花した。むかし漢文の授業で「士(し)別れて三日まさに刮目(かつもく)して相待(あいま)つべし」(才能ある者は三日あれば進歩し、旧態にとどまらない)と教わったが、その典型例を見た思いがする。
有馬記念にはそのスクリーンヒーローも出走を予定しているが、注目はやはりダイワスカーレットだろう。デビュー以来11戦してGI3勝〔7・4・0・0〕と連対率100%での出走である。こんなに堅実な牝馬は見たことがない。唯一気になるのは、前走で負けている牝馬が昭和50年以降の有馬記念において、〔0・0・2・39〕とまったく連対例がないこと。
はたしてダイワスカーレットもこの前例どおりの勢いのないレースを見せてしまうのか、それともこの秋1戦しかしていないから疲労も少なく、優勝に向けて巻き返してくるのか。
さあ、どっち―。今年の有馬記念でいちばん頭を悩ますのは、このことになりそうだなあ。
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