騎手になるには関西の若手注目株

騎手になるのに必要なのは、強い意思と決意だと思います

松若 風馬 騎手Fuma Matsuwaka

1995年生まれ。小学生のとき乗馬を始め、競馬学校に入学。第30期生として卒業後、2014年にデビュー。47勝をあげてJRA賞最多勝利新人騎手を受賞。翌年の2015年も、重賞初制覇となったアズマシャトルの小倉記念を含む60勝と活躍。関西の若手注目株の筆頭として注目を集めている。

  • 競馬学校では基本の乗り方をしっかり学べる

    競馬学校で基本の乗り方をしっかり教えていただいたことが、デビューしてから役に立っていると思います。実際のレースは、そこで学んだことの応用という感じで、自分のスタイルみたいなものを探していくことになります。でもそれも、しっかり基本ができていてこそなんです。

    特に僕は、競馬学校入学前に通っていた乗馬クラブが栗東トレーニング・センター乗馬苑というところで、元競馬学校の教官をされていた方がいたので、継続的に基礎を学ぶことができたのがよかったと思います。

  • “減量の恩恵” + 「前に行くスタイル」が活躍につながった

    僕が1年目から勝ち鞍をあげることができたのは、前に行くスタイルが良かったのだと思います。ただでさえ斤量が軽い「減量」の恩恵があるところに、スタートを大事にして、前で競馬を進める自分のスタイルがうまくマッチしたんだと思います。

    スタートを大事にするというのは、所属厩(きゅう)舎の音無秀孝調教師からいちばん最初に教わったことです。ゲートを出ないことにはレースの流れにも乗れないんだから、それだけは気をつけるようにと、厩舎実習の頃から言われていました。

    スタートが上手くなる特別なコツというのはないと思います。経験というか、数を乗る、たくさんの馬に乗ることが大事なんじゃないでしょうか。競馬学校でもゲート練習や模擬レースはたくさんやりましたし、そこで乗る馬もいろいろな馬を用意してもらえます。すごく実践的だったと思います。

  • デビュー後も継続しているフィジカルトレーニング

    デビューしてから特に自分の課題として気づかされたのは、まだまだフィジカルが弱いということです。競馬学校時代からそこは自分のテーマでしたが、あらためてそう思わされました。なので、今はパーソナルトレーナーに頼んで、筋力を付けたり体幹を鍛えるトレーニングのメニューを組んでもらっています。

    栗東の調整ルームにトレーニングルームがあって、先輩ジョッキーがそこでトレーナーを付けてトレーニングしているのを見て、自分もやりたいと思って始めたんです。

    体幹を鍛えると、馬上での身体のブレが少なくなる効果を感じます。筋力は、単純な腕力はあるにこしたことはないでしょうし、その効果は人によると思いますが、下半身は重要だと思います。馬をしっかり追うときには、下半身の力は本当に必要ですから。

  • プロの騎手として必要なこと

    デビューしたばかりの頃は、今から考えればただがむしゃらに乗っていただけでした。それが今は、普段から競馬について考えることがすごく多くなりました。もちろんレース中に考えることも多くなったんですが、それはきっと慣れて余裕が出てきて、視野も広くなったからなんだと思います。

    レースが終わっても、よく動画を繰り返し見ながら反省しています。とにかく四六時中、競馬のことを考えていますね。今は減量も取れて、先輩ジョッキーたちと同じ条件になっています。どうしたら早く追いつけるのか、必死ですよ。

    リーディング上位にいるようなジョッキーと比べて、僕が足りないところはたくさんあると思いますが、最近は特に折り合いについてよく考えます。脚の使いどころというか、直線にどれだけ脚を残していくのかというところは、技術にしろ判断にしろ、上の人たちは本当にすごいです。

  • 騎手になるには

    騎手になるのに必要なのは、明確に自分の目標を立てて、それに向けて頑張ることだと思います。強い意思、決意ですね。

    体も同じで、目的と意思を持って運動していれば、体は自然とそう動いていくようになるもの。僕は小さい頃から乗馬をしていましたが、やっぱりある時からは、騎手になりたいと強く思って乗るようになりました。きっとそういう気持ちが大事なんだと思います。

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