
京都競馬場・芝外回り1600メートルで行われるマイルGⅠ。当レースの優勝馬の多くは引退後に種牡馬や繁殖牝馬となり、自身のスピードを後世に伝えている。ここでは阪神競馬場で開催された2020年から2022年を含む、過去10年のデータから傾向をみていく。
過去10年の単勝人気別成績では、5番人気以内の馬の3着内率が40%から50%でほぼ横並び。上位人気馬が拮抗した成績のGⅠだといえる。なお、6番人気以下になると勝率は落ちるが、過去10年で8頭が馬券に絡んでいる。〔表1〕
| 単勝人気 | 成績 | 勝率 | 連対率 | 3着内率 |
|---|---|---|---|---|
| 1番人気 | 2-1-1-6 | 20.0% | 30.0% | 40.0% |
| 2番人気 | 0-4-1-5 | 0% | 40.0% | 50.0% |
| 3番人気 | 2-3-0-5 | 20.0% | 50.0% | 50.0% |
| 4番人気 | 3-0-1-6 | 30.0% | 30.0% | 40.0% |
| 5番人気 | 2-0-2-6 | 20.0% | 20.0% | 40.0% |
| 6番人気以下 | 1-2-5-114 | 0.8% | 2.5% | 6.6% |
単勝オッズ別にも成績を見ていくと、上位人気の中で馬券的に特に狙い目なのは4.0倍から9.9倍の馬だ。これに該当する馬は過去10年の全ての年で連対しているので、軸馬はこのオッズ帯から選ぶのがよさそうだ。一方、単勝50倍以上の人気薄は延べ76頭が出走して1頭も馬券に絡んでいない。〔表2〕
| 単勝オッズ | 成績 | 勝率 | 連対率 | 3着内率 |
|---|---|---|---|---|
| 3.9倍以下 | 2-1-1-8 | 16.7% | 25.0% | 33.3% |
| 4.0〜9.9倍 | 7-7-2-17 | 21.2% | 42.4% | 48.5% |
| 10.0〜19.9倍 | 1-1-5-17 | 4.2% | 8.3% | 29.2% |
| 20.0〜49.9倍 | 0-1-2-24 | 0% | 3.7% | 11.1% |
| 50.0倍以上 | 0-0-0-76 | 0% | 0% | 0% |
過去10年のうち、京都競馬場で行われた7回の枠番別成績を調べてみると、8枠が4勝を挙げるなど連対率25.0%、7枠が3着内率22.2%と、どちらかというと外枠の好走率が高めに出ている。昨年は1着が7枠13番ソウルラッシュ、2着が8枠17番エルトンバローズ、3着が7枠14番ウインマーベルと、7枠と8枠の馬が上位を独占した。〔表3〕
| 枠番 | 成績 | 勝率 | 連対率 | 3着内率 |
|---|---|---|---|---|
| 1枠 | 1-2-0-11 | 7.1% | 21.4% | 21.4% |
| 2枠 | 0-0-2-12 | 0% | 0% | 14.3% |
| 3枠 | 1-0-2-11 | 7.1% | 7.1% | 21.4% |
| 4枠 | 0-1-1-12 | 0% | 7.1% | 14.3% |
| 5枠 | 0-1-0-13 | 0% | 7.1% | 7.1% |
| 6枠 | 0-1-0-13 | 0% | 7.1% | 7.1% |
| 7枠 | 1-1-2-14 | 5.6% | 11.1% | 22.2% |
| 8枠 | 4-1-0-15 | 20.0% | 25.0% | 25.0% |
過去10年の前走別成績を調べてみると、前走でGⅠを使われていた馬の好走率が最も高い。特にスプリンターズS、天皇賞(秋)、安田記念からの転戦馬には要注目だ。前走がGⅡだった馬の成績もまずまずで、前哨戦の富士Sや毎日王冠経由の馬の好走例が目立っている。〔表4〕
| 前走 | 成績 | 勝率 | 連対率 | 3着内率 |
|---|---|---|---|---|
| GⅠ | 4-2-3-21 | 13.3% | 20.0% | 30.0% |
| GⅡ | 5-4-7-72 | 5.7% | 10.2% | 18.2% |
| GⅢ | 1-4-0-38 | 2.3% | 11.6% | 11.6% |
| 重賞以外 | 0-0-0-9 | 0% | 0% | 0% |
| 地方・海外 | 0-0-0-2 | 0% | 0% | 0% |
過去10年の前走の着順別成績では、3着以内馬延べ30頭のうち29頭は前走で5着以内に入っていた。ちなみに、前走で6着以下に敗れていた馬の中には、2022年1番人気5着のシュネルマイスターや2021年3番人気6着のサリオスといった上位人気馬が含まれているので、前走の成績はチェックしておきたい。〔表5〕
| 前走の着順 | 成績 | 勝率 | 連対率 | 3着内率 |
|---|---|---|---|---|
| 1、2着 | 7-6-3-41 | 12.3% | 22.8% | 28.1% |
| 3〜5着 | 3-4-6-39 | 5.8% | 13.5% | 25.0% |
| 6着以下 | 0-0-1-62 | 0% | 0% | 1.6% |
過去10年の優勝馬は全てGⅠ2着以内の経験があった。また、延べ10頭中9頭にはマイルGⅡやGⅢの優勝経験もあった。チャンピオンシップの名を冠するレースだけに、これまでにマイルで十分な実績を挙げていた馬が、秋の京都のゴール板を真っ先に駆け抜ける。〔表6〕
(姫園 淀仁)
注記:表は横にスクロールすることができます。
| 年度 | 優勝馬 | 主なGⅠ実績 | マイルGⅡ・GⅢ |
|---|---|---|---|
| 2015年 | モーリス | 安田記念1着 | 1勝 |
| 2016年 | ミッキーアイル | NHKマイルC1着 | 2勝 |
| 2017年 | ペルシアンナイト | 皐月賞2着 | 1勝 |
| 2018年 | ステルヴィオ | 朝日杯FS2着 | 0勝 |
| 2019年 | インディチャンプ | 安田記念1着 | 1勝 |
| 2020年 | グランアレグリア | GⅠ・3勝 | 1勝 |
| 2021年 | グランアレグリア | GⅠ・5勝 | 1勝 |
| 2022年 | セリフォス | 朝日杯FS2着 | 3勝 |
| 2023年 | ナミュール | 秋華賞2着 | 2勝 |
| 2024年 | ソウルラッシュ | マイルCS2着 | 3勝 |
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